ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

テーブルビート

2013年10月18日 | 飲食:食べ物(材料)

 見た目は赤カブ

 元美人妻の友人Iさんは食い物屋を営んでいるが、去年那覇市から宜野湾市へ店を移して、新たにパートナーを得て、店は食い物屋兼飲み屋となった。新たなパートナーTさんは洋食のコックで、Iさんが和食で、Tさんが洋食担当。
 和洋食とも上質であり、食事としても酒の肴としても文句の無い料理。夜、飲み屋となれば、酒は日本酒もありワインもあり、客はいろいろ楽しめる。
  私が畑を始めたことを知ると、Tさんから野菜の注文がいろいろあった。ビートもその一つ。ビートはロシア料理のボルシチで有名。Iさんはビートのピクルスも作る。
 首里石嶺に住んでいる頃、近くに地産地消のコーナーを持つスーパーがあった。数年前のことそのコーナーに赤カブに似た野菜があり、ビートと名札が貼られていた。ビートはビーツとも呼ばれ、ボルシチに使われる野菜ということを私は知っていた。であるが、ビートがホウレンソウと同じアカザ科とは知らなかった。てっきりカブと同じ種類であろうと思っていた。で、私はビートを和風に料理し、そのえぐみをしっかり味わった。

 そのビート、Iさんが料理したものを食べるとさほどえぐみは無い。訊けば、下茹でしてアクを抜くことが必要だとのこと。茹で時間も長く、30分位は必要とのこと。
  私の畑なっぴばるにビートの種を蒔き、5月6月に収穫した。私のビートはなかなか大きくならず(無施肥のせいだと思う)売り物にはならなかったが、大きめのものから選んでIさんに少し売って、残りはほぼ全て自家消費した。
 Iさんの助言通り長く茹でた。塩茹でしただけのものをそのまま食べてみた。まあまあ美味かった。ワインの肴になった。IさんのパートナーTさんからは「葉の方も炒めて美味しいよ」と勧められていた。ホウレンソウのバター炒めみたいにやってみた。ホウレンソウほど美味しいとは感じなかったが、不味くは無い。ワインの肴になった。

 9月10月は沖縄の野菜農家は植付け時期となり忙しい。私も忙しかった。除草して、耕して、畝立てして、種を播き、マルチする。9月下旬にシマニンジン、ホウレンソウ、ビート、シマラッキョウを播き、10月上旬にはシマニンジンパート2、ビートパート2を播いた。ビートも2畝分、Iさんの店に売って現金収入を得ることが第一義、まあまあ美味しかった、ワインの肴に向いたということで自家消費が第二義。
 
 
 テーブルビート(table-beet):根菜・葉菜
 アカザ科の一・二年草 地中海沿岸地域原産 方言名:不詳
 テーブルビート、テンサイ、フダンソウはビートの一品種となっており、フダンソウは葉を食用とするため、テンサイは砂糖を採るため、本種は根を食用とするために改良された園芸品種ということだと思われる。和名はカエンサイ(火炎菜)。
 テンサイほどでは無いらしいが、本種の根にも甘味があり、サラダ、煮物、ピクルス、スープなどに用いられる。ロシア料理のボルシチは有名。ちなみにボルシチとは「羊肉や牛肉とトマト、ジャガイモ、タマネギ、ビートを煮込んだ料理」。葉も食用となる。

 記:2013.10.5 ガジ丸 →沖縄の飲食目次


一喜一憂の連続台風

2013年10月11日 | 通信-環境・自然

 今年は記録的干ばつがあり、記録的暑さの夏があって、そして、例年なら夏はまだまだ続く9月の初めから「今はもう秋?」と疑うような風が吹いた。
 9月初めの風は台風の影響によるものと私は判断していた。そしてその通り、その後4~5日は夏の気候が戻った。でも、台風はその後も続々発生し、沖縄島を直接襲うことは無かったが、遠くから影響を与え、秋風?と思うような涼しい風を流してくれた。そうこうしているうちに彼岸も過ぎて、疑うこと無い秋風となっていた。
 秋が早く来たからといって農夫に困ることは何もない。むしろ、肉体的には大いに助かっている。長袖Tシャツが30分でびっしょりになり、着替えの長袖Tシャツがもう1枚必要だったのが、今は1枚で済んでいる。日中の日差しはまだまだ熱いのだが、風は秋なので、汗は、シャツをびっしょり濡らすほどではない。

