小さなカミキリムシ
HP(今はブログ)で沖縄の昆虫を紹介するようになって10年余が過ぎて、甲虫類にはカブトムシ、クワガタムシ、コガネムシ、カミキリムシ、テントウムシなどの有名どころの他、タマムシ、ハムシ、ゴミムシ、ゾウムシなどの種類がいることを知ったが、カブトムシ、クワガタムシ、コガネムシ、カミキリムシ、テントウムシなどについては、それらが甲虫の類であることを若い頃から知っていた。
私が若い頃の後期である、甥や姪がまだ小学生だった頃、甥が喜ぶカブトムシ、クワガタムシ、コガネムシ、姪が可愛いというテントウムシに比べ、同じ甲虫なのにカミキリムシが嫌われていることについて、私は納得していた。青年後期であった私もカブトムシ、クワガタムシ、コガネムシ、テントウムシには触れても、カミキリムシを触るのは嫌であった。「髪を切る奴なら、指も切るかもしれない」と恐れていたのだ。
今回紹介するアヤモンチビカミキリはしかし、指を切られる心配はおそらく無い。噛まれてもたぶん、さほど痛くないはずだ。なぜなら小さなカミキリムシだから。文献には体長10ミリ内外とあり、私が見たのもそれくらいであった。
だからといって私はむやみに触ったりしない。素人は当然ながら、本種を見た時本種であると判らなかった。何者か判らない者に触れる元気は、私には無い。
アヤモンチビカミキリ(綾紋ちび天牛):甲虫目の昆虫
カミキリムシ科 四国、九州、南西諸島に分布 方言名:カラジクェー
名前の由来は資料が無く不明。漢字の綾紋は私の想像。『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「灰色地に細い黄条を呈することが多く、中央両側には1対の黒班が出現し、その後方に小白点を表す個体が多い」とあり、綾は「物の面に表れたさまざまの線や形の模様」(広辞苑)という意味なので、おそらく、綾紋で間違いないと思われる。「口の左右に鋭い大顎があって、竹木類を咬むことがある」(〃)ということが髪切の意だと思われる。
体長7.5~11.5ミリ、畑で最も頻繁に見られるゴマダラカミキリは28~38ミリもある。カミキリムシの仲間では小さい方なのでチビが付くのであろう。
亜種が多くある。トカラ列島亜種、奄美諸島亜種、沖永良部島亜種、沖縄諸島亜種、宮古諸島亜種、八重山諸島亜種となっている。
「各種の枯枝に、近似種のアトモンチビカミキリとともにきわめて多い」とあったが、ボンヤリ者の私の目には付かないようで、2007年の1回切り、本種を見ていない。
その近似種のアトモンチビカミキリとの違いも書かれており、「アトモンチビカミキリは上翅後方に黄白色の大型紋があることで本種と区別される」とあった。
体長は7.5~11.5ミリ。寄主はアコウ、イヌビワ。成虫の出現は3月から11月。
記:2017.10.12 ガジ丸 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行
『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行
『日本原色カメムシ図鑑』友国雅章監修、全国農村教育協会発行
『原色昆虫大圖鑑』中根猛彦他著、株式会社北隆館発行
今の住まいの家賃は月4万6千円、これを前に住んでいたアパート(宜野湾市我如古)並みのアパートへ引っ越して家賃を月3万5千円とする。光熱費通信交通費も極力節約して月1万円程度とする。衣類は今、ストックが多く(実家から持ってきた物など)あるので月に均すと500円くらいで済む。食は、酒代が現在最も高くついているが、発泡酒が3000円、泡盛を紙パック入り1箱1000円、日本酒を3ヶ月に1升として月600円程、ワインを紙パック1箱にして800円程、その他も含めて酒代は月9000円程度にする。野菜は畑で採れるものとし、肉、魚、豆腐などに月2500円程は費やす。
タバコについては、吸わなくてもいいのだが、ブームとか流行とかファッショを嫌う私は、ヒステリックと感じる嫌煙運動が大嫌いなので、タバコを吸う最後の人類になりたいとも思っているので今後も吸うが、吸う数は減らす。月に3000円程とする。
以上のことが実現すれば、私の生活費は諸雑費(保険料、車両維持費など月約5000円)も含めて6万5千円以内で済むことになる。そうなれば私は生きていける。
