ネット上で酒井信彦氏のコラムを見た。
氏は、ロシアのウクライナ武力行使を伝える2月25日、多くの新聞が見出しで「侵攻」ないしは「侵略」と表現している中で、朝日新聞のみは「(親ロ派地域への)進撃」との語句を使用していたとされている。
酒井氏の朝日新聞嫌いは有名であるので事の真偽が不明であるが、もし真実であるならば「相当ニュアンスが違うなァ」と感じて侵攻と進撃を調べてみた。
ウエブ辞書では「進撃:軍を進めて敵をうつこと。また、積極的に攻撃すること」、「侵攻:他国を攻め、その領土に侵入すること。侵犯。進攻」とあった。正確な理解ではないだろうが自分では、武力行使の正邪を問わずに、「進撃」とは武力行使する側がその正当性を内包して使用するもので、侵攻は武力行使の不当性を込めて受け手が使用する語句であるように思う。そのことは、現在では侵略戦争と一般的に定義される大東亜戦争にあって、国内新聞は戦況を伝える多くの場合に「○○に進撃」の見出しが躍る紙面であったのを映像で見た記憶がある。
酒井氏は、朝日新聞の社説ではロシア=侵略者を思わせる主張があったとも続けられているが、トップ記事に「進撃」を使用したのは、ロシアのみが承認した「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」における親ロ住民の保護・解放というロシアのプロパガンダを正義とする認識のもとに、使用された可能性もなしとしない。朝日新聞がロシアに正義ありとして確信犯的に「進撃」としたとしても、福島原発事故における吉田証言に対する誤(嘘)報を、シレっと読解力不足と強弁した過去を振り返れば、酒井氏の指摘も「蛙の面に小便」ほども響かないのだろう。
それ以降の朝日新聞の報道を拾い読みする限り、日本国内のロシア・プーチン感に沿った報道であるように思えるが、慰安婦強制連行の火付け役と糾弾され、第3者委員会の指摘を受け入れる形で報道姿勢や偏向報道を正すとした土下座も、社外向けのパフォーマンスで社風や記者の世界観は従前のままであるのかもしれない。
以上、酒井氏の指摘を真実として論を進めたが、万が一事実と異なる場合には本記述を削除致しますので、ご教示をお願いいたします。
都合の悪いことを言葉で誤魔化すのは、いつの世も同じではないでしょうか。
慰安婦や福島原発の朝日新聞の報道のあり方には問題が有りますが、朝日新聞を購読するする人々は今も大勢います。
1970年代には南京大虐殺問題で、言論界や思想界が大いに沸き立ちました。元朝日新聞の本多勝一氏の「百人斬り競争」に対して山本七平氏が反論を書きました。
現在、南京虐殺についてはどういう結論になっているのでしょうか?
朝日新聞社も会社経営のために「売れる商品(ニュース)を販売しているのだと思います。多くの国民が「何を欲しているか」を考えて記事を書いているのでしょう。
日本は中国やロシヤのような言論統制の国で無いということが、朝日新聞の件で大いに証明されました。でもニュースや社説はフェイクで無いことを祈っています。
ご訪問とコメントを感謝します。
朝日新聞もさることながら、自分なりに進撃と侵攻という言葉の意味合いを考え、纏め得たのは収穫と考えております。
接する情報がフェイクか否かを判定することは困難かと思いますが、これからも複数の手段で事の真贋を見極めるように努力したいと考えております。