 過日、ヤンバル大宜味村から知人のTさんが那覇に用事で来て、そのついでに私とも会ってくれた。Tさんは有機無農薬農夫であり、玄人並みの大工をやり、料理は大得意で農夫仲間のパーティーなどの際は主任コックとなり、川に入ってスッポンやウナギ、海に潜ってイカ、タコ、貝や魚を獲ってくる漁師にもなる生活万能人。
 「このあいだ潜ったら海の水が冷たかった、例年より早く秋になっている。海の水が冷たいと、もしかしたらもう、今年は台風が無いかもしれない」とTさんが言う。「そういえば、台風は海水温が高いとその熱をエネルギーとして発達するんだったな、Tさんの言うことは正しいかもな」と私は思った。ところがしかし、生活貧能人である私が「さもありなん」と納得した生活万能人Tさんの予想は、当らなかった。

  先週土曜日(5日)、台風23号が沖縄近海にやってきて、宮古島と沖縄島を午前中から暴風圏に巻き込んだ。宮古島は今年何度目かの台風であるが、沖縄島が暴風圏に入ったのは今年初。前日に、ある程度の台風対策は実家も、宜野湾の畑も、300坪のなっぴばるも終えていた。ただ、なっぴばるで気になる箇所があったので、土曜日の朝、強風の中なっぴばるへ出かけ、気になる箇所を気にならない程度に補強した。
 その日は夕方から那覇の大きなホテルで友人の娘の結婚披露宴があった。出かけた。披露宴は滞りなく済み、畑が心配で明日 も朝早く出勤を予定していた私は、友人たちを残して9時には失礼した。ホテルへの行きも帰りも、披露宴の間も、そして、実家に着いて寝るまでの間も、いかにも台風の暴風圏らしい風は吹いていたが、心配していた程では無かった。「これなら、畑にも大きな被害はないかもしれない」と期待した。

 翌朝、実家から直接畑へ行く。期待通り大きな被害は無かった。バナナが4~5本倒れて、パパイアが1本傾いている程度。畑小屋には何の不具合も無かった。ホッと一安心したいところだが、しかしそうはいかなかった。台風24号が沖縄島に向かっているというニュースがラジオから流れた。非常に強い台風とのことであった。
 24号は噂通りの強さで、月曜日の午後にやってきた。ではあったが、予想進路の北寄りを通ったので沖縄島中南部ではそう激しい風は無かった。お陰さまでさらなる被害は無く安堵。大雨で裏の沼に水が戻って、さらに安堵。一喜一憂の連続台風であった。
          
          

 記:2013.10.11 島乃ガジ丸


リョウリバナナ

2013年10月11日 | 飲食:食べ物(材料)

 果物としてもいける

 300坪の畑なっぴばるを借りた時、既にそこにはいくつかの作物が植えられていた。前に借りていた友人の脱サラ農夫Kが植えたものだ。ニラ、ニンニク、甘藷、ニガナ、ウコン、バンシルー、アセロラ、パパイア、バナナなどがあった。
 Kが植えたバナナは彼によると「島バナナ」とのこと。実は小さいが味が良く、人気のバナナで高い値段で売れるもの。貧乏の私にとっては換金作物のエースだ。ところが今年は長く続いた干ばつで実着きが悪かった。今のところ1房しかない。
 なっぴばるの東隣の畑はなっぴばるとの境界近くにたくさんの、ざっと数えて40~50株のバナナが植えられている。植えられてはいるが収穫はされていない。持ち主が年取って畑仕事ができなくなって放っておかれているとのこと。
  隣のバナナはKによると「リョウリバナナ」とのこと。「料理ってことか?火を通して食うってことか?」と訊くと、「そう、東南アジアでは主食になっているらしい。青いうちに収穫して焼いたり揚げたりするようだ。イモのような味がする」とのこと。
 その隣のバナナはいくつも、見える範囲でも今6房の実を着けている。その内3房はなっぴばるの敷地内に実を垂れ下げている。なっぴばるの敷地内に垂れ下がっていたものは他にも2房あり、それらは8月末~9月に倒れ、既に私が収穫している。

