団栗の向こうに鰯雲

散歩で寄った公園には
モクセイの匂いが 立ち籠め
空には いわし雲が 連なる

この前拾ったどんぐりを
辺り一面に落とした団栗の木は
枝葉はまだ青々と 秋空に広がる

木のベンチの上には
葉っぱをチラホラと残した
サクラの木の枝が
空に向かって広がっている

目の前には
桜の枝や葉っぱの影が
柔らかな秋の陽に
ユラユラと揺れている

あっ あんな所に
匂いの元の木犀の樹が
団栗の樹の間で
黄色い山盛りの花を
静かに咲かせている

ベンチで
コーヒーを飲みながら
樹々や空を眺めている間に
沢山いた鰯雲たちも
いつの間にか散らばって
取り残された雲たちが
うっすらとして流れてゆく

ps2017.10.24 火曜 草稿
仕事を辞めて 半年も過ぎ 今日も休み
私は今朝も散歩に出る
毎日のように訪れるこの公園を
台風一過の後訪れると 辺りは
もうすっかりと秋模様になっていた