ゴエモンのつぶやき

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犯罪繰り返す高齢者や障害者 再犯防止へ釈放後、即ケア 兵庫県

2018年05月07日 14時04分33秒 | 障害者の自立

 障害や病気のため犯罪を繰り返す「累犯障害者」や高齢者の立ち直りを支援するため、兵庫県は刑事事件で起訴猶予処分や執行猶予判決を受けた人を釈放後すぐに福祉サービスにつなぐ新たな取り組みを秋にも始める。勾留中から相談員が面談をして必要な支援や受け入れ先施設を探してあっせんする。自治体が逮捕時や裁判段階での「入り口支援」に乗り出すケースは全国的にも少なく、法務省も「画期的な取り組み」と注目する。(前川茂之)

 新たな取り組みでは、認知症の傾向のある高齢者や知的障害者が万引などで逮捕された場合、検察や弁護士、警察などから情報提供を受け、県が委託した社会福祉法人の相談員が留置施設などを訪問する。容疑者と面談し、各市町の担当者と調整しながら適切な支援や受け入れ先施設のあっせんをする。

 従来の支援の網からは漏れがちだった執行猶予判決を受けた人も対象とし、保護観察所などとも連携して福祉分野との橋渡し役を担う。取り組みは10月ごろに開始する予定で、年間100人程度の支援を目指す。

 法務省の統計によると、2015年に刑務所を出所した人のうち、2年以内に罪を犯して再び刑務所に入った人の割合(再入率)は18・0%。65歳以上に限ってみると23・2%(前年比2・8ポイント増)で、認知症の傾向がみられる受刑者も少なくない。

 知的障害者(疑いを含む)は受刑者のうち62%が再入所しているというデータもあり、罪を犯した高齢者や障害者への再犯対策は急務となっている。

 「入り口支援」は、これまで刑事処分を判断する検察庁が中心となり、住宅の確保や就労支援などを実施してきたが、県は「福祉現場を知る自治体が一緒に取り組む方がよりスムーズで、長期的な支援につなげられる」と判断。法務省と調整を重ね、本格的に取り組むことを決めた。

 自治体による入り口支援は、知的障害者の再犯防止に長年取り組んできた長崎県など一部に限られているのが実情といい、同省は「再犯対策は国の重要課題。今後、効果を検証し、得られたノウハウなどを全国に広めていきたい」としている。

神戸新聞NEXT      2018/5/6


再起の一歩は高崎で 福島から避難した障害者施設元職員

2018年05月07日 13時39分43秒 | 障害者の自立

 二〇一一年三月の東京電力福島第一原発事故で、一昨年春まで五年間、福島県富岡町から高崎市内へ避難していた知的障害者支援施設「光洋愛成園」。施設の帰還準備の中でくも膜下出血で倒れ、市内に残った元職員の女性が、群馬県内で再起への道を歩き始めた。リハビリを続けながら福祉関係の就職を模索する。「将来は児童の放課後デイサービスなど、お母さんたちを助ける事業に取り組みたい」と笑顔で新しい一歩を踏み出す。 (石井宏昌)

 原発事故前は福島県楢葉町に住み、光洋愛成園の生活支援員をしていた松永ゆみさん(55)=高崎市上豊岡町。同県三春町などを経て一一年四月十五日、施設を運営する社会福祉法人「友愛会」の同僚や利用者六十余人と、高崎市内の国立重度知的障害者総合施設「のぞみの園」に避難してきた。

 職員不足などに悩みながら利用者と暮らす日々。富岡町で取り組んでいた利用者の「桜染め」再開に携わり、世界遺産の富岡製糸場敷地の桜の葉を使って絹を桜色に染め、スカーフなどの製品を製糸場売店で販売もした。

 勤務の傍ら、週一回は福島県いわき市で避難生活を送る両親のもとへ。高齢の両親の様子を見て買い物を済ませると、車に乗せて各地の仮設住宅に。交通手段がなく、家にこもりがちな両親を各地に散らばる友人らに会わせるためだった。

 松永さんは「この生活がいつまで続くのだろう、と思っていた。やはりストレスがたまっていたんだと思う。気持ちに余裕がなかった」。避難が五年近くになり、施設の帰還準備が始まる中、松永さんの体に異変が起きた。一六年一月六日、夜勤明けに栃木県に住む長男の家族と会い、高速道サービスエリアで別れて車を出そうとしたところ、頭を「ぎゅっ」と押さえられるような違和感を感じた。少しの間、様子を見たが、吐き気などはなく、車を運転して帰宅。翌日からいつものように勤務した。

