ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

朝の地下鉄 つなぐ善意 視覚障害者の介助、後輩へ継ぐ

2015年06月25日 02時13分44秒 | 障害者の自立

 火曜日の朝七時五十八分。名古屋市中村区の武藤靖子さん(75)は毎週、この時間を楽しみにしている。不自由な目の治療に向かう地下鉄の乗り換えで、きまって車内へ案内してくれる人がいるからだ。微妙に変わるドアの位置や、通勤ラッシュの列に合わせて歩きだすタイミング…。戸惑う武藤さんに手を差し伸べる役はこの春、先輩から後輩へと引き継がれた。

山口愛未さん

 「おはようございます」

 二十三日朝、地下鉄伏見駅。東山線から鶴舞線に乗り換えようと、白杖(はくじょう)を頼りに壁際をゆっくり歩く武藤さんに、中京銀行浄心支店(同市西区)へ通勤途中の田上雄也さん(25)があいさつした。顔いっぱいに笑みを浮かべる武藤さんに腕を貸し、列の後ろについて車内へ。武藤さんが愛知県岩倉市の治療院へ通う際に続く習慣だ。田上さんは同じ銀行の先輩から、この役割を託された。

 浄心支店勤務だった山口愛未(まなみ)さん。昨年冬、同じ駅のホームで、降車する人波にさらわれそうになる武藤さんを見て声をかけた。周囲は通勤や通学を急ぐ人たち。気になって、毎週待つようになった。

 三月、山口さんは市内の別の支店へ転勤に。「きょうで最後です」。別れ際にそう告げられた武藤さんは、「名前も勤め先も、聞いておけばよかった。なんだか、聞くのがはばかられちゃって…」。

 武藤さんは網膜の難病で、五年ほど前からほとんど目が見えなくなった。左右に振りながら進路を探る白杖がぶつかり、通行人に怒鳴られたこともある。四年前には、自宅近くの駅で柵のないホームから落ち、レールで背中を強打した。

 「つらい話が多い中で、助けてもらえるのがありがたくて、ありがたくて」

 そんな思いを感じていた山口さんは、こっそり後輩に“引き継ぎ”をしていた。選ばれたのが、入行二年目の田上さん。「体の不自由な人を手助けしたくても、相手が迷惑だったら…と思って、声をかけられなかった。むしろありがたいです」と話す。

 朝、同乗するのは六、七分。武藤さんが「出身は?」「お仕事は?」と矢継ぎ早に質問するのは、何も聞けずに山口さんと別れたことを悔いているからだ。会話の花が咲く車内に、壁はもうない。

田上雄也さん(左から2人目)の介助で車両に乗り込む武藤靖子さん=名古屋市中区の地下鉄鶴舞線伏見駅で

◆駅ホーム、転落対策急ぐ

 線路への転落事故を防ぐため、名古屋市交通局は、地下鉄の駅のホームに可動式の柵の設置を進めている。これまでに桜通線と上飯田線の全二十三駅に設置。今年九月からは東山線でも全駅に整備し、二〇二〇年度までに全八十七駅の九割で対策を終える予定だ。

 駅のホームは、視覚障害者にとって「欄干のない橋」とたとえられることがある。伏見駅で介助をしてもらっている中村区の武藤靖子さんは「柵があると安心」と話す。

 ただ、国土交通省によると、全国に九千五百ある駅のうち、転落防止策が講じられているのは五百九十三駅(一四年九月時点)と6%にすぎない。国は東京五輪・パラリンピックが開かれる二〇年までに八百駅での整備完了を目指しているが、地域によって対策への温度差は縮まらない。

 日本盲人会連合(東京)によると、一一年にまとめたアンケートでは、視覚障害者の37%がホームから転落したことがあると回答。同連合によると、首都圏では東京五輪に向けて全駅への設置目標を掲げる鉄道会社もあるが、地方で数値目標を公表する事業者はほとんどないという。

 自身も全盲の鈴木孝幸副会長は「地方には視覚障害者が利用する無人駅もある。首都圏だけでは困る」と話す一方、「手を引いたり、かばんにつかまらせてくれたりするだけで安心して電車に乗れる」と周囲のサポートの重要性を指摘する。

2015年6月23日    中日新聞


真心こもったメニュー人気 障害者の軽食店盛況 南あわじ

2015年06月25日 02時06分08秒 | 障害者の自立

 障害者らが手作り品を販売するテークアウト式の軽食店「COCOWA」が、兵庫県の南あわじ市役所新庁舎(同市市善光寺)1階ロビーで営業し、昼休み中の市職員や来庁者でにぎわっている。生地から作ったパンやサンドイッチ、トッピングと味付けが多彩な焼き菓子など、真心たっぷりのメニューが人気を呼ぶ。

 知的や精神にハンディがある人らの社会参加に向け、今年4月6日の新庁舎開庁と同時にオープン。社会福祉法人「淡路島福祉会」(同市)が運営する障害者多機能型施設「ウインズ」のほか、就労継続支援事業所「コパンじとほ」や就労移行支援事業の訓練施設「コパンえんぎょうじ」から70~80種類ぐらいの商品を集めている。

 店名の由来は、障害者と地域をつなぐ「心の輪」。込めた思いの通り、丁寧な手作業に引かれた客が続々と訪れ、まとめ買いをする人もいる。クリームパンやカレーパン、ミックスサンドイッチは食べ応え十分。クッキーにはナッツやゴマを練り込むなど調理法もバラエティーに富む。

