◇新基準で自治体率先雇用
国や自治体、企業に義務づけられる障害者の法定雇用率が今月から引き上げられ、県内の各自治体が知的障害者を初めて採用したり、補助金制度を新設したりと対応に追われている。自治体が率先することで障害者の社会参加を地域に根付かせるのが狙いだ。
法定雇用率は障害者雇用促進法に基づき、一定の割合で身体・知的障害者を雇用することを事業主に義務づけたもの。障害者の社会参加を促すため、今月から国や自治体で2・3%、教育委員会で2・2%、民間企業は2・0%と0・2ポイントずつ引き上げられた。
新基準を受け、県は5月に知的障害者5人を3年間を上限とする非常勤嘱託職員として雇うことにした。県が知的障害者を採用するのは初めてという。
これまで機械や正規職員が行ってきた文書の集配、封入、シュレッダー処理などの事務作業を担いながら、民間企業に就職できる能力を身につけてもらう。約10人の応募があり、実習後に採用者を決める予定だ。
約20人の雇用が新たに必要になった県教委は、今年度実施の教員採用試験から身体障害者向けの特別採用の枠を「2人程度」から「5人程度」に拡大する。県教委総務課によると、採用枠を拡大しても今年度中に新基準を満たすのが難しいため、事務局職員の採用も検討するという。
一方、前橋市は新基準に合わせ、特例子会社を設立した企業に4月から施設整備費用などの3分の2(上限500万円)を補助金として支給する。
前橋市のフレッセイホールディングスは現在、この補助金の申請を検討している。子会社である人材派遣会社「フレッセイヒューマンズネット」(前橋市)で1月に10人の知的障害者を採用。子会社は先月末に特例子会社の認定を受け、10人は同ホールディングスの工場で生鮮食品のパック詰め作業をしている。
元々雇用者数を2人増やせば新基準をクリアできた同ホールディングスだが、広報担当者は、「特例子会社を設置した方が障害者の特性に配慮した労働環境を整備しやすいと考えた」と説明する。
昨年6月時点で法定雇用率を達成した県内企業は、1123社中537社で達成率は前年同期比1・4ポイント増の47・8%。全国平均の46・8%を上回るが、新基準で従業員数が56人以上から50人以上と対象範囲が拡大している。
同市産業政策課担当者は「補助金は親会社が市外にあっても申請できる。特例子会社の設置を促進することで、障害者の社会参加を促したい」と話している。
(2013年4月6日 読売新聞)
国や自治体、企業に義務づけられる障害者の法定雇用率が今月から引き上げられ、県内の各自治体が知的障害者を初めて採用したり、補助金制度を新設したりと対応に追われている。自治体が率先することで障害者の社会参加を地域に根付かせるのが狙いだ。
法定雇用率は障害者雇用促進法に基づき、一定の割合で身体・知的障害者を雇用することを事業主に義務づけたもの。障害者の社会参加を促すため、今月から国や自治体で2・3%、教育委員会で2・2%、民間企業は2・0%と0・2ポイントずつ引き上げられた。
新基準を受け、県は5月に知的障害者5人を3年間を上限とする非常勤嘱託職員として雇うことにした。県が知的障害者を採用するのは初めてという。
これまで機械や正規職員が行ってきた文書の集配、封入、シュレッダー処理などの事務作業を担いながら、民間企業に就職できる能力を身につけてもらう。約10人の応募があり、実習後に採用者を決める予定だ。
約20人の雇用が新たに必要になった県教委は、今年度実施の教員採用試験から身体障害者向けの特別採用の枠を「2人程度」から「5人程度」に拡大する。県教委総務課によると、採用枠を拡大しても今年度中に新基準を満たすのが難しいため、事務局職員の採用も検討するという。
一方、前橋市は新基準に合わせ、特例子会社を設立した企業に4月から施設整備費用などの3分の2(上限500万円)を補助金として支給する。
前橋市のフレッセイホールディングスは現在、この補助金の申請を検討している。子会社である人材派遣会社「フレッセイヒューマンズネット」(前橋市)で1月に10人の知的障害者を採用。子会社は先月末に特例子会社の認定を受け、10人は同ホールディングスの工場で生鮮食品のパック詰め作業をしている。
元々雇用者数を2人増やせば新基準をクリアできた同ホールディングスだが、広報担当者は、「特例子会社を設置した方が障害者の特性に配慮した労働環境を整備しやすいと考えた」と説明する。
昨年6月時点で法定雇用率を達成した県内企業は、1123社中537社で達成率は前年同期比1・4ポイント増の47・8%。全国平均の46・8%を上回るが、新基準で従業員数が56人以上から50人以上と対象範囲が拡大している。
同市産業政策課担当者は「補助金は親会社が市外にあっても申請できる。特例子会社の設置を促進することで、障害者の社会参加を促したい」と話している。
(2013年4月6日 読売新聞)