  敷地内に落ちた果実はその敷地のものという法律が確かあったはず。よって、私は堂々と収穫したわけ。そして、さっそく料理してみた。Kの言う通りイモのような味、イモより水分が少々多めできめが細かいかもしれない。味は淡白、甘みも少ない。
 私は皮ごとオーブンで焼いて、蒸し器で蒸しての2通りの調理で食べたが、蒸した方が食べやすいと感じられた。次はソテーしてみようと思った。
 ソテーしようと思って2週間が過ぎて、「あっ!バナナ」と思い出して、バナナを入れてあった袋を開くと、リョウリバナナは黄色くなっていた。そういえばKが「熟したら普通のバナナと同じく甘くなるよ」と言っていたのを思い出して、で、食べてみた。甘みは少々落ちて酸味が少々強かったが、確かに普通の果物のバナナの味であった。 

  文献に「甘みは少なくでんぷん質、ヤニ臭や渋みをもち生食できない」とあったが、それは未熟のものの場合で、完熟したものは普通のバナナの味で甘味もある。
 茎は太く大型で、花序は60~150センチ。隣の畑のもの、いくつか実を着けているが、花序の長さはだいたい90センチ内外。6~12段着いている。
 煮たり焼いたり天ぷらなどにして食す。干しバナナにもされる。皮は、手では剥きにくいのでナイフで剥く。青いものを皮を剥いて、すりおろして、それを丸めて油で揚げるという料理もある。熟すと黄色くなり、皮も手で簡単に剥ける。ただし、それは隣の畑のリョウリバナナに関して言えるもので、他の品種のリョウリバナナについては不明。
 
 
 
 リョウリバナナ(料理甘蕉)
 バショウ科の多年草 東南アジア原産 方言名:バサナイ
 名前の由来、資料はないがおよそで分かる。生食では無く料理して(火を通して)食べることからリョウリ(料理)であろう。甘蕉はバナナの漢字表記。
 別名にサンカクバナナとあるが、おそらく「果実は角ばり」からサンカク(三角)だと思われる。ただ、私の写真のバナナは三角では無く四角。文献の写真にタヒチ島のリョウリバナナがあり、それは「四角に角ばる」とあった。リョウリバナナにもいくつか品種があって、最初の頃によく見かけたものは三角に角ばっていたのだと思われる。
 ちなみに学名はMusa paradisiasa L.

 記:2013.10.5 ガジ丸 →沖縄の飲食目次


先ずは1キロ減らそう、食を

2013年10月04日 | 通信-社会・生活

 家からナッピバルまでは5キロメートルほどあり、その往復だけで私は1日10キロほど車を運転し、週に1~2回は宜野湾にある小さな畑ナツヤにも通っているので、だいたいだが、畑仕事の日々であれば私の運転距離は週に100キロとなる。
 私の車がリッター20キロという燃費の車だとすれば、2000円分(今のガソリン価格は約150円)30リットル入れれば、600キロ走れる分となり、それは、畑仕事だけの日々とすれば、6週間分のガソリンとなる。ではあるが今、2000円分のガソリンは2週間で消費している。実家に通うことが多いからだ。家の中の片付けがあり、不動産屋の相手もしている。実家が片付かないことには、私の省エネは始まらない。

 「メタボリックナンバーワン・・・」で始まる歌がラジオから流れる。沖縄県は肥満度全国一とのことで、さらに、長く長寿1位の座を守り続けていた沖縄女性がその座から滑り落ち、3位となってしまったこともあり、「・・・取り戻せ長寿沖縄・・・」と続く歌まで作って、体重を減らそうキャンペーンをやっているらしい。エレベーターでは無く階段を使いましょう、歩きましょう、運動しましょうなどと訴える。
 それとは別のラジオ局だが、「1キロメートル歩けば何カロリーの消費となる、ケーキ1個食べたら何キロメートル歩けば良い」などという番組があった。それは良い情報だと思う人がいるかもしれないが、痩せている私は「そりゃ変だろう?」と思った。

