玄文社主人の書斎

玄文社主人日々の雑感もしくは読後ノート

統一地方選前半戦の投票率

2011年05月02日 | 日記
 原発が争点となった今回の県議選について、あれだけテレビや新聞で福島第一原発の事故の報道がなされていることから、投票率は当然上がるものと思っていたが、予想は見事にはずれた。柏崎市の投票率は前回を四・八ポイント下回り、過去最低の六四・一六%となった。
 投票率低下の原因としては、八選、九選という超多選をねらう二人の候補に新鮮味がなかったことと、かといって、原発反対の候補には投票したくないという気持ちがあったことが考えられる。いつも同じ顔ぶれでは投票に行きたくないという心理も理解できる。
 もっと別の要因も考えられる。東日本大震災発生以降、レンタルビデオショップが大変な活況を呈しているという話を聞いた。半月以上、テレビをつければ大震災と原発事故のニュースばかりで、普段の番組のほとんどが姿を消した。それに耐えられずに、レンタルビデオ店に走る人達が大勢いたのである。
 日本の歴史上最大の災害とさえ言われる今回の事態を直視しようとせず、娯楽に逃げようとする多くの人がいることを残念に思う。彼らは大震災や原発事故がもたらす大きな影響に関心もなく、原発を争点とした選挙に興味も関心もなかったのだろう。
 しかし、これから陥るであろう日本の苦況に関して、彼らが無縁でいることはできない。現実に直面することを強いられた時に、そこから逃げようのない自分に気がつくことだろう。その時彼らがどのように行動するかについて、深い興味がある。

越後タイムス4月15日「週末点描」より)



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