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ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

時は無駄なく流れる

2014年06月06日 | 通信-社会・生活

 質素倹約農夫は、夜の天気予報を聞いて翌日の予定を立てている。概ねは「降っていなければ畑、雨なら図書館、またはその他の雑用」となっている。畑なら弁当の準備をし、図書館なら調べるものの写真整理などをし、雑用ならそれに必要な準備をする。
 質素倹約オジサンはまた、ガソリン代節約のため、雑用で他所へ出かける場合は、その近くで済ませることのできる用事もその日の計画に入れる。いくつかの用事を一遍で済ませれば、時間とガソリン代の節約となる。そんな生活をしているので、質素倹約オジサンにとって天気予報は大事。予報が当たってくれないと無駄が出てしまう。

 6月1日、天気は曇り、降水確率20%の予報であった。朝、窓を開け外を見ると、細かな雨が降っていたが、「じき止むだろう」と予報を信じ、畑へ出た。
  小雨は止まなかったが、ごく弱い。麦藁帽子で十分雨除けになる程度。で、麦藁帽子を被って除草をし、ニラの収穫などをした。「そのうち止むだろう」と思ったのだが、さにあらず、雨はしだいに強くなってきて麦藁帽子では間に合わないようになった。畑小屋に一旦避難する。タバコに火を点けてしばし待つ。・・・雨は止まなかった。タバコを吸い終え暫らく待っても止まなかった。ということで諦めて、9時半には引き上げた。
 その後、家とは逆方向にあるスーパーへ寄って買い物をし、さらに遠回りして私好みのパンと玉子を置いてある八百屋へ回ったが、好みの2つは売り切れ。「時間とガソリン代を無駄にしたなぁ」とガッカリしたのも束の間、ふと、畑の物置の扉を閉めていないのに気付いた。しょうがなくそこから畑へ戻り、小雨降る中、戸締りして帰ったのだが、「時間とガソリン代の無駄」が倍になってしまって、「あーぁ」と溜息をつく。

 6月2日、天気は雨の予報であった。朝、窓を開け外を見ると、雨は降っていなかったが、空は曇っていて、夜中雨が降ったらしく路面は濡れていた。「じき降るだろう」と予報を信じ、畑へは行かず家でガジ丸HP用の記事書き、昆虫図鑑とにらめっこして昆虫調べなどする。ところが、昼前になっても窓の外、雨は落ちてこない。それでも「そのうち降るだろう」と思って、畑へは行かず、金曜日の職場へ出かけた。
  金曜日の職場であれこれ雑用をこなしているうちに午後2時を過ぎた。外を見ると空が明るい。「降らねぇじゃねーか!」と思いつつ、そこを出て、ホームセンターへ行き、バナナ用の支柱材を買って畑へ。畑へ着いた頃は空は晴れて陽が射していた。
 畑仕事の予定じゃなかったのでその日は作業着では無く普段着だった。バナナの支柱立てをしているとたっぷり汗をかいた。3着ある作業着なら汗で濡れても構わないが、普段着であるジーンズは1着しかない。洗濯しなきゃならない。無駄な洗濯となった。
          

 6月3日、天気は曇りの予報であった。朝、窓を開け外を見ると、予報通りの曇り空、畑へ出た。4時前から雨となっり、いつもより30分ほど早く帰った。
 帰る車の中でふと、「扉を閉めに行ったり、洗濯するのは無駄なことか?」と、昨日一昨日のことを思い出した。「ガソリン代は無駄だったかもしれないが、そもそも無駄な時間ってあるの?」と昨日一昨日の私に問うた。考えた。時間って何だ?と面倒な方向に思考は進みかけたが、結果「生きていたんだったら無駄じゃねーよ」となった。
          

