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ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ツツサルハムシ

2014年06月20日 | 動物:昆虫-甲虫目

 ツツが無い

 「つつがなくお過ごしのことと存じます」という文章を手紙や葉書に添える女性は上品だと思う。私は好きである。彼女が若ければ大好きになるはず。彼女が美人であれば恋に落ちるはず。彼女が金持ちだったら「結婚してくれー」と叫ぶかもしれない。
 「つつがなく」、漢字で書けと言われたら書けないが、「恙無く」を見れば、「あー、それそれ」と解る。「病気など無く、元気で」という意味であることも何となく理解している。であるが実は、今回調べるまで私は「つつ」だけで病気を指しているのだと思っていた。「そつがない」と「つつがない」は文法的に同じ並びだと思っていた。
 「そつがない」の「そつ」は「むだ。無益。てぬかり。ておち」(広辞苑)といった意味。よって「そつがない」は「むだが無い」、「てぬかりが無い」などとなる。それと同じように「つつがない」も「つつ(=病気)」が無い、のだと間違って覚えていた。大学は日本文学科だったのに情ないことである。まぁ、劣等生だったからしょうがない。ちなみに、恙だけで「つつが」と読み、「病気、心配」(広辞苑)のこと。

  私の畑には3月になって昆虫がうじゃうじゃと湧いてきて、今(6月)までに100種を超える虫の写真を撮っている。そんな中で、畑の東側境界、雑木やススキなどが蔓延って藪となっている一角にシマグワの木があり、その葉の上に目立つ虫がいた。
 金色に輝いて、体長も10ミリほどあり比較的大きく、何匹もいるので目立っていた。葉の上でじっとしているので、写真も撮り易かった。
 家に帰って図鑑を見る。候補は3種、オオミドリサルハムシ(紹介済み)、アカガネサルハムシ、そして、ツツサルハムシ。オオミドリ サルハムシは体色が違い、アカガネサルハムシは大きさが違う、ということで、写真はツツサルハムシと判定。

 ツツサルハムシと決まったのは良かったのだが、名前の由来がさっぱり見当つかない。オオミドリサルハムシは「大きな緑色のサルハムシ」で、アカガネサルハムシは「銅色のサルハムシ」と判り易いが、ツツとはいったい何だ?
 ツツを考えて、「つつが無い」のツツかもしれないと思って、恙無いを調べて、劣等生だった日本文学科卒は卒業後30年余も過ぎて、言葉を一つ覚えたというわけ。
 なお、『学研生物図鑑』に、名にツツのつく虫の項で「糞で卵を包む」とあり、その糞が筒状になっている?とヒントらしき記載もあったが、正しいかどうか不明。

 
 ツツサルハムシ(つつさる葉虫):甲虫目の昆虫
 ハムシ科 沖永良部島、沖縄島、石垣島、朝鮮半島、他に分布 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不明。ハムシについては広辞苑に葉虫と漢字があり、「成虫・幼虫ともに植物の葉を食害」することからで間違いなかろう。サルについては前にオオミドリサルハムシの項でも「見た目が猿に似ているということはない。木登りが上手なのかもしれない」と書いたが、結果、不明。ツツもまったく想像できない。体が筒状になっているわけでもない。全国津々浦々にいるわけでもない。
 体長は8~9ミリ内外。金緑色の光沢を持つが、まれには緑青色、赤銅色の個体もいるとのこと。初め、アカガネサルハムシかオオミドリサルハムシかと判断しかけたが、「体背面にまばらに白色の剛毛がある」のと「上翅基部は強い点刻で、中央より後半部で強い横皺状になる」といった特徴から、写真のものは本種だと判断した。「触角は黒色で、基部2、3節は赤褐色」という特徴もある。成虫の出現は4月から8月。
 もう一つ、寄主はシマグワで「シマグワの葉上でよく見られる」とあり、私の畑でもシマグワの葉の上に本種がたくさんいる。イヌビワにも時々遠征している。
 
