日本製鉄のUSスチール買収計画が頓挫している。
両社から約1兆4千億円で買収に合意したと発表された際、自分は”USスチールが買えるの?”と思った。はたせるかな、全米鉄鋼労働組合(USW)が反対声明、 買収計画を審査する対米外国投資委員会は結論を出せずに大統領に判断を丸投げ、バイデン大統領は国防生産法の対象企業として売却不可の判断を示して現在に至っている。
USスチールは1901年の設立当初はアメリカの鉄鋼生産の3分の2を支配していたが技術革新に失敗して順次シェアを落とし、昨年には24位まで下落しているとされる。
何故に国内シェア24位の鉄鋼会社の買収ができないのか考えれば、偏に「USスチール」という社名が原因であるように思う。「US」を冠した社名が、国民に“アメリカ製造業の象徴・鉄は国家なり”のシンボルで、最強国アメリカが幾度の戦争に勝利した原動力・牽引力という印象を与えているのではないだろうか。もし社名が「デトロイト製鉄」であったならば、国民感情・対米外国投資委員会も「アッそう」程度で終わるように思える。
何故に国内シェア24位の鉄鋼会社の買収ができないのか考えれば、偏に「USスチール」という社名が原因であるように思う。「US」を冠した社名が、国民に“アメリカ製造業の象徴・鉄は国家なり”のシンボルで、最強国アメリカが幾度の戦争に勝利した原動力・牽引力という印象を与えているのではないだろうか。もし社名が「デトロイト製鉄」であったならば、国民感情・対米外国投資委員会も「アッそう」程度で終わるように思える。
トランプ次期大統領も買収不可の姿勢で、日本製鉄は法廷闘争も已む無しとしているようであるが、日本政府に特段の動きが無いのは気がかりである。もしUSスチールは国防生産法の対象というバイデン大統領の認識が米国民の認識と等しいのであれば、アメリカの戦時生産に僅かでもの貢献、若しくは発言力を得ることができるチャンスであり、政府は座視すべきではないように思う。報道によると、武藤経産大臣は「重大な関心を持っている」と述べているようであるが、ハテ?何に対して関心。何に興味。まさか、自分と同程度の野次馬的関心ではないだろうが、政府お得意の遺憾砲ほどの効果もないコメントであるように思える。せめて「同盟国として、強いアメリカ建設に寄与し、緊急時には応分の協力ができるよう、買収実現を願う」程度の援護はできないものだろうか。
鉄血宰相と呼ばれるビスマルクが議会の演説で《現下の大問題の解決は、演説や多数決によってではなく鉄(軍事力)と血(犠牲)によってなされる》と呼びかけたが、鉄の意味は次第に文字通りの鉄そのものに変質し、1901年の官営八幡製鉄所の火入れ式では初代首相の伊藤博文が「鉄は国家なり」と社員を鼓舞したとされる。
”ラストベルト”の代表格とされて、米財界も持て余している感ある「USスチール」であるが、名前持つ印象からか更なる運命が待ち構えているように思う。
鉄血宰相と呼ばれるビスマルクが議会の演説で《現下の大問題の解決は、演説や多数決によってではなく鉄(軍事力)と血(犠牲)によってなされる》と呼びかけたが、鉄の意味は次第に文字通りの鉄そのものに変質し、1901年の官営八幡製鉄所の火入れ式では初代首相の伊藤博文が「鉄は国家なり」と社員を鼓舞したとされる。
”ラストベルト”の代表格とされて、米財界も持て余している感ある「USスチール」であるが、名前持つ印象からか更なる運命が待ち構えているように思う。
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