title : June bride of Itako2
yyyy/mm : 2006/06
notes : 潮来の花嫁2。
*now streaming : Artist=AUBERT|Track=Concert de simphonies for violins flutes*
http://65.19.173.132:4086
2006-0609-yms055
人かずに入らない身であるけれど
せめて心は高くありたい 悠山人
○紫式部集、詠む。
○略注=なかなか上級貴族の仲間とは見做されない。いつしか心の中は、そのことで占められそう。そういう身にならないように、と詞書。その中の、「…嘆くことの、やうやうなのめに、…」の「なのめに」で、思考が止まった。平王クで、この解釈の分かれを紹介している。現代かと思える心象風景の一首である。
¶なのめに=「日常化すること」「程度の甚だしいこと」の二説が
ある(平王ク)。旺文版古語辞典には、「なのめ(斜め)」の見出
し語のもと、「①ありふれたさま。平凡なさま。②いいかげんなさ
ま、不十分なさま。心をこめないさま。」とある。
□紫055:かずならぬ こころにみをば まかせねど
みにしたがふは こころなりけり
□悠055:ひとかずに はいらないみで あるけれど
せめてこころは たかくありたい
*now streaming : Artist=HANDEL|Track=English Concert, Pinnock - Op. 6 Concerto No 5*
http://65.19.173.132:4086
2006-0606-yts163
平らけき下総行けば梅雨前に
早や美しき扶桑花の見ゆ 悠山人
○短歌写真、詠む。
○通称は英語訛りのハイビスカス。中国では扶桑花。朱槿.。日本で訛って仏桑花(華)。
□たひらけき しもふさゆけば つゆまへに
はやうるはしき ふさうくゎのみゆ
*now streaming : Artist=The Burney Ensemble|Track=BACH - Sonata in G*
http://65.19.173.132:4086
2006-0605-yms052
時が来て一重に残る山吹は
薄黄に見えてとても薄くは 悠山人
○紫式部集、詠む。
○略注=ある高位の方に八重山吹を差し上げたところ、名残の一重山吹をいただいた。花は季節のものですから、たとえ残った一輪でも、愛でるもの。薄黄色だなとと、とんでもございませんわ。あなた様のお心の濃さをうれしく感じています。山吹の花と歌の、贈答の相手はだれか、意図は何か? 真っ先にわく疑問である。これについては、平王クの詳論を参照されたし。なお前歌との間に、写本者の書き込みがあって、欠歌の存在が推定されている。
¶をりから(折柄)=ちょうどそのとき。just at the time。現代語
に同じ。
¶ひとへに=「一重に(一重咲きを)」「偏に(一所懸命に)」と懸
ける。
¶うすき=「薄黄(色の花)」「薄き(心)」の掛詞。
□紫052:をりからを ひとへにめづる はなのいろは
うすきをみつつ うすきともみず
□悠052:ときがきて ひとえにのこる やまぶきは
うすきにみえて とてもうすくは
*now streaming : Artist=MYSLIVECEK|Track=Prag Chamber Orchestra-Symphony in C Major, F26*
http://65.19.173.132:4086