昨日、我がパジャマの尻の部分が網目状に擦切れていることを発見した。
本朝のテレビで、若い女性の間で「シャツのボタンを掛け違えて着る」「シャツの半分をスラックスやパンツに入れる」ことが流行っていることを知った。
自分のパジャマに関しては、格好をつけて”物価上昇によるダウンサイジングのしわ寄せ”と訴えたいところであるが、実は単なる”ケチ”と”服飾音痴”だけであろう。
ファッションではない服飾について考えると、自分は、18歳までは学生服・55歳までは制服で過ごしたために、冠婚葬祭以外では何を着て良いのか分からないと云うのが本音である。
自衛官定年後の再就職先での思い出であるが、入社後半年ほどして親しくなった妙齢の総務課女史から「顔を観なくてもネクタイを観れば貴方と分かるゎ」と云われた。よくよく考えてみると、2・3か月間同じネクタイをしていることに気が付いた。改めて周囲を見渡すと、ほぼ全員が毎日違うネクタイをしていた。なるほど、一般社会ではそれが常識かと思ったが、さて毎日ネクタイを変えるには何を基準とすればよいかが分からない。聞けば、背広に合わせる・Yシャツに合わせる・靴下の色に合わせる・・・・いろいろな作法があるらしいことが分かったが、では最適な柄と色の組み合わせとなると、これまた分からない。考えても分からないので、以後は毎日ネクタイを変えることで、女史の忠告に応えることとしたが、珍妙な組み合わせであったであろうものの、大人の女子はそれ以上の助言を与えてくれることは無かった。おそらく、匙を投げたのだろう。
テレビで報じられたファッションであるが、画面に現れた件の女性の服は、貴崩さずにちゃんと着てもそれはそれで立派な・似合ったものであることから、ファッションセンスには秀でておられるように思ったが、他人と違うことでそれ以上の自己主張をされているのであろうか。
服装や髪型が略同じである自衛隊では、個性を出すには外見よりも、思考力・判断力・要務処理能力・統率力・協調性であるが、髪型を含めて自由なファッションが許される社会では、外見も自己主張の重要なアイテムであることが漸くに理解できるようになった。とは言え、今更奇抜なファッションに奔る必要も無く、また勇気もない。
ここ当分というより死ぬまで、尻の擦り切れたパジャマで、数年前に買ったユニクロファッション着た切り雀で、過ごすことになるのだろう。