 記:2014.6.7 島乃ガジ丸


農夫を虐める地球の仲間

2014年06月06日 | 沖縄01自然風景季節

  貧乏農夫は時々バイトをしなければならないが、やっていない。新米農夫は害虫に作物を食われて思うような収穫が全然できていない。生命保険を解約したお金が残っていて、質素倹約生活をしていればあと1年半分くらいの生活費はある。しかし、作物の収穫が望み通りにできないとその後の生活が危うい。よって、今はバイトより害虫対策をどうするかを優先し、そのために時間を割いている。図書館に通って虫を調べている。

 畑で虫の写真を撮り、家に帰って、写真と図書館から借りた図鑑と見比べて何者であるかの判明作業をし、それでも判明しない場 合(それが多くある)、図書館へ行って、大きな図鑑で同じ作業をする。図書館ではまた、農業関係の本、特に害虫関係の本も参考にしている。小さな虫たちが畑の作物を食い荒らして質素倹約農夫を虐めている。新米農夫は農薬を使わずに何とか虫の被害を抑えたいとあれこれ勉強中なのである。

     
     

 5月の初め、賞味期限の切れたインスタント麺やレトルト食品が多くあるのに気付き、それらの消費を始めた。先週土曜日、畑での昼飯にカップ焼きそばを食って、それらの消費が全て終わった。昼飯後の一服をしな がら、既に堀り取ってある芋を見ながら、「明日から芋弁当復活だな」と思いながら、閃いた。「芋を蒸すついでに枝豆も」と。
 市販の種を買うと、その種袋の裏に播き方や収穫時期などが記されている。それによると、畑のエダマメはもう収穫時期を迎えている。だけど、私のエダマメは全てが全体に小さい。高さ20センチ程しかない。莢は着いているが、その数は少ない。中には4、5個しか着けていないのもある。私の畑は肥料をあげていないので生育が遅いと思われる。袋に記されている期間よりも長い時間を要するのだと思う。それでも、中には20個 余の莢を着けて、その実も十分太っているのもあり、「これは食える」と収穫した。

 収穫しているとコフキゾウムシ(ハイイロクチブトゾウムシかもしれない)がエダマメの葉に多くいた。エダマメの葉にはまた、タイワンキドクガの幼虫もついている。彼らはたぶん、エダマメの新芽も齧っているであろう。で、気付いた。エダマメが大きくならないのは、無施肥のせいもあろうが、こ奴らのせいでもあるに違いないと。

     
     

 畑の北側境界にグヮバの木を列植している。20本余あって、それにはハイイロクチブ トゾウムシ(コフキゾウムシかもしれない)が多くいて、グヮバの葉を食っている。グヮバの木は大きく、ハイイロクチブトゾウムシ(コフキゾウムシかもしれない)はとても小さいので、彼らが食っていてもグヮバの成長に大きな問題は無い。
 グヮバにはミノムシも多く付いている。20本余の内の1本に、特に集中して付いていて、その1本は葉が食い荒らされて、見るも無残な姿になっている。

 タイワンキドクガはグヮバにもいて、ピーマンや他の作物にも付いている。セスジスズメはサトイモの葉を食い荒らし、ウリハムシはヘチマやキュウリを枯らす。ヒメナガメは好物のアブラナ科だけでなく、フェンネルの実にもどっさり付いている。

     
     

  農夫を虐める奴らと言えば、カタツムリの類を忘れてはいけない。キュウリは茎を齧られ3日と持たずに枯れる。モーウイの葉はウリハムシが齧っているが、その果実はカタツムリに食われる。カタツムリの類はオキナワウスカワマイマイが無数にいて、大型のアフリカマイマイも多くいる。どちらも好き嫌いがないようでウリ類だけでなく、葉野菜を齧り、パパイアの幹を這い上って、その果実を 齧って、傷を付ける。
     

 枯れ草を積んでおくと、その中にカタツムリの類がたくさんいる。先日、ある一ヶ所の枯れ草を他所へ移し、そこにいたアフリカマイマイ(小さなカタツムリは多過ぎて駆除を諦めている)を集め、向かいの森へ捨てたが、奴らがいた箇所の土を掘り返した時、奴らの卵をどっさり見つけた。ひと固まり100個もあろうか、その塊が数個あった。