 交尾

 記:2014.6.11 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行


ウルマクロハムシダマシ

2014年06月20日 | 動物:昆虫-甲虫目

 春によく会いますね

 歌詞をほとんど覚えていないが、「・・・うるまじまー」と歌う民謡がある。古い民謡で私は子供の頃から耳にしている。で、「うるまじま」が沖縄島を指していることも知っている。沖縄産タバコに「うるま」という銘柄があったからそうと知ったのかもしれないが、その辺は深く追求しない。どうでもいいこと。
  「うるま」は沖縄島の美称だと聞いていた。つまり、「きれいな島だぜ」と沖縄人がわが島を褒めたか、「きれいな島だねぇ」と中国人や倭人が褒めての名前らしい。が、調べてみると、ウルは砂礫という意、マは島という意の沖縄語とのこと。砂礫の島が何で美称かについては不明。それにしても、そうであれば「うるまじまー」は可笑しい。砂礫島島と島が重なってしまう。まぁ、ここは深く追求しない。どうでもいいこと。

 ウルマクロハムシダマシに最初に出会った、ではなく、気付いたのは2006年4月の こと。他に似たような虫がいなかったので、調べて、すぐに何者か判明している。その後もちょくちょく会ってはいたと思うが、今年の4月になって、私の畑で目立つようになった。ウルマという名前が記憶に強く残っていたので、「こ奴は奴だな、ウルマだな、ウルマ何だったっけ?えーとっ・・・」としばらく時はかかるが、古びた脳味噌でも「そうだった、ウルマクロハムシダマシだ!」と思い出すことができる。
 彼は人懐こい性格のようで、畑小屋で一服している時や、洗い場で洗い物をしている時などに、私のすぐ目の前に飛んできて近くに止まってくれる。時にはバケツの水の中に飛び込んで溺れたりもしている。飛ぶ虫の中では写真の撮り易い虫の一つである。

 5月までは頻繁に現れた人懐っこいウルマクロハムシダマシ、6月の上旬までは少しいたが、今(6月中旬)はもう見ない。春の虫ということだ。毒虫でもないし、邪魔にもならないし、私としてはいてくれてもちっとも構わない。だからといって、来年の春会えるのが楽しみ・・・ということもない。来るものは拒まず、去るものは追わずの虫。

 
 ウルマクロハムシダマシ(砂礫島黒葉虫騙し):甲虫目の昆虫
 ハムシダマシ科 沖縄島に分布 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不明。ハムシダマシはハムシに似ているがちょっと違うということであろう、クロは「体全体が黒~黒褐色」からであろう、ウルマは「琉球の雅名」で沖縄島に分布ということからその名をつけたのであろう、などと想像する。
 ウルマに砂礫島と漢字を充てたのは私の勝手な仕業。『沖縄大百科事典』によると、ウルは砂礫という意、マは島という意の沖縄語であることから。
 体長8~10ミリ。沖縄島ににのみ分布し、沖縄島の特産種とのこと。成虫の出現は4月から5月。「体全体が黒~黒褐色で、体背面に灰白毛を全面に密生し」が特徴。私の畑に多くいるが、どの木、どの草にもいて寄主がはっきりしない。植物を食べているのか動物を食べているのかも不明。文献にもそれらの記載は無かった。
 
 交尾

 記:2014.6.10 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行


自由を奪うNHK

2014年06月13日 | 通信-社会・生活

 DVDやビデオを時々図書館から借りている。動物関係や植物関係の教養映画、昔懐かしの名作映画やウチナーグチを勉強するための沖縄芝居などだ。以前はそれらを古いビデオデッキに繋いだ古いブラウン管テレビで観ていたが、父が死んで誰も住まなくなった実家に液晶テレビがあり、それは大きいので、従姉の小さめの液晶テレビと交換して、それを部屋に置いて、古いビデオデッキに繋いで観るようになった。
  ビデオデッキとテレビを部屋に置いてあるのは、図書館から借りた映像メディアを観るためというのが主な目的だが、実家に残っていた父や母の映っているらしき古いビデオテープが数本あり、それをDVDに落とすという目的もあった。それを先週、最後の1本を観て終了した。「観て」終了だ。数本全てダビングはちっともしていない。ダビングして残さねばならない程の内容では無かったし、その多くがカビのせいで画像や音声に不具合があり、ダビング不可能だったからだ。カビの生えたテープは機械も不具合にした。
          

