参院選、新基地建設反対側の候補者を応援し、応援活動を朝早くから毎日やっていた従姉の夫T氏の努力が報われたか、彼の応援する候補者が当選した。めでたしめでたし。であるが私は、喜びも半分でしかなかった。その理由、1つは投票率、前回より増えたとはいえ50%を少し超える程度、私はせめて70%と望んでいた。もう1つは相手方との票差、そしてもう1つ、沖縄は良かったのだが、全国の結果を残念に思った。
民主主義が正しく機能した上での選挙結果なので、残念ではあるが、しょうがないという気分でもある。ただ、国民がそう選んだのだ、この先の政治に対する責任は主権者の国民にある。国策で酷い目にあった福島の選挙結果を考えて欲しい。将来「憲法9条を失くしたのは失敗だった」ということになるかもしれぬ。後悔しても後の祭り。
参議院選挙の前日、T氏の義姉Kさんから電話があり、あれこれ話をした後、
「あなたは応援活動しないの?」
「私は畑仕事しながら勝つように祈っています。」
「祈るだけなの?」
「ただ勝つというだけでなく、大差で勝つことを祈っています。」
「私は、開票と同時に当確になることを祈っているわ。」
などという会話になったが、Kさんの期待以上に、開票の1時間前には早々と応援している候補の当確が発表された。しかしながら、翌日結果を聞くと、私の期待していた大差ではなかった。10万票余の差があったようだが、私の期待は少なくともダブルスコア、できればトリプルスコアであった。若者が政治に関心を持って投票し、投票率が70%くらいあって、60万票対20万票くらいの差をつけて勝って欲しかった。
「圧倒的勝利なら、政府も少しは考えるかもしれませんよ。」と言い電話を切った。
慮るという言葉がある。劣等生ではあったが日本文学部出身の私は、その言葉は知っていて、その意味も理解もしているつもりで、たびたび使ってもいる。念のため広辞苑、
「よくよく考える。考えはかる。思いめぐらす。」のこと。私の理解通りだ。ただ、発音に知らないことがあった。私は「オモンBAカル」と認識していたが、それでも間違いではないようだが、元は「オモンPAカル」らしい。勉強になった。
参院選の翌日月曜日(11日)、高江のヘリパッド建設予定地に工事車両が搬入されたというニュースをラジオから聞いた。これまでのいくつかの選挙結果から沖縄県民が基地を嫌がっているということを政府はちっとも慮らないようだ、トリプルスコアくらいで圧勝しないと政府は沖縄県の選挙結果などちっとも気にしないようだ。
政府の言いようがまた、私を笑わせてくれた。「ヘリパッドを新設することで、北部訓練場の大きな面積が返還される」とのこと。それが沖縄県民のためになるとホントに思っているのかどうか、あるいは、ウチナーンチュはバカだとバカにしているのか。
沖縄県民の要求しているのは、基地返還であるが、それは1つの形であって、その心を慮れば「基地の無い安心安全な生活の希求」である。「基地の面積を小さくするけど基地機能は強力になる」ということであれば、それは全く、沖縄の心から離れている。
記:2016.7.15 島乃ガジ丸
世界が平和になったらなんて、空想妄想の話でしかないが、例えば、日本国憲法第9条が世界中の国々の憲法にもあったとしたらあり得ない話ではない。
日本国憲法第9条が世界中の国々の憲法にもあるなんて、空想妄想の話でしかないが、例えば、国連で議題として提議され、各国が真剣に考え議論したとしたら、
「軍を養う金が不要になるか、基地を維持する金が不要になるのか。」
「そうなれば、軍関連予算を国民の生活予算に回せるな。いいかもな。」などとなるかもしれないので、将来において全くあり得ない話ではない。しかし、
「兵隊はどうする?我が国だと何十万という失業者が出るぞ。」
「あっ、そうか、それは大問題になるな、社会不安になるな。」
「兵隊には荒くれ者が多いから、彼らに適した職も少ないぞ。」
「農業ではだめか?」
「そりゃあダメだろう、兵士と農民って全く正反対の性格だろう。」
「どういう意味だそれ、何で農民と兵士が正反対なんだ?」
「鍬を持って汗を流して土を耕し作物を育てるのを淡々とできる性格の者は多くいる。彼らのお陰でこの世に食べ物ができ、我々も生きることができる。一方、鍬を持って汗を流して土を耕し作物を育てるのを嫌う性格の者も少なからずいる。彼らは役人、医者、商人、大工、漁師など他の仕事に就くことになるが、それらにもなれない者がいる。仕事の無い彼らはどうする?・・・そう、彼らは他人から物を奪って生きていく。農民が生産したものを奪う者達だ、農民から見れば、自分たちと正反対の者達となる。」
「防衛費は人殺しのための予算」と共産党の国会議員が言ったとラジオのニュースで聞いた。「高学歴で知識も教養もあると思われる国会議員が、何てバカなことを」と私は思い、「あっそうか、彼女たちも共産党かもしれない」と思い出した。
数年前、新基地建設反対の辺野古テント村、ヘリパッド建設反対の高江テント村を訪ねた時、高江のテントに若い(といっても20代後半くらい)女性が数人いて、記憶は定かでは無いが、普天間基地が県外移設になるといいねなどという話になって、これははっきり覚えている、1人の女性が「軍事基地は世界中のどこにも必要ないんですよ」とオジサンを諭すようにキッパリ言った。「この小娘が!」と思いつつ、「そうですか」と私はニッコリ笑う。そして、手を繋いで一緒に運動できる人達では無いと判断した。
生きることは他人との競争であると思っている人(私はそう思わないが)が多くいる。権力意志という言葉がある。「他を征服し同化し、一層強大になろうとする意欲」(広辞苑)のこと。それは人間(全てでは無いと思う)が本来持っている性質の1つらしい。
仲間を作って仲間でない人達と戦い、それを征服し仲間を増やしていくということだ。権力意志を強く持った人が国のリーダーになると戦争は普通となる。権力意志を強く持った人はこの世に多くいると思われるので、そう容易く武力放棄はできないのだ。
それでも、治安の良いと言われている日本のように世界の国々がなったとしたら、法令順守に世界の国々が努めたとしたら世界が平和になることも夢ではない。世界が平和になったら、「軍事基地は世界中のどこにも必要ないね」と私も小娘に言えるはず。
記:2016.7.15 島乃ガジ丸