生活費を月6万5千円で済ませなければならない訳がある。今週火曜日(10日)、年金事務所へ行き、年金請求の手続きを済ませた。65歳からは6万5千円弱とのこと。数年前に試算した時は月額7万円強あった。7万円なら家賃を3万5千円にすれば今まで通りに好きなだけ酒を飲んでも生きて行けたはずなのに、何で5千円強も額が減ったのか不明。必要加入月数が減った分、支給額を減らすという国の策略かもしれない。
しかも、6万5千円弱頂けるのも65歳になってから、それまでは1万8千円ほどしかない。当初から、65歳まではアルバイトしなければと思っていたので、これはまあしょうがない。畑仕事が落ち着いたら(11月頃になるか)バイトを探すことにしよう。
それにしても、私なんかまだ良い方だと思う。この先、さらに少子高齢化が進んだら今の若い人たちは年金を支払った分でさえ、老後に支給されるかどうかも怪しい。
それにしても、何十年か前の日本国の官僚たちは、将来、日本国が少子高齢化になるということを想像できなかったのだろうか。未来永劫ピラミッド型人口分布が続くと思っていたのだろうか。そんなこと有り得ないと、優秀な頭脳の持ち主が揃っていて気付かなかったのだろうか、人口が増えたら領土も増やせばいいとでも思っていたのか。
国土のキャパからすれば、人口は増えもせず減りもしないちょうど良い加減の水準があるはず。人口分布には上手く社会が回る理想の形があるはず。例えば、十歳未満、十代、二十代、三十代、四十代、五十代、六十代、七十代、八十代以上がそれぞれ1200万人内外ずついて、足して1億1千万人ほど、今の人口と同じ程度が日本国の国土にいて、働ける人達は働けない子供や老人、障害者の分まで働くことになるが、国土のキャパからすれば、それぞれ十分の食料を得、それなりに幸せに暮らせるのではないか。
それにしても、65歳以降を月6万5千円弱で生活しなければならない私、物価が上がったなら、もしかしたら、電気も水道も無い2畳ほどの畑小屋で、芋を齧りながら生きていくことになるかもしれない。トイレは、小はともかく、大は野原に入って、穴を掘っての野糞ということになるかもしれない。いいさ、それでも生きていりゃいいのだ。
記:2017.10.13 島乃ガジ丸
沖縄の草木・草本で「スギノハカズラ」を紹介したのは一ヶ月ほど前の9月15日、その時に、「畑にアスパラガスが2株あって、その中の1株が大きく育って、1週間ほど前に芽が1本、10センチ程に伸びているのを発見。「数日後には収穫できるな」とニンマリしたではなかったかと。翌日、畑へ出掛けアスパラガスを確認。その芽は既に手遅れだったが、新たに芽が出ていた」と書いて、「この新芽は数日後に必ず食ってやる」と思っていたのだが、忘れた。気付いた時には30センチ程の高さになっていた。
私の脳味噌が衰えていることの証明であるが、私の脳味噌がまだ使える状態であることを、今回紹介するナンゴククサスギカズラの説明文を書いている時に確認できた。
同じく「スギノハカズラ」の記事の中で、「食用となるアスパラガスはクサスギカズラ(草杉葛)で、観葉植物となるアスパラガスはスギノハカズラ(杉葉蔓)ということのようである」と書いたが、それは覚えていたのである。
ということで、本種ナンゴククサスギカズラもまた、アスパラガスの仲間で、食用となるアスパラガスと同じ草杉葛という名が付いている。ところが、このクサスギカズラは食用とならない。見た目が草杉葛、草であり、葉が杉の葉に似ていて、蔓蔦の類ということであろう。南国という名が付いたら食えない、ということではないと思う。
ナンゴククサスギカズラ(南国草杉蔓):海岸野草
ユリ科の蔓性多年草 九州以南に分布 方言名:ティンムン、バママツ
名前の由来、スギ(杉)については『沖縄植物野外活用図鑑』に「葉状枝が杉の葉に似ているので」とあった。残りは私の想像となるが、ナンゴクは南方(九州以南)に分布するので、クサは草本性なので、カズラは蔓性なので、ということだと思われる。
茎は匍匐して長さは1~2mまで伸び、海岸の岩の上に生息する。花は径4センチほどの淡黄色で、開花期は春から夏。果実は球形で径7ミリほど、白く熟す。
「葉状枝が杉の葉に似ている」と文献にあり、それはその通りなのだが、私には「トゲトゲ葉っぱ」と見えた。その葉、葉ではなく、葉状枝と呼ばれる枝とのこと。