  例えば、私の車に30リットルのガソリンを入れたとする。ガソリン30リットル分車が重くなったからといって、それを消費するために私は600キロメートルのドライブに出かけることは無い。30リットルは日常必要なエネルギーとして、畑仕事だけの日々であれば6週間、実家が片付かない間であれば2週間で淡々と消費されていく。
 つまり、「食べたら体を動かそう」では無く、「体を動かすので食べる」がエネルギーの消費と供給の本来の形ではないか?と私は思ったわけである。
 メタボの人は、既に体の中にその日1日十分動けるだけのエネルギーとなる脂肪が蓄えられているが、さらに食う。食うので供給過多となり、体は重くなる。既にガソリンタンクの中には満タンに近いガソリンが入っているのに、さらにガソリンを入れるとしたらガソリンタンクをもう一つ車に備えなければならない。車だって重くなる。

  ラジオから流れる「体重を減らそうキャンペーン」の歌は、「・・・先ずは1キロ減らそう」と締めくくられる。そのキャンペーンの特番があって、それに挑戦している代表者3人が「私はダイエットを始めて7キロ減量しました」などと言い、「食事はいつもと変わらずに食べていました」と続けた。つまり、運動で減量したらしい。
 その特番を聞いていたら、全体的に「いつもと同じように食べて減量する」ことに価値があるように感じられた。でも、と痩せている私は思う。ケーキ1個食べたら2キロメートル歩かなければならないとしたら、そのケーキ1個を我慢すれば、ケーキ代も歩く時間も節約できるではないかと。いつもと同じように体を動かして、食べる量を1キロ減らせば「食費が浮くよ」と貧乏人の私は思うのだ。余った食料は、食料の足りない人達へ回せば世界平和にも繋がる。節約して資源を分け合う、これぞ省エネの王道、と思う。
          
          

 記:2013.10.4 島乃ガジ丸


ジャボチカバ

2013年10月04日 | 飲食:果物・菓子

 20年後の世界

 私の弟は精神世界関連の話が好きで、「この世の終わり」関連も好きで、そういった内容の本を多く読んでいるみたいである。弟が千葉から帰省した際にはたいてい二人で飲みに行くが、家族の話、健康の話などが一通り終わると、「兄さん、2012年の終わる頃には地球に大きな異変があるらしいよ」などといった話になる。
 結果、2012年には大きな異変は無かったが、次はまた「何年には何か起きる」とか言うんだろうなと思っていたら、別のところからそんな話が出てきた。

  知人のZさんは長年、易者をやっていて、私の性格も言い当てたりするが、世の中がこれからどうなるかについても占う。彼女が言うには「2025年、世界、あるいは地球に大異変が起こる」とのこと。世界の大異変なら大きな戦争か、地球の大異変なら大地震、大噴火、超異常気象などということが想像されるが、詳しいこと、具体的なことは、知っているのか、はっきり見えないのか判らないが、彼女は語らなかった。
 2025年というと13年後、Zさんの占いを信じたとして、少なくともあと13年はこの世に大きな変化も無く、私も生きていける。私自身のあの世行きがそれより早かったならば、それはそれで良し。この世の大異変を経験せずに済むというもの。ただ、私は一つ、将来を楽しみにしているものがあって、それまでは生きていたいと願っている。楽しみとは、畑の果樹が実を着けること。モモ、カキ、スモモなどを今植えている。
      
 ジャボチカバの果実を食べた時、「種を植えてみようかなぁ」と私が言うと、先輩農夫で友人のKが「止めた方がいい、実生からだと実が着くまでに20年かかる。俺たちはもうこの世にいないかもしれない」と助言した。20年もか、モモクリで3年、カキで8年だというのに長ぇな、確かに生きていないかもなと私は思って、助言に従った。
 今年は2013年、20年後というと2033年。その時、世界はどうなっているか、私は果たして生きているかなどということに興味はある、が、どうでもいいやという気分もある。今、そして明日を生きねばならぬので遠い未来のことなど・・・。
      
 ジャボチカバ(Jaboticaba):果樹
 フトモモの常緑中高木 ブラジル南部原産 方言名:なし
 幹の根元から枝の先までいたるところに直接花が咲き、実となる。花は小さく、幹や枝にびっしりとつく。開花期は春、開花後一ヶ月で実は熟す。
 ブラジルでは多く栽培されているらしく、いろいろな品種があるとのこと。果実は、文献には濃褐色とあったが、私が見たものは黒紫であった。大きさは直径2~3センチ、色と大きさから1個1個を見るとブドウのように見える。また、少なくとも私が食べたものはブドウのような食感と味であった。果皮はブドウより厚い。

 記:2013.8.26 ガジ丸 →沖縄の飲食目次