脳の神経細胞に多く含まれるタンパク質の一種がうつ病に深く関与し、この働きを阻害すると抗うつ剤と同様の効果があることを、愛知県心身障害者20+ 件コロニー発達障害研究所と名古屋市立大の研究グループがマウスによる実験で発見し、16日発表した。
同研究所の川口禎晴主任研究員は「新しい抗うつ剤の開発や、うつ病の病態解明が期待できる」と話している。
研究グループは、脳が発達する時期に増加するタンパク質「HDAC6」に着目。このタンパク質が体にどういう影響を与えるかは十分に分かっていなかったが、不安や気分の調節に重要な役割を果たす脳内物質「セロトニン」を出す神経細胞に多く含まれていたことが確認された。
HDAC6がないマウスと正常なマウスを実験で比較。しっぽを持って懸垂運動させて動く時間を測った結果、HDAC6がないマウスは正常なマウスよりも約1分長く動いた。別の実験でも、HDAC6がないマウスは新しい環境で活発に動いたり、高い場所で不安を感じにくくなったりした。
HDAC6の働きを阻害する薬剤を投与したマウスは、投与しないマウスより懸垂運動の時間が約1分40秒長くなり、抗うつ剤と同じ効果があったという。
研究は、米科学誌プロスワン電子版に6日付で掲載された。(共同)
[2012年2月16日21時36分]
同研究所の川口禎晴主任研究員は「新しい抗うつ剤の開発や、うつ病の病態解明が期待できる」と話している。
研究グループは、脳が発達する時期に増加するタンパク質「HDAC6」に着目。このタンパク質が体にどういう影響を与えるかは十分に分かっていなかったが、不安や気分の調節に重要な役割を果たす脳内物質「セロトニン」を出す神経細胞に多く含まれていたことが確認された。
HDAC6がないマウスと正常なマウスを実験で比較。しっぽを持って懸垂運動させて動く時間を測った結果、HDAC6がないマウスは正常なマウスよりも約1分長く動いた。別の実験でも、HDAC6がないマウスは新しい環境で活発に動いたり、高い場所で不安を感じにくくなったりした。
HDAC6の働きを阻害する薬剤を投与したマウスは、投与しないマウスより懸垂運動の時間が約1分40秒長くなり、抗うつ剤と同じ効果があったという。
研究は、米科学誌プロスワン電子版に6日付で掲載された。(共同)
[2012年2月16日21時36分]