ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者修繕「エコボール」 新居浜西高野球部に贈る

2015年06月29日 01時23分38秒 | 障害者の自立

 糸が切れたり革が破れたりした野球ボールを障害者が修繕し、再利用する「エコボール」活動が愛媛県新居浜市で始まった。県内では初めての取り組みで、同市萩生の就労継続支援A型事業所「プラネットワークス新居浜」(伊藤久門代表)がこのほど、再生した硬球約100球を新居浜西高校野球部に贈った。 
 エコボール活動は障害者の就労支援を目指し、2009年に京都府でスタート。部活動などで使い込まれて古くなった硬球を、革を張り替えたり糸を縫い直したりして再利用する。新しいボールを買うと1球500~1000円かかるが、エコボールは50~100円。今回は試験的な取り組みとして無料で贈った。 
 伊藤代表が新居浜東高野球部OBだったことから活動に参加。事業所を利用する車いすの障害者ら約20人が、1球当たり数時間から数日かけて丁寧に修繕してきた。

【写真】エコボール贈呈式で、新居浜西高野球部員(左)に再生したボールを贈るプラネットワークス新居浜の利用者

2015年06月28日(日)    愛媛新聞




障害者施設 クーポン利用を 足立区

2015年06月29日 01時20分51秒 | 障害者の自立

 ◆全世帯に配布へ

 足立区は28日から、区内23か所の障害者施設などで利用できるクーポン券を配布する。区内全世帯に2000円分を配布予定で、7月1日から利用できる。国の地方創生交付金を活用した取り組みで、区では初めての試みという。担当者は「障害者施設の存在や役割を知る機会にしてほしい」と呼びかけている。

 区は28日から30日にかけ、約32万世帯に100円分のクーポン券が20枚印刷されたチラシを配布する。障害者施設のほか、障害者が働く喫茶店やレストランで、支払額の4割分までクーポン券を使うことができる。

 利用できる店舗は配布されるチラシで確認できるほか、店頭にはクーポン券が描かれたピンクののぼりが置かれる。有効期間は12月28日までの予定だが、利用状況や店舗次第で、変更する可能性があるという。

 今回の試みには、障害者施設の認知度を高めることで、障害者の賃金の上昇につなげる狙いがある。区障がい福祉課の近藤博昭課長は「一人でも多くの人に利用してもらい、クーポンをきっかけに、施設での買い物を習慣にしてほしい」と話している。

2015年06月28日 Copyright © The Yomiuri Shimbun



和歌山県障害者技能大会、6種目に38人挑戦 清掃などの腕前競う

2015年06月29日 01時08分29秒 | 障害者の自立

 県内の障害者が職場や学校で磨いた技術を競う県障害者技能競技大会「アビリンピック和歌山2015」が27日、和歌山市園部の和歌山職業能力開発促進センターで開かれた。カーペット清掃をする「ビルクリーニング」、飲み物の注文などを受ける「喫茶サービス」など6種目が行われ、参加者は真剣な表情で取り組んだ。

 企業の障害者雇用促進などを目的に、「高齢・障害・求職者雇用支援機構和歌山支部」や県が毎年開催。開会式で、県の谷巌労働政策参事は「皆さんの挑戦する姿は、周囲に勇気を与えます。緊張して日頃の成果を発揮できない人がいるかもしれないが、結果にこだわらず今回の経験を生かしてください」とあいさつした。

 大会には15~60歳の38人が参加。ビルクリーニングでは、机やいすなどが置かれた4メートル四方のカーペット上で、掃除機を使ってごみを吸い取る作業に取り組み、仕上がり状態やタイムなどを競った。

 同機構和歌山支部の加藤美穂・高齢障害者業務課長は「昨年は入賞できずに泣いた参加者もいた。それだけみんなこの大会を目標に頑張っています。昨年とは異なる競技に挑戦する人も多いので、応援したい」と話していた。

2015.6.28    産経ニュース


〜障害者と健常者の境界が消える日〜(2)

2015年06月29日 01時02分01秒 | 障害者の自立

義足が普及しない理由

小川:遠藤さんは、だからこそ、研究者であると同時に、開発者であり実業家なんですよね。論文だけに終わらせたくない、どうしても優れた義足を世の中に提供したいという思いが強い。

遠藤:そうなんです。だから僕は自分のことをエンジニアと名乗るんです。論文だけでは満足できなくて(笑)。もちろん論文を残すことも大事なのですが、やはり製品という形にして、それを患者さんが使って、笑顔になるのをみたいなと。そこが僕のモチベーションです。