 実家に残っていたビデオテープの処理が終わって、ビデオデッキとテレビを部屋に置いてある理由の一つが先週で無くなったことになる。それに、ビデオデッキはパソコンに繋ぐこともできるので、少なくともテレビは必要ない。が、まだ置いてある。
  宜野湾市民図書館には沖縄芝居や沖縄の文化芸能に関するDVDやビデオテープが多くある。ウチナーグチの勉強はまだ必要で、沖縄の文化芸能にも私は興味があり、これからまだ、それらを借りて観るつもりでいる。懐かしの映画もまだ多くあるし、ビデオヘッドクリーナーを購入し、ビデオデッキの不具合を直して、ずっと使い続けている。
 図書館が市民のためにビデオやDVDを提供してくれている。わざわざ言うまでもないと思うが、市民はそれを借りる権利を持ち、観る自由がある。ところが、
 ところがどっこい、NHKがそれを許さない。いや、許すけど、そうするからにはNHKに金を払えと言う。NHKに金を払わないと、図書館からビデオやDVDを借りて、家で酒飲みながら(飲まなくてもいいけど)観ることができないとはどういうことか?

 去年12月13日付けのガジ丸通信『NHKに物申す』に書いたが、ある日、NHKの受信料集金人がやってきた。「ワンセグが観られる携帯電話は受信料契約が必要」との話だった。「携帯電話を購入する際、ワンセグが観られる携帯は受信料契約が必要という周知義務をNHKは怠った」という理由で契約は断った。NHKの集金人(別人)は今年3月にもやってきた。その時も同じ理由で契約は断った。そして先週、またも別の集金人が来た。今度はワンセグだけでなく、「受像機を持っていますよね、であれば、契約が必要です」とのたまう。「NHKは暴君か!庶民の自由を許さないのか!」と思った。
 「包丁持っていますよね。」
 「あー、持っているよ。」
 「それで人を刺すことができますよね。」
 「あー、できるよ。よく研いでいるから軽く刺せると思うよ。」
 「銃刀法違反です。逮捕します。」なんて言われているようなもんだ。こんな横暴が、立派な憲法を持っている日本国で許されていいのか?と久々に腹を立てた。もちろん、契約はしなかった。図書館からビデオを借りて観る自由を私はきっと許されている。
          

 記:2014.6.13 島乃ガジ丸


ウチナーグチが普通

2014年06月13日 | 沖縄02歴史文化・戦跡

 私の畑なっぴばるの向かいは森になっていて、道路沿いに墓があり、2ヶ所に登り道があって、その道を登っていくとその奥(道路から30mほど)にも墓がある。よって、シーミー(清明祭)の頃になると、毎週末、墓参りの人々がやってくる。
  その頃のことだから今(6月8日)から1ヶ月半ほど前のこと、道沿いの墓の一つの傍にあった大きな枯れ木(たぶんリュウキュウマツ)が倒れた。そして、その枯れ木から20mほど離れたもう一つの墓の傍にあった枯れ木(たぶんアカギ)が5月下旬(たぶん25日頃)に倒れた。それら2本の枯れ木にはサシバやミサゴやカラスなどがよく停まっていたので、私のバードウォッチングの良いポイントであった。残念である。
     
     
     

