脳性まひがある広島市の60代3人が14日から、中区の市まちづくり市民交流プラザで書、写真、パステル画の計60点を披露する合同作品展を開く。還暦まで障害と向き合ってきた暮らしぶりの一部を伝えるため初めて企画した。無料。21日まで(月曜日休館)。
障害者支援の市民団体「障害者サポートセンターtogether広島」(安佐南区)の藤岡耕二代表(60)=安佐南区=は書を出品。左手の指3本で筆を握り、体全体を使って「風」など自然にちなむ言葉を書いた。
花ノ木清孝事務局長(60)=同=は車いすにカメラを固定し、県北の山を巡った。中手幸子さん(62)=西区=は、粉状にしたクレヨンを指に付けて動物や花を描いた。
中手さんは福島第1原発事故後、福島市から避難。昨年5月、西区の郵便局で初の個展を開催した。その姿に藤岡代表と花ノ木事務局長は触発された。
長年、自立を貫いてきた自分の歩みも、誰かの役に立つのでないないか―。障害者仲間たちに向け、挑戦し続けるよう勧めるメッセージを込め、合同作品展を企画した。
藤岡代表は「それぞれの活動は、地域で多くの人と関わりながら暮らす自立や自由の証しでもある。作品を楽しんでほしい」と話している。
【写真説明】作品展示のレイアウトなどを話し合う藤岡代表(手前左)や花ノ木事務局長(左から3人目)、中手さん(右端)たち
中国新聞-'13/4/9