もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

金のポケベル

2025年02月11日 | アメリカ
 訪米中のネタニエフ首相が、首脳会談に際してトランプ大統領に贈った金のポケベルが物議を醸している。
 金のポケベルは、ガザ紛争勃発直後ハマス支援に参戦したヒズボラ戦闘員間での通信手段として広く用いられていたポケベルにモサドが爆薬を仕掛けて遠隔爆発させ、12人の民間人を含む少なくとも42人が死亡3,000人以上が負傷したことに由来している。
 ガザ紛争は現在6週間の停戦期間中であるが、ハマス側の人質解放は遅々として進まず、現在までに人質13人を解放しただけである。これに応じる形でイスラエルが釈放したのは刑務所などに収容していたパレスチナ人600人とされている。また、15日にも行われると期待されていた人質交換も、ハマス側がイスラエルの停戦義務違反を主張して延期になりそうな状況を観れば、人質を解放しないハマスが人質を”人間の盾”として使用しているのは間違いのないところと思う。
 ポケベルによる民間人の死傷やガザ侵攻から国際刑事機構(ICC)はネタニエフ首相への逮捕状を発行しているが、ICC加盟国ながら処置を不満として拠出分担金の供出を停止しているアメリカを、ネタニエフ氏は大手を振って訪問している。
 そんな中での、金のポケベルはどのような意味を持つのであろうか。
 伝統的なパレスチナ贔屓からの反ユダヤ的イスラエル叩きと、云うことを聴いてくれる可能性がある相手(文明国)には厳しくするという知識人の最も好む粗材であるらしく、テレビの有識者は挙って金のポケベルは国際社会に公然と挑戦するものとする意見が多い様である。
 自分は、ネタニエフ氏が国際社会の思惑などに顧慮することく、如何なる手段を以てもイスラエルを守り抜くということを広く示すために、敢て公にされるであろうプレゼントとして使用したのではないかと思っているので、強い指導者に相応しい演出と観ている。安倍昭恵夫人に道を開いてもらった石破総理の訪米手土産は金色の兜であったとされるが、日本製鉄のステンレス兜を持参する気は無かったであろう。
 トランプ氏は、1期目には米大使館を3教の聖地エルサレムに移転させるとし、今期はガザ地区をアメリカが所有するとし、イスラムの反発を倍加させている。
 ガザ紛争は、どのような決着を迎えるのだろうか。

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