文科省事務方トップの事務次官と局長1名が、懲戒処分を受けて辞任した。
懲戒事由は、業者からの接待を受けたことによる国家公務員倫理法に抵触したもので、懲戒処分は事務次官は減給1/10・3か月、局長は減給1/10・2か月であった。国家公務員の懲戒処分はどうなっているのだろうかと調べてみた。懲戒処分は国家公務員法82条に定められており免職、停職、減給、戒告と定められており、更には戒告までには至らない軽易な不祥事については、省令等で厳重注意、訓告の処分も規定されているらしい。懲戒処分は司法が行う司法処分(刑罰)とは異なり行政が独自に行う処分であるために行政処分と呼ばれるが、行政処分は司法判断が下された後に司法処分に過重して行われるのが一般的であり、今回のように司法判断に先んじて行政処分を行うことは法の精神と国民感情に照らせば如何なものであろうか。望ましい遣り方は、不祥事が明るみに出た時点で被疑者の職を解き(〇〇付として上級機関に身柄を保全させる)、司法判断が下された後に行政処分すべきであると思う。もし今回の事務次官等の行為が司法機関による捜査によって実刑を科せられた場合にあっては相応の行政処分は免職であろうことから、結果として不明朗な処分で政治的な幕引きを狙ったとの誹りを免れないこととなる。行政処分は、処分に甘んじて職に留まる者に対しては、以後の昇任・昇給について極めて不利益を及ぼすものであるが、職を辞してしまえば公務員としての採用が制限される以外さしたる実害を受けるものではない。現に引責辞任した前文科省事務次官が、関連団体に影響力を行使するとともに大手を振って世過ぎしている。
特別職国家公務員である自衛官の懲戒処分は、免職、降任、停職、減給、戒告とすることが自衛隊法に定められている。記憶している20年前の懲戒基準に照らせば、納入業者から過剰の接待を受けた場合には停職処分以上は免れないと思われる。自衛官は帰隊(艦)時刻遅延(一般的には遅刻)であっても戒告処分の対象となり、艦艇乗組員が出港時刻に遅れた場合は”後発航期”と呼ばれ減給処分の対象となる可能性がある。それに比べて事務方で位人心を極めた次官・局長の倫理違反としては、今回の減給処分は如何なものかと思うものである。
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