 卵を塗ったサブレや、キャラメル味でナッツをまぶしたフロランタンなどが売れ筋で、定期的に新作メニューも販売するという。

 ウインズ施設長の藪脇久臣さん(41)は「市の中心部で障害者が活動できるのは良いこと。ハンディのある人とない人の交流、理解が進んでほしい」と期待している。

 平日午前11時半~午後3時。ウインズTEL0799・43・2811

手製のメニューを持ち寄り、来店を呼び掛けるスタッフら=COCOWA

2015/6/24    神戸新聞


コスタリカから研修生 障害者の自立支援学ぶ 西宮

2015年06月25日 01時56分38秒 | 障害者の自立

 障害者自立生活センターの運営方法や重度障害者の介助法などを日本で学ぶため、中南米・コスタリカからルイス・カンブロネーロさん(31)とアンドレス・リオスさん(24)がNPO法人「メインストリーム協会」(兵庫県西宮市西福町)を訪れ、研修を続けている。

 同協会は障害者の自立支援をサポートする団体で、障害者約50人、介助者約200人のスタッフが在籍している。2012年4月から実施する「コスタリカ自立生活推進プロジェクト」の一環で2人を招いた。

 

重度障害者の介助の様子を見守るルイス・カンブロネーロさんとアンドレス・リオスさん=西宮市青木町

2015/6/24     神戸新聞 ホーム


柿の葉すし作ろう - 視覚障害者が挑戦

2015年06月25日 01時50分01秒 | 障害者の自立

 柿の葉すし「山の辺」(桜井市山田)の店主、大前英二さん(57)と妻の真美さん(53)が23日、橿原市視覚障害者協会(森田優会長)の会員を対象にした柿の葉すし作り体験イベントを、同市小房町の市中央公民館分館で開いた。会員30人が参加。地域伝統のすし作りを楽しんだ。

 大前さんは、お世話になった人々への恩返しの気持ちで、同店開店以来、毎年6月に県内の障害者施設や幼稚園などで同様の取り組みを展開。今回で7回目になる…

 

柿の葉すしの完成を喜ぶ会員=23日、橿原市子房町の市中央公民館分館

2015年6月24日 奈良新聞


視覚障がい者を支援!他者と視野を共有する期待の遠隔ガイドシステムとは?

2015年06月25日 01時41分45秒 | 障害者の自立

交差点や歩道の段差、障がい物…。目の不自由な人々の外出には、想像もつかないほど、多くの困難と危険が、待ち受けている。

目の代わりとなる白杖も、片方の手がふさがってしまうという問題があり、慣れた場所以外で単独の行動をとるのは、非常に難しいのが現実だ。

こうした課題を解決するために生まれたのが、「guide glass(ガイドグラス)」である。

眼鏡型ウェアラブルデバイスを介して、遠隔地にいる他者と、視野情報や位置情報を共有。周囲の状況に関する案内や、説明を受けられるという、期待のシステムだ。

開発元のパンタグラフでは、本格的なサービス提供に向けて、現在鋭意調整中。多忙な中、担当の吉田 靖規(よしだ やすき)氏が、取材に応じてくれた。

・離れた場所にいる人が目の代わりになる

Q1:まずは、「guide glass」開発のきっかけと経緯から、お聞かせください。

弊社では昨年から、ウェアラブルデバイスへの取り組みを検討し、この新しいテクノロジーを、社会問題の解決に使う方法はないか、と考えていました。(中略)

眼鏡型デバイスが持つ可能性を、世の中に提案できないかと模索していたところ、視覚障がい者の方が外出中、事故に遭うというニュースに触れる機会がありました。

いろいろと調べてみると、視覚障がい者の方々は、外出時にさまざまな 困難や、不自由があるということを知りました。

そこで、眼鏡型のデバイスを活用して、視覚障がい者の方々が外出時、困ったことが起きた際、サポートするサービスができないか、と考えたことが、 「guide glass」開発のきっかけです。

Q2:「guide glass」とは、どんなシステムなのでしょうか。

「guide glass」は、眼鏡型ウェアラブルデバイスによる、遠隔ガイド/サポートシステムです。

眼鏡型デバイスを装着した人が、その視野の情報と位置情報を他者と共有することで、自分の周りの状況に関する案内や、説明を受けることができます。

離れた場所にいる人と、自分の視野を共有し、その人に自分の目の代わりとなってもらえる仕組み、と言えます。(中略)

また、「guide glass」は、眼鏡型デバイスを装着したユーザーと、そこからの情報を受け取ってガイドする側のユーザー、それぞれが利用するための機能を実装しています。

ガイドする側のユーザー向けは、マルチデバイスに対応しており、パソコンのウェブブラウザでの利用、または専用アプリをインストールしたスマートフォンや、タブレットでの利用が可能です。

・目の不自由な人々の世界を広げる手段になってほしい

Q3:本格的なサービス化はまだ先だそうですが、現在の状況とそれまでの展開について、教えていただけるでしょうか。

本格的なサービス化には、もう一段、品質向上が必要だと考えており、現在取り組んでいる最中です。

また、その過程では、実証実験やモニターテストなども視野に入れており、実際に視覚障がい者の方々に使っていただく中で、改善点を見出していきたい、と考えています。

視覚障がいのある方に使っていただくサービスですので、やはりサービス化には、万全を期したいとの思いもあり、まずは品質向上に注力していくつもりです。

Q4:「guide glass」は今後、社会でどのような役割を担っていくのでしょうか。

新しいテクノロジーを活用して、今ある不自由を少しでも低減させることに役立てたいとの思いで、「guide glass」を開発しました。

これまで、さまざまな制約や不安から、一人での外出をちゅうちょされていた人々が、「guide glass」を使うことで、より自由に外出できるようになり、世界を広げるための手助けとなるような役割を、担ってほしいと思っています。

2015.6.23      Techable