 今週日曜日(6月8日)、前夜の天気予報では「未明まで雨、日中は曇り」だったので 畑へ行った。向かう道の途中から小雨が降り出し、畑へ着いても小雨は止まなかった。止むのを待つか帰るか悩んで一服していると、向かいの墓の手前に1台の車が停まり、雨の中、男性が1人降りて墓へ入った。この辺りは立ちション所なので、「墓の中で小便かよ、罰当りな奴」と早合点してしまったが、違っていた。5月下旬に倒れた(たぶんアカギの)大木はその墓に横倒しになっていて、男性はそれを眺めていた。
 それから数分もしないうちに大きなユンボ(バックホウ)がやってきて、墓の前で停まった。運転手が降りてきて、私の畑に入って、 畑の奥にある小屋に向かって歩いてきた。用件は察しがついていた。その日私は、ひょっとしたらすぐに帰るかもしれないと、車を駐車場に入れず路駐していた。おそらく、私の車が作業の邪魔になるのだ。
     
     

 私はすぐに立って、彼を見た。彼も私を見て、そして、大声で言った。
 「ウヒグヮー、車メェーンカイ、ユシティトゥラサンガヤー」と。ウチナーグチ(沖縄口=沖縄語)だ。「ちょっと、車を前に、寄せてくれないか」という意味。
 私は手を挙げて、肯いて、「分かっている よ」と合図し、戸締りをして、傘を差して車に向かった。荷物を車に入れて、そして、ユンボの運転手に訊いた。
 「倒れた木を片付けに来たの?」と、彼は肯いて、
 「いつ倒れたのかなぁ、知らなかったなぁ。」
 「2週間ほど前だったよ。」などと少し会話した。
 この時、彼は標準語。相手が標準語の場合は、そうするみたいである。私がウチナーグチで話したら彼もそうしたに違いない。ウチナーグチ、話そうと思えば何とかできないことは無いと思うが、間違いなく話せるという自信は無い。残念に思う。

 数ヶ月前、近所の大先輩農夫89歳N爺様と、爺様の畑の前の道端で話をしていると、中年(といっても、私よりひと周りは年下)の男性が声を掛けてきた。現場関係らしい服装の人。数ヶ月も前のことなのでどう言ったかは正確に覚えていないが、
 「ハイサイ クヌアタインカイ オナガグシク ヌ アンシチチョビーシガ・・・」と道を尋ねた。相手が年長者のN爺様なので丁寧なウチナーグチだった。「こんにちは、この辺りに 翁長城 が あると聞いていますが・・・」といった意味。
 N爺様はもちろん、ウチナーグチで応対し、彼と数分の会話があった。私より若い人が流暢なウチナーグチで爺様と話しているのを聞いて、羨ましく思った。
 N爺様は、私と話す時は標準語だが、私の畑の北隣のSさん、南隣のTさん、斜向かい(N爺様の南隣)のNさんたちと話をする時は互いにウチナーグチのことが多い。
 言い訳するが、私の世代は「方言を使ってはいけない」と教育されていたし、私は那覇で育っており、那覇は沖縄の都会であり、都会の子供たちは日常会話でウチナーグチをほとんど使っていなかった。ウチナーグチは不良の言語だった。

  Sさんは私より少し上、Nさんは半周り上、Tさんはひと周り上の人、そして都会の育ちではない。ということで、彼らがウチナーグチを普通に話せてもおかしくない。だけれども、私より1世代下と思われる翁長城への道を尋ねた男性がウチナーグチを流暢に話している。そういえば、ユンボの運転手も私よりひと周りは年下のようであった。その年代の人でも声を掛ける時、先ずはウチナーグチなのだ。ウチナーグチが普通なのだ。
 「田舎なんだな、西原は」と思った。彼らは子供の頃からウチナーグチが日常にあったのだ。あるいは、「自分たちの言葉に誇りを持ち、大事にしなさい」と教育する偉い人が周りにいたのかもしれない。そんな人が私の周りにいなかったことを残念に思う。
 永い歴史を持つ言語、先祖から代々受け継いできた言語、それは、そこに生まれ育った人の拠り所となるものと言って良いと思う。大地のようなものだ。「大地が貧しければ作物も貧しく育つ」ことを、まだ見習いとはいえ農夫の私は知っている。「よしっ!」と改めて思った。「いつか、近所の人たちとウチナーグチで会話してやる」と。

 記:2014.6.9 ガジ丸 →沖縄の生活目次


ハイイロクチブトゾウムシ

2014年06月13日 | 動物:昆虫-甲虫目

 他人のそら似?