 六日後の十二日、休日で自宅にいると突然、立っていられないほどの頭痛が。近くの病院でくも膜下出血と診断され、救急車で高崎総合医療センターへ搬送された。松永さんは「この病気で亡くなった親類がいるので、病名を告げられ、人生が終わった、もう死ぬのを待つだけと…」。脳動脈瘤(りゅう)も見つかったが、幸い手術は成功し、松山市に住む長女の付き添いでリハビリに励み、二月中旬には退院にこぎ着けた。

 施設は同年四月下旬に帰還したが、松永さんは「体力が落ちて勤められない」と四月末で退職した。長男の住む栃木県への転居も考えたが、群馬に残る決断をした。「最初は見知らぬ土地だったが、今は友人や知人、いろいろな交流がある。こちらに根付いている部分もある。原発事故で何もかも失ってしまったけれど、高崎ではやさしい言葉を掛けてくれる人もいて救われた。ここで頑張ってみたい」と話す。

 退院後「リハビリの一つ」と、Tシャツの端材を使う編み物の手工芸も始めた。見事な腕前に、福島県からの避難者交流グループのメンバーに請われ、交流会などで参加者に教えている。「教えるほどの技術はないけど、今までいろいろな人にお世話になってきたので、恩返しになればと。今の自分にできることは何だろうと考え、参加させてもらっている」と松永さん。

 今年に入って医師に許可され、仕事探しを本格化した。「やりたいことはたくさんあるんです。子ども食堂などもやってみたい。経済的なことや体調など、難しい問題はたくさんあるけど、自分の体と相談しながら、あせらずに取り組みたい」とほほ笑んだ。

被災者の交流会で、参加者に手芸を教える松永さん


報酬単価見直し 同行援護 盲ろう者、新たな加算 4月からの障害福祉サービス

2018年05月07日 13時28分00秒 | 障害者の自立

 3年に一度見直しとなる、障害福祉サービスの新しい報酬単価が4月から使われている。地域で暮らすための支援やサービスの質の向上に対する取り組みなどを手厚く評価する報酬となっている。1単位は10円で計算する。

 同行援護はこれまで、身体介護を伴う場合と伴わない場合で報酬が分かれていた。所要時間30分未満は、身体介護「あり」が256単位、「なし」が105単位だった。4月からは一本化されて184単位となった。30分以上1時間未満は291単位、1時間以上1時間半未満は420単位など、時間が長くなるほど単位数の伸びが鈍くなる課題が残る。また、盲ろう者への支援で新たに加算の仕組みができた。

2018年5月6日        毎日新聞


予算消化へ不妊手術推進 旧厚生省が57年、自治体に要請

2018年05月07日 12時02分50秒 | 障害者の自立

 旧優生保護法(一九四八~九六年)下で障害者らに不妊手術が繰り返された問題で、旧厚生省が五七年、予算上の目標に届いていないとして、各都道府県に手術の実施件数を増やすよう求める通知を出していたことが分かった。独自に目標件数を掲げるなどしていた道府県もあり、国や自治体を挙げて不妊手術を推し進めていた姿勢が改めて浮き彫りになった。

 通知は五七年四月、厚生省公衆衛生局精神衛生課長が各都道府県の担当者に宛てたもの。優生手術の実施件数は年々増加していると前置きしつつも「予算上の件数を下回っている」と懸念を示している。

 その上で、遺伝性の精神疾患などを対象とした旧法四条に基づく五六年の都道府県別の手術件数を一覧表で示し、「比較してみると、極めて不均衡だ」と都道府県の間で差があることを指摘。「関係者に対する啓蒙(けいもう)活動と貴職の御努力により相当程度成績を向上せしめ得られるものと存ずる」などと積極的な手術を求めていた。

 一覧表では、最多が北海道の三百十二件。岡山百二十七件、大分百十一件と続いた。最少は千葉、秋田など八県のゼロ件だった。千葉を除く関東では、栃木四十三件、東京四十件、埼玉三十件、神奈川七件、群馬、茨城一件。

 北海道は強制手術の件数が全国最多とされ、九六年度まで事業方針に手術目標や予定人数を掲げ続けたことが判明している。

 一方、厚生省の通知に先立ち、積極的な手術を促していた自治体も。京都府は五五年一月、各病院長に宛てた文書で、手術の適否を判断する優生保護審査会への申請が極めて少なく「精神障害者は年々増加傾向にあり、憂慮に耐えない」と指摘。「不良な子孫の出生を防止し、社会福祉に貢献していただきたい」と求めた。申請は医師に委ねられていた。大阪府や兵庫県では相当数の手術が行われているとも付け加えていた。

 さらに、七七年六月の三重県優生保護審査会の議事録では、病院側の対応を念頭に、優生手術の申請が少ないことを問題視したとみられる発言もあった。委員の一人が「指導の方法にあるのではないか。東北では申請が多く出る」と述べていた。

