ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

時は命なり

2013年02月15日 | 通信-社会・生活

 300坪の畑なっぴばる、2月1日から手間と時間のかかる作業を始めてしまった。1月末までに枝豆を植えるための2畝を立てた。だけどまだ枝豆は植えていない。これまでの畝がそうであったように、枝豆予定の畝も土の大きな塊がゴロゴロしている。土が硬くて、全然ほぐれてくれないのだ。今まではそのまま種を撒いたりしていたが、撒いたホウレンソウ、ダイコン、ジャガイモなどの出来は悪かった。
 無農薬に加え、無施肥という自然農法に近い方法を取っている上、耕起(耕すこと)もいい加減にやっていたわけだが、試行錯誤の一つとして、無施肥でもきちんと耕してみたら作物の出来はどうなるか、を試そうと、今回は十分な耕起をすることにした。
  「十分な耕起」とは、土の塊を比較的柔らかいものは手でほぐし、私の握力が及ばないほど硬い塊はヘラで細かくする作業だ。これがとても時間と手間のかかる作業。2月1日から始め、昨日までに延べ約50時間をかけているが、やっと1畝終えたところ。「耕運機を使えば2、3時間で済むじゃないか」なのだが、私はしかし、その時間が無駄だとは思っていない。コツコツやっていることが成功するか失敗するか分からないが、コツコツやっている時間は充実している。少なくとも土はほぐれている。腰は痛いが。
          

 制限時速40キロメートルの道を、前の車が時速40キロメートルで走っていると、ちょっとイライラするが、向こうが正しいので、さほどストレスにはならない。「そうか、ならば俺も、今日はのんびり行こう」などと気分を変えて運転する。
 制限時速40キロメートルの道を、前の車が時速30キロメートルで走っていると、これは大いにイライラする。いや、していた。「何してるトットロー、この道はお前専用の道か!後ろの事も考えろ!」などと、口にはしないが、思っていた。しかし今は、
 「もうすぐ産まれる妊婦が自ら運転しているのかもしれない」、「ド近眼の人が眼鏡を忘れたのかもしれない」などと思い、もうすぐ産まれそうな赤ちゃんの気分やド近眼の人の気分になったりして、のろのろ運転の時間を楽しむようにしている。

 先週のガジ丸通信『農夫の信仰』の中で、「もしも、にっちもさっちも行かなくなったら死ねばいいだけのことだ。これが新米農夫、私の信仰と言えるかもしれない。」と書いた。その「にっちもさっちも行かなくなったら死ねばいいだけのこと」に対し、「命を粗末に考えてはいけない」と言う人がいたので、それに対する反論。

  人はいずれ死ぬんだから、明日死んだとしても文句は言わない。ただ、生かされている間は生きていようとは思っている。生かされている間はできるだけ楽しく生きてやろうと思っている。楽しく無い時間はできるだけ避けたいと思っている。
 私は「時は命」だと思っている。金には替え難い命、だから、私にとって楽しく無い時間こそが「命を粗末に扱っている」ことになる。今楽しくなくても、その時間が将来の楽しい時間に繋がるのであれば、それは「時間の有効活用」だと思う。
 硬い土を手でほぐすという難儀で手間と時間のかかる作業は時間の有効活用。のろのろ運転でイライラする時間を、お母さんの股の間から出そうになって「どうする?今出ちゃダメ?」と赤ちゃんの気分になるのは、「時間を楽しむ」ための苦肉の策。
          

 記:2013.2.23 島乃ガジ丸


うっちん茶

2013年02月15日 | 飲食:飲物・嗜好品

 飲み物も自給を目指し

 畑から芋と野菜が収穫でき、それを食べているので最近はスーパーへ買い物に行く機会が減った。食費がだいぶ節約できている。貧乏人はどんどん貧乏になっているので助かっている。それでもスーパーへは週に2~3回は行っている。畑から収穫できないもの、肉や豆腐、お菓子や飲み物などを買いにだ。自給自足の道はまだまだ遠い。

  自給自足を進めるために今月からやっていることがある。スーパーで買う飲み物は主に酒の類、ワイン、泡盛、発泡酒などだが、その内の発泡酒に代わる物を自作している。知人で有機農家のTさんが作った酵素を使う。酵素を薄めて発酵させて炭酸酵素とし、それに泡盛をアルコール度数5度程度になるよう加える。甘い炭酸カクテルとなる。
 もう一つ、スーパーではお茶も買っているが、これも今月から自作している。畑からウコンが収穫できるのでウッチン(ウコンの沖縄語)茶を作って飲んでいる。

 植物としてのウコンは既に紹介済みだが、その説明文に少し間違いがあったので今回ついでに訂正した。その訂正前の説明文の中に、
  「沖縄の飲み屋さんでは、泡盛の水割り用の水の替わりに冷えたウッチン茶を出すところも多い。肝臓に悪い酒に、肝臓に良いウコンを混ぜる。肝臓の健康にとってはプラスマイナスゼロということになるのだろうか。・・・いつか実験してみよう。」と書いたが、実験はまだやっていない。肝臓に良いかどうか調べようがないからだ。いや、病院へ行けば調べられるかもしれないが、私は何十年も検診などというものを受けていない。今さら受けようとも思っていない。もしも何らかの不具合があって検査を受けなければならなくなって、その時、「もはや手遅れです」と宣告されたら、「そうですか、いよいよ私もこの世から卒業することになりますか、ありがとうございます」と言うつもり。

 ウッチン茶を飲むのは健康のためでは無い。生活費を削減しなければならない、という貧乏からくる考えの一つである。畑にウコンがあったからウッチン茶となる。ウコンはたくさんあるので、これからずっとウッチン茶を愛用しようと思っている。
 ちなみに、自作の発泡酒については、酵素の値段を考えると、市販の500ミリ入り発泡酒110円より高くつくので、この後も続ける予定は無い。
      
 ウコン(鬱金):薬用・染料
 ショウガ科の多年草 アジア熱帯原産 方言名:ウッチン
 名前の由来は資料が無く不明。鬱金という難しい字から想像するにおそらく漢名だと思われる。方言名のウッチンはウコンの沖縄読み。英名はターメリック。
 薬用、香辛料、着色料として地下の根茎が利用される。カレー粉の原料の一つとしてよく知られる。根茎は橙色をしており、それから薬効成分のクルクミンが抽出される。クルクミンは芳香があり、色は黄色。カレーの黄色はこの色。
 熱帯地方で広く栽培されており、国内では奄美以南で栽培されている。
 よく知られているようにウコンは肝臓に薬効があり、また、胃腸にも良い効果を与えるとのこと。薬用としては、根茎を薄くスライス、または刻み、それをそのまま煎じて飲むか、スライス、または刻んだものを乾燥させ、それを煎じて飲む。乾し方は陰干し。
      
 記:2013.2.12 ガジ丸 →沖縄の飲食目次