小川:埋もれたままの研究や論文、特許はたくさんありますからね。もったいないというか。研究と実用化のブリッジをする人がもっといないといけないなと思いますね。

遠藤:日本には特にそのプレイヤーが少ないですね。基礎研究が素晴らしい人はたくさんいるんですね、日本には。でも多くの研究が実用化できずに埋もれてしまう。その点で、MITメディアラボは、研究と実践のバランスが良いと思います。

小川:遠藤さんが手がけられているロボット義足に関していえば、日本ではどれくらいの研究者、エンジニアがいるのですか。

遠藤:知る限りでは、僕の他にはいないと思います。

小川:なんと、遠藤さんしかいないとは。ロボット義足普及のためには、さみしい現実ですね。

遠藤:そうですね。日本ではベンチャーがなかなか育たなかった。そして、日本は民間企業が強く、大学というよりも、研究をできる大企業が技術を牽引してきた面はありますね。とはいっても、大企業には意思決定のスピードが遅いという弱点もあり。

小川:それに、儲かりそうもないことには企業はなかなか投資しないし、ロングテールで存在する課題の解決を網羅していくには大企業だけでは限界があります。さらに、新しい課題は増え続け、環境変化も激しいですから、アンテナの感度とスピード感を上げていかなければならないと思うんです。

遠藤:変化を求められている時代には、まさにそうですよね。

小川:ITのような新しい分野では、ベンチャー企業がイノベーションを牽引しやすいという実感はありますが。

遠藤:ちょっと話はずれるかもしれませんが、陸上競技の大会にエントリーする時に、いまだにファックスで、というのがあるんですよ(笑)。大会情報もWebに全く掲載されずに、結果はPDFで添付されるという。昔ながらのスタッフが運営していて、新しいことをやろうとしない結果ですよね。これでいま回っているからいいや、みたいな。

小川:一度つくったもの、決めたことを変えるということをしたがらない場面には多々遭遇しますね。前例主義的で。本音の理由は、よくわからないから、面倒くさいから、責任取りたくないから、というように。

遠藤:日本に帰国してから感じたことはまさにそれで、ひとつの分野から踏み出して他の分野にいくという敷居もすごく高いなと。日本人のマインドセットというか、ある業界において他の業界から入ってきた人に対して冷たいというような話もよくあります。

目指すは『攻殻機動隊』の世界

小川:そういう閉塞感は払拭したいですよね。遠藤さんは、義足以外に関心があることとか、これから活動を広げていきたい分野はあるんですか。

遠藤:『攻殻機動隊』というアニメがありますが、昔はSFと現実が離れすぎていました。この前、脚本を書かれている冲方丁さんとも話したのですが、最初は攻殻機動隊が現実、テクノロジーを意識することはあまりなかったようなんですね。それが、テクノロジーが発展するにつれ、だいぶ現実を意識するようになって、現実に歩み寄ってきていると。

攻殻機動隊の中で描かれていたのは、義体化されている人とされていない人が、運動神経に大きな違いがあるにもかかわらず、お互いリスペクトしているような社会なんです。

僕が目指しているのはまさにそういう社会で、ロボット義足であるとか競技用義足であるとか、障害者とか健常者とか、それぞれがあまり意識されずに過ごせるにようにしたいと。それを実現するのは、テクノロジーの力だと考えています。何か他の分野に進出したいというより、義足を特殊な分野にしたくないなと。

小川:ロボット義足や競技用義足を普及させたいというだけではなく、それを特別なものにしない、フラットな社会にしたいという思いですよね。

遠藤:そうなんです。いちいち区分することがない社会が良いですね。

100年後を描く

小川:テクノロジーとともに、人間のマインドセットも重要ですよね。ヒュー・ハー教授の「身体に障害を持つ人なんていない。テクノロジーに障害があるだけだ」という言葉に感銘を受けているのですが、まさにそのような感性が必要だなと。

遠藤:その通りだと思います。

小川:ちなみに、100年後のロボット義足、ヒューマノイド全般、それを取り巻く社会はどのようになっていると思いますか。

遠藤:たとえばロボット義足でいえば、見た目はたいして変わっていないと思います。もちろんテクノロジーの進化によって、個々の部品は小さくなって、性能も向上してと。それ以上に、ロボット義足をつけている人を、周囲が気にしたり、意識したりしなくなっているんじゃないかと思うんです。テクノロジーはさることながら、メンタリティーが成熟している。

ロボットに関していえば、人間の感情を持つことは難しいと思うし、ロボットに介護されるのも個人的には違和感があります。やはり産業用が主で、ロボットは一家に一台という状況にはなっていないのではないかと。掃除機の延長線上くらいで。ロボットが人間の代わりを担うようになると、人間が人間とコミュニケーションをとる量が減って、人間独特の優しやさ思いやりというような感情が薄れてしまうんじゃないかと思ってしまうんです。ロボットで利便性を得られたとしても、その分失うものがあるのではないかと。特に感情の側面で。