記:島乃ガジ丸 2017.10.1 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
初め、『十五夜』というタイトルでこの頁を書こうとしていたが、「これについては既に書いたのではないか」と、ふと思い出して調べる。『十五夜』というタイトルでは無かったが、『月見』というタイトルの一文があった。その中で、
「昨夜は十五夜、中秋の名月。沖縄でも月見の行事はある。八月十五夜をハチグヮチジューグヤーと発音し、元は、農作物の豊作を祝う行事。」と紹介している。
『月見』というタイトルの一文は2005年9月19日付の「沖縄の行事・祭り」というジャンルに含まれている記事。今から12年前に書いたもの、ガジ丸HPを始めてから1年ほど経った頃に書いたもの。元々私はテキトーな性格だが、その記事を読み返してもテキトーさがよく判る。しかも、「八月十五夜をハチグヮチジューグヤーと発音し」も忘れているし、その中で「フチャギ」について書いてあることも忘れていた。
八月十五夜も、それと近い日にある秋の彼岸も、私は毎年トートーメー(位牌)を預けてある寺へ行って、それぞれ供え物をし、線香を点てウートートゥ(御尊いという意、祈りを表す言葉)している。今年(2017年)の八月十五夜(旧暦)は新暦の10月4日であり、それより10日ほど前の9月23日は秋分の日であった。
その23日、寺へ行く前、供え物を買うためにスーパーへ寄る。店内を回ってフチャギを探したが無い。お萩はあるのでそれを1パック籠に入れてレジへ行き、レジ係りが若い人だったので、近くにいたアラサーくらいの女性店員に、
「今日供えるのはフチャギではなかったですか?」と訊いた。
「さぁ、どうでしたか、お萩でも良いと思いますが」とのこと。そうか、アラサーでも沖縄の行事をしっかり覚えていないんだな、と認識させられる。
10月4日、十五夜のウートートゥの為、寺へ向かう。その前にスーパー、彼岸の時に行ったスーパーとは別の店へ寄って、入口近くにあるパン屋さん、パン屋ならお菓子のことはご存知だろうと、そこの若い店員(二十代半ばくらいの女性)に、
「フチャギはどの辺に置いていますか?」と訊いた。
「えっ、何ですか?」
「フチャギです。」
「フチャギって何ですか?」
「えっ、あなた、ヤマトゥンチュ(倭人)ですか?」
「いえ、沖縄ですが。」
「十五夜で仏前に供える小豆のまぶされた餅のことですが。」
「あー、あれ、十五夜関連はあの辺りです。」と、彼女は指さしてくれた。
アラサーの女性が、彼岸や十五夜にフチャギを供えるのかどうか知らない。二十代半ばの女性がフチャギという名称を知らない。しかし私は「何たること!沖縄の行事を若い人は知らない。このまま沖縄の文化風俗が忘れられるのか」と憤慨することは無い。
私は、自分で調べてHPの記事にもした「八月十五夜をハチグヮチジューグヤーと発音し」も忘れているし、その中で「フチャギ」について書いてあることも忘れている。そう書いてある記事『月見』にはまた、「沖縄の餅フチャギを供えるのはこの日。ススキを飾り、フチャギを食い、夜には厄払いの爆竹を鳴らし、小豆の入った赤飯を食う。農村では豊年祭が行われ、老若男女打ち揃って歌い、踊る。ウミンチュ(漁師)の町糸満市では伝統ある綱引きが行われ、大きな祭りとなっている。」とも書いてある。
自分で調べて、その記事を書いているのにも関わらず、その内容をすっかり忘れている私ごときが、彼岸に供えるのはフチャギなのかお萩なのか知らないからといって、フチャギという名を知らないからといって、若い女性たちに憤慨できる訳が無い。
ちなみに、「沖縄の行事・祭り」というジャンルには『彼岸』というタイトルの、2005年9月23日付の一文もあり、その中で「沖縄での彼岸は「祖先供養のまつり」と文献にあった。「仏前に餅や重箱料理と酒を供える」ともあった」と書いてある。しかも、フチャギはお萩の元の形であることもその中で書いてある。それらのことも、私が自身で調べて自身で書いたこと。しかし、私の脳には記憶として残っていなかった。
「彼岸は先祖供養、八月十五夜は豊年祭に由来」ということを今回はしっかり記憶しておこう。そして、いずれも飾る餅はフチャギで良いということも覚えておこう。覚えておいて、いつか若い女性に問われた時は威張って説明してやろう。できるかな?