     
     

 「みんな同じ地球の仲間」なんて歌があったが、地球の仲間たちは農夫を虐める。虫に負けずに作物が無事育つよう試行錯誤の 実験をいろいろやっているが、奴らは強敵 で 新米農夫は今のところ負けっ放しだ。でも、農薬に頼らずいつかは勝ちたいと思っている。私が笑う日が来るのか、あるいは、私が農業に挫折してしまう日が来るのか・・・。
 もしも、私が奴らに勝つ日が来たとしたら、それが今の梅雨時であれば、ゲットウやテッポウユリの花を眺め、メジロやウグイスの囀りを聴き、喜びを静かに味わうであろう。今の、虫に勝てない私は、それでも、「まぁ、そのうち何とかなるさ」と呑気に、今日もまた静かに酒を飲んでいる。梅雨時の楽しみであるエダマメが肴の一つ、旨い!
     

 記:2014.6.5 島乃ガジ丸 →沖縄の生活目次


ダイコンハムシ

2014年06月06日 | 動物:昆虫-甲虫目

 親子でカブ泥棒その2

 テレビを観ないので「アキバ48のメンバーが刺された」というニュースを聴いても、アキバ48の誰それの名前も顔も全然浮かばない。最近ラジオでよく聞く「ライン」とかいう言葉も何なのか判らない、メールの進化したものだろうか?
 アキバ48やラインを知らなくても私の生活に何の不具合も無い。私の生活に直接の影響があるかどうか不明だが、少なくとも未来の沖縄には影響があると思われるTPPの行方や憲法改正問題には多少の興味があり、普天間飛行場返還、辺野古へ移設、高江にヘリパッド新設、沖縄県知事候補などには大いに興味がある。
 しかし、今、私が最も気にしているのは虫。私の生活に大きな影響を与えている虫。その中でも畑の作物に被害を与える虫。奴らのせいで私は私のこれからの生活に大きな不安を抱えている。何しろ、作物ができない、できたとしても売れないのだ。

  ダイコンとカブはほぼ全滅、ダイコンにはニセダイコンアブラムシがうじゃうじゃ集っていて、カブにはキスジノミハムシがうじゃうじゃ集っていた。どちらにもヒメナガメはちょこちょこいて、どちらにもダイコンハムシが少しだけいた。
 この4種は写真を撮って、何者か調べ、いずれもアブラナ科の作物を食害する害虫であることが判った。キスジノミハムシとダイコンハムシの幼虫は、ダイコンやカブの主要な売り物であるところの根も食害し、商品価値を下げるということも判った。親子でカブ泥棒なのである。まあ、ダイコンハムシは少ないので許せるが。

 昆虫や植物の勉強をしていて最近知った言葉がある。「十字花科」、「じゅうじかか」と読む。科は分類学でいう科、十字花は、花が十字形をしているところから来ているのであろう。「アブラナ科の旧称」(広辞苑)とのこと。
 新しい言葉は覚えないが、こういった古い言葉はすんなり目から脳へ入っていく。10年後が不安になる。親戚友人の孫やひ孫たちが訪ねてきた時、「煩ぇ!知らぬ言葉でべちゃべちゃしゃべるな、オジーは余計孤独になるじゃねぇか!」と、古い言葉でしか話さない偏屈で頑固なオジーになった私は、子供たちにそう怒鳴らないだろうか。