小川:なるほど。ロボットに携わるエンジニアの遠藤さんの見解だからこそ面白い。最後に、これからの目標、夢を教えてください。短中長期、いろいろあると思いますが。

遠藤:短期の夢ははっきりしていて、僕の友達を治すことですね。彼は骨肉腫になって、2回転移しています。5年以内の生存率が50%を切るという統計などもあるのですが、それに対して、僕は2005年にMITへ留学して、5年以内に卒業して、義足をつくって彼に届けるという目標を立てていました。しかし、10年経ってもまだ完成していないというのがとても悔しくって。

だからまず、彼が日常的に使えるロボット義足を完成させることです。2016年のサイバスロンへは、彼と一緒に行きたいんです。僕がつくった義足を彼につけてもらって出場したい。中長期的には、ロボット義足が当たり前な社会をつくりたいです。障害者、健常者という区分をしないような社会になったら良いなと思います。

遠藤謙(えんどう・けん) ソニーコンピュータサイエンス研究所研究員、Xiborg代表取締役。2001年慶應義塾大学機械工学科卒業。03年同大学大学院にて修士課程修了。05年より、マサチューセッツ工科大学メディアラボ(MIT)バイオメカニクスグループにて博士課程の学生として下腿義足の開発・研究を行う。12年、MIT博士取得。現在、ソニーコンピュータサイエンス研究所研究員を務める一方、14年に競技用義足開発などを手掛けるXiborgを起業、代表としても活動する。12年、MITが出版する科学雑誌Technology Reviewが選ぶ35才以下のイノベータ35人(TR35)に選出された。
 
 
小川和也 (おがわ・かずや) アントレプレナー、デジタルマーケティングディレクター、著述家。グランドデザイン株式会社 代表取締役社長。慶応義塾大学法学部卒業後、大手損害保険会社勤務を経て、数々のITベンチャービジネスの立ち上げや、デジタルマーケティングディレクターとして、大手企業や行政、アーティスト等の先端的デジタルマーケティング事例を数多くつくり続けている。西武文理大学特命教授を務め、著書、講演、メ ディア出演多数。ビジネスだけではなく、デジタルと人間や社会の関係の考察と言論活動を行なっている。日本で初めて同タイトルの概念をテーマとした著書 『ソーシャルメディアマーケティング』(共著・ソフトバンク クリエイティブ)などを執筆。最新刊は、人間に大きな恩恵をもたらす一方で不思議な違和感をも生むデジタルの不気味さといかに向き合うべきかを説いた『デ ジタルは人間を奪うのか』
 
(講談社現代新書)




〜障害者と健常者の境界が消える日〜(1)

2015年06月29日 00時54分18秒 | 障害者の自立

「全ての人に、動く喜びを」を掲げて義足の開発に取り組む遠藤謙氏。彼はどんな未来を描いているのか。(→前編はこちら)

義足で世界記録を更新する

小川:遠藤さんの研究開発テーマとして、日常生活を円滑にするロボット義足に加え、競技に使用する義足がありますよね。元五輪陸上選手の為末大さんやプロダクトデザイナーの杉原行里さんとともに、陸上競技用義足の研究や開発を行う新会社「Xiborg」(サイボーグ)を立ち上げていますが、そちらではどのような取り組みをされているのですか。

遠藤:大きなビジョンとして、「全ての人に、動く喜びを」ということを掲げて活動しています。テクノロジーの力をバックグラウンドに、競技用義足もロボット義足も、Xiborgで提供したいと考えています。いまはソニーと連携していますが、今後は様々な企業と連携していきたいなと。

小川:「全ての人に、動く喜びを」というビジョンのもと、日常から競技まで、あらゆるシーンで動く喜びをサポートしたいということですね。

遠藤:モビリティの中で、面白いなと思うのが、自転車なんです。自転車はみんなが練習して乗れるようになって、どこに行くにも便利で身近な乗り物です。自転車を持っている人は多いですし、ちょっと移動するときにも自転車は便利です。補助輪をつければ子供でも乗れますし、もっと極めたい人にはロードバイクやマウンテンバイクのようにハイエンドなものもあって、オリンピック種目にもなっている。自分が求めるもの、自分の立ち位置から幅広く選べるんですよね。価格もまちまちで、自分にあったものを選べばいい。

