政府は16日午前の閣議で2015年版の障害者白書を決定した。20年の東京五輪・パラリンピック大会に関し、「共生社会の実現を目指すことは超高齢化社会を迎えるわが国において大変重要な課題」と強調。バリアフリー化を進め、障害の有無にかかわらず大会を楽しめる環境整備に全力を挙げる方針を打ち出した。
東京五輪に当たって政府は、大会組織委員会、東京都、障害者団体などとともに「アクセシビリティ協議会」を設立。競技施設や会場へのアクセスなどのバリアフリー化を進めている。白書では、これらの取り組み強化と同時に、大会スタッフやボランティアが障害者らに配慮する「心のバリアフリー」の重要性も指摘している。
一方、国の機関の障害者雇用の現状(14年)をまとめたところ、原子力規制委員会の障害者の実雇用率が1.58%にとどまり、障害者雇用促進法に基づく法定雇用率2.3%を下回った。厚生労働省は「(障害者雇用は)国が民間に率先して行うべき立場であり、法定雇用率を満たしているのが前提」として、採用計画を通じた指導を行う方針だ。
国の40機関の平均実雇用率は2.44%。トップは海上保安庁の4.38%で、観光庁(2.99%)、参院法制局(2.90%)が続いた。
(2015/06/16-09:56) 時事通信