先週のガジ丸通信『医者に殺されない』で、「私が病院の世話になったのは、・・・それらの4回だけ」と書いたが、歯医者を忘れたいた。40歳を過ぎて老眼鏡を買い、老化を感じて歯医者にも時々通うようになった。主に歯石取りなどの歯の掃除のため。親知らず除去手術も1回あった。40代は平均すると年に1回は行っていたと思う。
去年、7~8年ぶりくらいに歯医者へ行ったら「歯周病」と診断された。「老化ということですね」と医者に問うと、「そうですね」と笑っていた。医者は「半年に1度は治療を受けた方が良いですよ」と勧めてくれたが、それから1年経っても私は歯医者へ行っていない。「老化ならばしょうがないこと、放っておけ」といった気分。歯痛はとても痛いということは知っている、耐えられない痛さを感じたら病院へ行けばいいのだ。
この先、歯が1本抜け2本抜けして、10年後には20本ほどしか残っていなかったとしても、それは普通だと思う。人間の体はそのように作られていると思っている。20年後(生きていたとして)、歯が無くなりモノが噛めなくなったら噛まずに済むモノを食えば良いし、それで栄養不良となって衰弱死したなら、それが私の寿命である。
さて、先週の続き、『医者に殺されない47の心得』にはまた、私の考えていたことと違う箇所もいくつかあった、玄米、塩、免疫細胞のことなど・・・について。
「免疫力が強ければ癌も自然治癒する」と私は思っていたが、同書には「免疫力では癌を防げない」とあった。その項の中に「免疫細胞は外から入ってきた異物を敵と認識してたたく・・・がんは自己細胞が変異したもの・・・人間の免疫システムが、がん細胞を敵とみなさないからがんは発生する」とあって、これには私も納得した。
それでも私は、人間の自然治癒力を信じている。癌もそれによって治ることがあるはずだと信じている。その自然治癒力は免疫細胞の力では無く、別の力、例えば「元気」というものかもしれない。体と心に元気があれば癌も自然治癒するはず。元気の源は幸せだと思う。幸せは家族の愛情や仲間の友情を感じることなどで得られ、笑うことで得られ、そしてたぶん、美味しいものを食べたり、旨い酒を飲んだりしても得られるはず。
「精製塩より自然塩の方が健康に良い」と私は思っていたが、同書には「自然塩より精製塩の方が安心」とあった。ちなみに、「高血圧に塩はダメはウソ」ともあり、これは私の考えと一緒。その項の中で「砂糖、米、パンなどにも言えることですが、白く精製した食品を毒物のようにバッシングし、黒糖や玄米や黒パンを手放しでほめたたえる、というのは非科学的です」とあった。私が信じていた「白糖より黒糖、白米より玄米、精製塩より自然塩の方が健康に良い」は、科学的には全く実証されていないみたいである。
科学的に実証されていないのなら私が実験だ。私は体のあちこちに不調が出始めた中年になって健康を考えるようになった。白米を玄米にし、玄米から芋になり、白糖を使わず黒糖にし、精製塩でなく自然塩を使っている。しかし、高校生の頃からタバコを吸い酒を飲み、酒タバコは以来ずっと続いている。そんな男が長生きするかどうかの実験だ。その男には付帯条件も付く。死ぬまで独りであったことと、ストレスをほとんど感じずに生きていたということ。果たしてその結果はいかに。被験者はたったの1人だが。
記:2015.10.16 島乃ガジ丸
夏を乗り切る菓子
私は子供の頃からお菓子は好きだった。「お菓子が好き」は子供として普通だろうが、ケーキは苦手だった。子供の頃から飲兵衛オッサンのようにスルメが大好きで、塩せんべいのような塩味のものが好きだった。「甘いものが嫌い」というわけではなく、ケーキは苦手だったが、チョコレートは好きで、饅頭など和菓子系も好きだった。
子供の頃食べた甘いお菓子と言うと、駄菓子屋で買った1セント(当時の沖縄の通貨は米ドル)のチョコレート、祭りの時の綿飴、行事の時の破れ饅頭、くんぺん、餡餅などの沖縄菓子、祖父母が時々くれた金平糖、氷砂糖、原料は何なのかよく判らないアメリカ菓子など。そして、祖父母の部屋にたいてい置いてあったクルザーターもよく食べた。
クルザーターは黒砂糖の沖縄語読み。甘いだけの白砂糖に比べクルザーターには苦味もあった。苦味といえば、チョコーレートにも微かに苦味はあった。そういった「甘いだけでは無い」甘いものが私の好みだったのだと思う。今もその嗜好は変わらない。
クルザーター、特に私の好物というわけではなかったので自分で買ってまで食べるということは無かったし、大学時代、東京暮らしの5年間はクルザーターから離れていた。クルザーターを自分で買ってまで食べるようになったのは、沖縄に帰って労働者になってから。特に夏、汗をかく労働者たちは休憩時間にクルザーターを食べることがたびたびあった。先輩労働者の誰かが持っていて「ほら、疲れがとれるぞ」とか言われ勧められた。沖縄の夏の暑さに耐えるにはこの甘さが必要なんだと認識した。
クルザーター、特に私の好物というわけではないので、汗をかいたからといってクルザーターばかり食べていたわけではない。休憩時間には饅頭などの和菓子系やクッキーなど洋菓子系も食べ、せんべいなど塩気のあるお菓子も多かった。
10年前くらいからだと思うが、熱中症が流行り(それまでは日射病とか言われていなかったか?)だして、「水分を補給しましょう、塩分も摂りましょう」と耳にすることが多くなった。汗として流れ出るのは水分だけでなく、汗には塩も含まれ、体内の塩分が不足すると体調不良になるとのこと。「なるほど」と納得。
友人のOはそういったことに詳しい。「塩だけでなく、その他のミネラル分も汗として流れ出る。なので、塩を舐めるだけではダメ」と言い、「これが良いよ」と私にお菓子の入った袋を1つ寄こした。中身はクルザーターだった。「塩を含んだ黒糖だ、汗で流れ出たものをこれが補ってくれる」とのこと。商品名は『ちょび塩』。
思い返せば、私が労働者として働いていた頃の労働者仲間たちは、汗をかいたら何を食べればいいか知っていたわけだ。クルザーターにはミネラルがたっぷり含まれている。クルザーターに足りない塩は別途補給すれば良い。労働者たちはたぶん、家に帰って塩気たっぷりの晩飯を食べていたに違いない。そうやって夏を乗り切ったに違いない。
Oがくれた塩黒糖『ちょび塩』、これを食べておけば、家に帰って塩分控えめの料理を出されても美味しく頂ける。「美味しいね」と言えば女房も喜ぶ。塩黒糖は労働者たちの健康を保ち、家庭円満にもしてくれるお菓子となる・・・はず・・・かな?
記:2015.10.10 ガジ丸 →沖縄の飲食目次