◆低い実績に圧力か

<立命館大大学院の松原洋子教授(生命倫理)の話> 統計では一九五〇年代半ばに優生手術の件数が伸びており、旧厚生省の通知が出た五七年には国の予算も増加していたとみられる。予算を消化するため、都道府県別のデータを示し、実績の低い自治体にプレッシャーをかける狙いがあったのではないか。積極的な手術を指導した国に一義的な責任がある一方、独自の取り組みで手術を推進した自治体の責任も大きい。現在、各都道府県に相談窓口が設けられているが、被害実態を解明するとともに、今後の支援に向け、長年苦しみを抱えてきた当事者が声を上げやすい環境を整えるべきだ。

<旧優生保護法> 1948年施行で、ナチス・ドイツの「断種法」の考えを取り入れた国民優生法が前身。知的障害や精神疾患、遺伝性疾患などを理由に本人同意がない場合でも不妊手術を認めた。聴覚障害者らも対象に含まれていた。49年や53年の旧厚生省通知は身体拘束や麻酔使用、だました上での手術も容認。障害者らへの不妊手術は約2万5000人に実施され、うち約1万6500人は同意がなかったとみられる。4条に基づく不妊手術については、費用を国の負担としていた。96年に障害者差別や強制不妊手術に関する条文を削除、「母体保護法」に改められた。同様の法律により不妊手術が行われたスウェーデンやドイツでは国が被害者に正式に謝罪、補償した。

2018年5月6日   東京新聞


「断らない賃貸」広がらず 高齢者支援策、家主にリスク

2018年05月07日 11時53分50秒 | 障害者の自立

 所得の少ない人やお年寄りらの賃貸入居を「断らない住宅」を増やそうと、国土交通省が始めた制度に登録された住居の数が、目標の0・4%にとどまっている。2020年度に17万5千戸の目標だが、現在は622戸。スタートから半年だが、自治体が支援に及び腰で、家主が登録に二の足を踏んでいるのが要因だ。

 制度は2017年10月に施行された「新たな住宅セーフティーネット法」に基づいて新設された。低所得者や高齢者、障害者など「住宅確保要配慮者」の入居を家主が断らない住宅を自治体に登録してもらう。家主は家賃滞納などを警戒し、高齢者や障害者らの入居に拒否感を抱きがちだ。実際に入居を断るケースもあり、こうした現状を打破しようとのねらいがある。

 家主は、空き家の場合の改修工事に最大計200万円、家賃補助に月最大計4万円の支援を国、自治体から受けられる。法律上の義務はないが、国交省は予算を確保。実際に事業を行うかどうかは自治体に任せる。2月に閣議決定した「高齢社会対策大綱」では、20年度に17万5千戸の登録目標を掲げた。政府は、この制度を空き家の活用策と位置づけ、将来的に面積、築年数などの条件を満たした約50万戸を住宅確保要配慮者向けの住宅にする構想だ。

 しかし、現時点での達成率は0・4%。都道府県別では、多い順に大阪237件、山梨88件、岡山54件だが、東京や愛知のように0件の自治体もある。背景には、財政難などを理由に家主への支援策が低調なことがある。国交省が昨年度、事業を実施する意向のある自治体を募ったところ、数十自治体にとどまった。18年度の当初予算段階でも同様の規模で低迷しているとみられる。賃貸住宅の業界団体の担当者は「制度にはうまみがない」と話す。

 ログイン前の続き家主に登録手数料を求める自治体が多いことも、伸び悩みの一因とされる。国交省の調べでは、4月2日現在、登録窓口となる都道府県、政令指定市、中核市の121自治体のうち4割近い45自治体が手数料を取る。マンション50戸を登録する場合、1回1万5千円前後が相場だ。最も高い2万6千円の兵庫県姫路市の担当者は「現場に行って確認する。そのための人件費などを勘案した」と話す。

 NPO法人空家・空地管理センターの上田真一代表理事は「家主にとってはメリットより、家賃が支払われないなどのリスクの方が高い。普通の賃貸住宅にした方がいい」と指摘する。国交省は今後、自治体に支援策の予算化を呼びかけ、登録手続きの簡素化も検討する。(山本恭介、高橋健次郎)

 〈新たな住宅セーフティーネット法〉 断らない範囲は「高齢者」「障害者」などと家主が事前に指定できる。登録要件は、広さ原則25平方メートル以上、台所や浴室完備など。全国の情報は専用サイトで閲覧可能。違反すれば登録の取り消しにつながる。法律には住民の見守りもする「居住支援法人」などソフト面の仕組みも整備されており、登録制度とあわせ両輪の働きが期待されている。

2018年5月6日   朝日新聞