 
 ダイコンハムシ(大根葉虫):甲虫目の昆虫
 ハムシ科 本州以南~南西諸島、台湾、東南アジアなどに分布 方言名:不詳
 名前の由来、資料は無いが、アブラナ科野菜の害虫で、ダイコンの葉も肥大根も食害することから「ダイコンに着くハムシ」ということで間違いなかろう。ハムシは「成虫・幼虫ともに植物の葉を食害」(広辞苑)でハムシ(葉虫)なのであろう。
 体長3~4ミリ内外と小さい。同じくアブラナ科の害虫キベリノミハムシは体長3ミリ内外で縦長である。本種は丸く、横幅がある分大きく見える。
 寄主はダイコンなどアブラナ科の植物で、アブラナ科野菜の害虫。成虫は葉を食べ、幼虫は根を食害する。「湿度の高い畑で発生することが多い」とのこと。
 成虫の出現は周年。私の畑では、キベリノミハムシに比べると数はずっと少ない。

 記:2014.6.1 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行


キスジノミハムシ

2014年06月06日 | 動物:昆虫-甲虫目

 親子でカブ泥棒その1

 私が若い頃、どのくらい前か記憶はおぼろげだが、少なくとも高校生の頃には耳にした言葉に「空梅雨(からつゆ)」なるものがあった。空梅雨は沖縄だけの言葉ではなく、広辞苑にも載っている正式な日本語。「ほとんど雨の降らない梅雨」のこと。沖縄では空梅雨がよくあって、夏場、そのせいで断水なんてのもよく経験した。それはしかし、もう昔の話で、ダムの整備が進んだこともあり、沖縄島で断水なんてしばらくない。
 今年の沖縄の梅雨は、空梅雨からは遥かに離れ、いかにも梅雨らしい梅雨となって、雨はしこたま降っている。ダム湖も3杯くらいお代わりできたのではないか。

 雨の日が多いので畑仕事も休みの日が多いかというとそうでもない。5月5日に梅雨入りして以来、確かに雨は多いが、1日完全休みとしたのは5日と27日のみ、雨の降っていない日はもちろん、降っている日でも雨の合間をぬって畑へ行き、トマトやニラ、バジルやパセリなどの収穫作業をしていた。そういった作業は30分~2時間くらいなので、その日は暇ができる。暇ができた時、私は概ね図書館へ通っていた。
  図書館へ行って昆虫や植物の勉強をするのはずっと前からやっている。撮った写真の植物や動物が何者であるか調べ、その性質などを調べる作業。そういった作業はずっと前からやっているのと同じだが、最近は昆虫が多い。畑にたくさんの虫がやってきて、というか、地面からでも湧き出すかのようにうじゃうじゃいて、それらの勉強。

 ダイコンがほとんど収穫できなかったのはニセダイコンアブラムシがうじゃうじゃ、カブがほとんど収穫できなかったのはキスジノミハムシがうじゃうじゃ、それらが葉を食って、お陰で葉の育たないダイコンやカブは根を太らせることができなかったのだ。
 キスジノミハムシはまた、その幼虫がダイコンの根を齧るらしい。親子で泥棒だ、親は葉を盗み、子は根を盗む、何て奴ら!・・・せめてだ、親は子のために根を太らせることを考えたらどうかと思う。葉を齧るのを少し遠慮すれば根は太るぞ!と思う。

 
 キスジノミハムシ(黄条蚤金花虫):甲虫目の昆虫
 ハムシ科 日本全土、東南アジアに分布 方言名:不詳
 名前の由来、キスジノミ(黄条蚤)については『沖縄大百科事典』に「上翅に黄色の条紋を有し、ノミのように跳ねるので」とあり、ハムシは広辞苑に「成虫・幼虫ともに植物の葉を食害」とあり、葉に着く虫ということでハムシ(葉虫)なのであろう。
 体長3ミリ内外と小さく、実物を見ても「上翅に黄色の条紋」は老眼の目では確認できなかったが、手を近付けるとピョンピョン跳ねるのは確認できた。
 ダイコン、カブ、カラシナ、キャベツ、ハクサイなどアブラナ科野菜の害虫としてよく知られている。成虫は葉を食べ、幼虫は根を食害する。ダイコン、カブなどは食用となる肥大根を齧られるので被害は大きい。
 成虫の出現は周年で、春に特に多い。成虫となってから3ヶ月生きる。

 記:2014.6.1 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行