岸田総理の長男である岸田翔太郎政務秘書官が更迭された。
翔太郎秘書官は、身内の登用そのものが疑問視され、任命後にあっても公務外遊随行中の土産物漁りや公邸でのバカ騒ぎで火だるまとなっていたので、更迭は当然と思う。
この更迭劇に対して、立民の泉代表は「そもそも公私混同の色彩が強い人事で、辞任は当然だ。国民に対する説明や謝罪にも欠けている」と述べ、維新の馬場代表は「公邸や官邸で写真を撮ること自体はよくある話だが、問題なのは広く流出したことであり、秘書官として知り得た情報まで漏れるのではないかと懸念される」とコメントしている。2つのコメントを並べると、泉代表が底の浅い首狩り族的であるのに対して、馬場代表は官邸の防諜体制不備と本質を捉えているのが興味深い。閑話休題。
現在の総理秘書官は、2名の政務補佐官と6名の事務秘書官で構成され、政務補佐官は首席秘書官である嶋田隆一(元経産省事務次官)氏と岸田翔太郎氏、事務秘書官は財務省(2人)・外務・経産・防衛・警察の各省庁から選抜・出向となっている。
事務秘書官について各省庁はエース級の人材を送り込むとされ、秘書官経験者は役所に戻って事務次官にまで上りつめる人も少なくないとされているが、総理が交代すれば出身省庁に戻るために総理(国政)よりも出身省庁の利益を優先する側面が強いとされる。
政務補佐官は、議員時代の秘書や政策ブレーン・親類縁者・・など総理の信頼の厚い人物が選ばれる。
したがって、重要な国家機密、各省庁(特に事務秘書官の母体官庁)の利害が衝突する施策、野党との秘密裡の調整などについては、事務秘書官を外して総理と政務担当秘書官だけで処理されることも多いので、その影響力は極めて大きいとされており、小泉内閣の飯島勲氏や安倍内閣の今井尚哉氏などは自分でも記憶している程である。
事務秘書官には官僚キャリアが必要であるが、政務秘書官選定には定性・定量の度量衡は無く、云わば総理の信頼さえあれば誰でもなれる・就くことができる。
岸田翔太郎氏の経歴を眺めると、広島県屈指の脩道高校・慶応大学法学部政治学科卒、三井物産勤務の後国会議員秘書で、一見すれば申し分ないものであるが、岸田総理にあっては「このままでは跡を継がせるには・・・」という不安要素が多く・大きかったのだろう。「何とかして現実と政治の厳しさを知って」の親バカから総理秘書官にしたものの、親の心知らずのボンボン豚児は麒麟に進化できなかったように思える。
秘書官任命~騒動~更迭の一連を眺めると、ボンボン豚児の不甲斐無さ以上に、「それでもなんとかして」という岸田総理の親バカが際だって見える。
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