記:2017.10.9 ガジ丸 →沖縄の生活目次
9月8日付ガジ丸通信『食べ物の気』で「私は揚げ物をあまり食べない・・・ケーキ食べない、牛乳飲まない、フライドチキンやハンバーガーなどファストフードも食べない」というようなことを書いたが、私があまり食べない、飲まないものは他にもある。
サプリメントの類は一切飲んだり食べたりしない、コーラや人工甘味料入りのジュースなどもほとんど飲まない。それらもまた『食べ物の気』で書いているように「それらの発する気が、私の体の気と相性が悪いのだと思っている」となっている。
いや、サプリメントを摂らないに関しては別の大きな理由もある。体内に栄養を摂り入れる際には、美味しいものなら「旨ぇ」と感じる大きな幸せがある。サプリメントにはそれが(摂取したことが無いので断定はできないが)、おそらく無いと思われる。見た目でも「美味しそうなサプリメントだなぁ」というサプリメントを私は見たことがない。
ビタミンCはサプリメントで補うよりもゴーヤーで摂り、カルシウムはサプリメントで補うよりもヒジキで摂り、「旨ぇ」と幸せを感じる方が私は好きである。
私の飲食物摂取は、生命維持のための遺伝子が成せる欲望が基本にあるが、幸せを感じたいという私の脳の欲望でもある。たっぷり汗をかいて、たっぷり疲れて畑仕事を終え、家に帰って、先ずは料理をする。今晩何を食うかは既に頭にある。食材は、たいてい昼間の内に購入しており、畑からの収穫物を加えて料理する。料理の出来上がりを「旨ぇだろうなぁ」と想像し、ビールや酒の旨さも想像し、主夫は嬉々として料理している。
料理を終え、シャワーを浴びて、食卓に料理を並べ、ジョッキにビールを注いで、先ずは一口、二口、三口ほど食べて、それからジョッキを掴み、グビグビ飲む。あー、想像しただけで幸せになる。料理が予想通り旨ければ私の脳の幸せは100%満たされる。
料理は概ね私が食べたいものである。私の好みはほぼ定まっている。煮物焼物が中心で生野菜も時々ある。フライパンに油を引いてという料理はあまり無い。揚物はまったく作らない。揚物は、疲れた時などにスーパーの総菜を買ったりする程度、稀である。
摂取した経験のほとんど無いサプリメントの類を除けば、私が飲まない食べないものに共通することがある。それは「味が濃い」ということ。私の舌と胃袋と腸がそう感じている。「これって本当に美味しいの?インパクトのある味が美味しいものであると、どこぞの誰かに洗脳されているんじゃないの?」と、常々疑問に思っている。
「味の濃いもの」を、体は欲していないのに、頭の中の欲望が欲しているのではないかと思うようになり、体が欲するものは何かを考えるようになって、「自然のもの」に私は辿りついている。「そこはかとない」味を好むようになった。私の家にマヨネーズ、ケチャップなどは無い。味付けは概ね塩と醤油と自作のウージ液糖で済ませている。
畑仕事をして汗をかいて、シャワーを浴びてビール(発泡酒)を飲む。ビールにどんな栄養があるかは知らないが、その時に「旨ぇ、生きてて良かった」と感じるのはこの上ない幸せだと思う。幸せを感じることは心の栄養であり、体の栄養でもあると思う。
という論法でいけば、「味の濃いもの」を食べて幸せを感じられればそれでいいじゃないかということになる。もちろん、味覚は人それぞれなのでそれで良い。ただ、生命維持のための欲望はたぶん、「味の濃いもの」はさほど望んでいないと思われる。
記:2017.10.6 島乃ガジ丸