山口県下関市は4日、知的障害者が通う同市長府豊城町の障害者福祉施設「大藤園」で、男性職員が利用者の頭をたたいたり、「ぶち殺すぞ」と暴言を浴びせたりした疑いがあるとして、同施設に障害者総合支援法に基づく立ち入り調査を行った。
同施設によると、虐待した疑いがある男性職員は3人で、作業場で男性利用者の頭を手で数回たたいたり、胸ぐらをつかんだりしたほか、「間違ったら殺す」「ばかたれが」といった暴言を浴びせるなどしたとしている。
同施設は5月30日、保護者会で謝罪。利用者の頭をたたいた職員の懲戒解雇を検討しているほか、施設内に弁護士らでつくる調査委員会を設置した。井上昌士施設長(53)は「あってはならないこと。利用者の気持ちを考えると大変申し訳ない」と話している。
一方、市は「虐待にあたると認識しているが、調査の詳細についてはコメントできない」としている。
この問題を受け、下関市自立支援協議会(金原洋治会長)は4日、「実態を速やかに、丁寧に明らかにすること」などを求める要望書を同市に提出した。
また県は3日付で、県内全ての障害者福祉施設など900か所や、自治体に施設内の虐待防止に向けた体制づくりを徹底するよう通知を出した。