 畑の北側境界にグヮバの木を列植している。20本余あって、それには小さな灰色の虫が多くいて、グヮバの葉を食っている。彼らはグヮバだけでなく、南側境界にあるサクラの葉上にも、道路沿いに生えているノカラムシの葉上にも多くいた。
  先週、エダマメを収穫している最中、その葉にも彼らが・・・「いや」とすぐに思い出した。エダマメは去年も植えて、去年も6月に収穫している。その時にエダマメに付いていた虫を調べて、それをコフキゾウムシと紹介したことを思い出した。家に帰って書いたものを読み返すと、その副題は『ビール党の敵』で「エダマメにはコフキゾウムシという小さな昆虫がたくさん付いていた・・・コフキゾウムシがエダマメを食害しているのであれば、彼らはビール党の敵となる」などと書いてある。そうなのだ、エダマメに付いているのはコフキゾウムシだった・・・いや、これはしかし、間違いかもしれない。

 図鑑のコフキゾウムシの次のページにハイイロクチブトゾウムシという種がいて、両者はよく似ている。写真をマジマジと見ても、コフキゾウムシとハイイロクチブトゾウムシの違いが判らない。私の目にはハイイロクチブトゾウムシは全体が灰色だが、コフキゾウムシは茶色っぽい部分があって「体色が少し違うかな?」くらい。体の形や大きさはほぼ同じ、グヮバのものとエダマメのものの写真をマジマジ見ても判別できない。寄主も同じくタイワンクズなどマメ科植物で、どちらもエダマメの葉上にいておかしくない。
  それでも諦めずに何度も、何十回も図鑑の写真の両者、及び、グァバに付いていた者とエダマメに付いていた者の写真を見比べみた。そして、素人の目だが、少しの違いに気付いた。「ハイイロクチブトゾウムシは口先(目と目の間)が割れている、ハイイロクチブトゾウムシはコフキゾウムシより触角が長い」という違い。
 でも、まだ確信は無い。参考書に、「コフキゾウムシの成虫の出現は4月から7月、ハイイロクチブトゾウムシの成虫の出現は5月から11月」とあったので、秋までいる方がハイイロクチブトゾウムシとなる。で、秋になればどちらかはっきりするはず。

 
 ハイイロクチブトゾウムシ(灰色口太象虫):甲虫目の昆虫
 ゾウムシ科 沖永良部島、沖縄島、宮古島、石垣島、西表島などに分布 方言名:不詳
 名前の由来、資料が無く正確には不明だが、「体全体が灰色から灰褐色のまるい鱗片に覆われ」からハイイロ、「吻は短く幅広である」からクチブトであろう。以上は『沖縄昆虫野外観察図鑑』の記事による。ゾウムシについては広辞苑に「象の鼻状に長く突き出した口吻をもち」とあり、そこからゾウムシと名がついたと思われる。
 「象の鼻状に長く突き出した口吻をもち」だからゾウムシなのだが、本種の口吻は象の鼻状に長く突き出していない。『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「本種のようにほとんど吻が長くならない短吻類と呼ばれる、ゾウムシらしくない一群がある」とあった。
 体長6~7ミリ内外と小さい。見た目はコフキゾウムシによく似ている。図鑑を見ても私には両者の区別がつかない。コフキゾウムシもゾウムシらしくない一群で口吻が短く、体長も6ミリ内外とほぼ同じ。さらに、本種は「食草はタイワンクズなど」で、コフキゾウムシも「タイワンクズの葉上で多く見られる」と文献にあった
 寄主はマメ科植物だが、『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「夜間リュウキュウマツの葉を食べている」とあり、図鑑の写真はサトウキビを食べている。私の畑ではグヮバの葉上、サクラの葉上、ノカラムシの葉上に群れていた。成虫の出現は5月から11月。
 
 交尾

 記:2014.6.11 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行