それに対して義足は選択の幅が狭いんです。医療機器や福祉機器として歩けるようにするのがやっとで。そうではなく、日常生活にはロボット義足があって、走りたい人には競技用義足がある。発展途上国であれば、誰にでも手に入る安価なものもある。ちゃんと経済合理性も担保しながら、市場を整備していきたいと思うんです。

小川:確かに、自転車の用途の広さを義足に照らし合わせて考えてみると、ひとつのヒントになりますね。まずは日常生活を円滑に過ごすための義足の開発が急務でしょうが、競技用義足の方も、2020年東京オリンピックを意識して研究開発を進めていますよね。2020年には、パラリンピアンがオリンピアンよりよい記録をだせるようにすることが大きなゴールと考えているそうですが、それは実際可能なのでしょうか。

遠藤:たとえば、陸上の100メートル走に関していえば、結構チャレンジングで、なかなか難しいとは思います。

しかし、走り幅跳びであれば、リオのオリンピックでも間に合うのではないかと。さすがに世界記録を更新するというのはまだ難しいですが、ドイツのマルクス・レームという義足の選手が、健常者である選手を相手に、好記録でドイツ選手権1位になりました。その記録は8m24cmで、オリンピックを想定しても、トップクラスを狙えます。もしオリンピックに出られれば、好勝負できるでしょうね。

小川:そこでいつもつきまとうのが、そのようにテクノロジーの補助を受けている選手が、健常者と同じ試合に出てよいのかという議論ですよね。特にオリンピックでは、その判断がシビアになる。そのような選手がどんどん出てくると、その議論はより混沌としていくでしょうし、根本的な考え方やルールを早く整えなければいけなくなりそうですよね。

遠藤:マルクス・レームも、ドイツ選手権で1位をとったにもかかわらず、本来は進めるはずであったヨーロッパ選手権に進めませんでした。やっぱりパラリンピック選手だと。僕も2008年当初から、道具を使う選手と使わない選手では分けるべきではないかと考えてきました。かわいそう、かわいそうじゃないとかいう観点ではなく、違う種目だと思うんですね。

義足を使うのはずるいのではないかという研究者の論文や陸連に対し、それではかわいそうだという世論がありました。でも僕は個人的に、すっきりと競技として切り分けて良いのではないかと考えています。

小川:明確に切り分けて、それぞれの競技を楽しめば良いのではないかという発想ですね。2016年にはスイスでバイオニック・アスリートたちのオリンピックとして「サイバスロン」が開催されますよね。まさにそのような競技大会然りで。

遠藤:まさしく、テクノロジー寄りの競技会です。そういう競技の楽しみ方があっても良いと思うんです。

小川:それもひとつの考え方ですよね。義足に限らず、たとえば医療などでも、患者数が少なかったり、日が当たらずに放置されているような病というのはたくさんあると思うのですが、経済合理性という制約を乗り越えて、それらを解決していかなければならいと思うんです。遠藤さんが、安価で優れた義足を、必要とする世界中の人に行き届かせたいという思いは、とても共感します。

遠藤:その意味でも、もっと研究者が増えて欲しいなと思います。研究者というのも現金なところがあって(笑)、ヒューマノイドロボットのブームがあれば、国などもそこへ研究費を出し、研究者もわーっと集まります。いまだとまさにロボットで。だから僕らのような義足の分野では、まだまだ研究者が足りていない。国がどこに目を向けるかで、研究環境も変わりますから。

「エンジニア」を名乗る理由

小川:それが、政策、経済合理性ありきの壁というものですね。もっとも、プライオリティーという考え方はわからなくないのですが、そこで埋もれてしまう課題の解決については、僕も強い問題意識を持っています。

遠藤:僕も同じくです。一方で、市場の原理というのはやむを得ないところもあるとは思っていて、儲からないところにはなかなか資金は集まってこない。だからこそ、工夫次第だと思うんです。たとえば義足もマイノリティーで、市場規模もとても小さい。でも、義足のコア技術を使って他のリハビリにも活用できるようなストーリーをつくれれば、市場は拡張できると。

実際僕も、それは試みています。僕はなんとしても良い義足をつくりたいのですが、投資家には「義足なんて儲からないから」と言われてしまう。それに対して、義足の技術を使えば、これだけ色々なことにつながっていくのだということを示さなければならないと考えています。そこは研究者の意地であり、テクニックかなと。

それと、ものになる研究というのは少ないのですよね。研究費が与えられて、そこで求められるものが論文や特許の数だったりすることが多い。特に日本では。研究者が社会との接点を持って、社会に還元するような製品もなかなか出てこない。だからベンチャーが研究者を引っ張り込んで製品をつくったりすることも必要です。

(2)につづく