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馬子唄しぐれ -浪曲定席木馬亭二月-

2022-02-03 22:57:46 | 落語・浪曲・講談・演劇・芸能
今年最初の浪曲は節分の日の浅草・木馬亭から…(例年なら中入りの時に「豆まき」をするのですが、このご時世ですから今年は袋入りの豆を縁起物でいただきました。)

  

開口一番は東家三可子さんで「馬子唄しぐれ」、せつない馬子とその娘、お侍とのやり取りが馬子唄とともに話が進みます。

なんとも素朴ないい話で、それを流れるような筋立てで盛り立て、ぐいぐいと引き込まれてゆきました。節と語りのバランスが良いのでしょうか、心地よさを感じる演目でした。

つづいては国本はる乃さんで「将軍の母」(2016-4-1ブログにも掲載)、浪曲を聴き始めたころからもう数年見ていますが、今一番のりにのっている浪曲師さんだと思います。

威勢の良さだけでなく、途中途中に話の流れを壊さないようにくすぐりを入れたり、メリハリと抑揚が効いたドラマティックな節廻しが全編にわたって歌劇のようにあり、これが話の筋立てをも大いに盛り上げる演目になっています。

お伝の方とお世継ぎの騒動に目をそらさずに、耳をそばだてて演目を聴きこみました。

そして東家孝太郎さんで「長兵衛鈴ヶ森」、幡随院長兵衛の話でわかりやすい展開と気風の良さ、人物の描き分けで、話のテンポもよく、これもまた浪曲ならではの心地よさを感じるものに…。

「君が代ができるまで」「徳川家康 人質から」「(講談)鬼面山谷五郎」「巡礼お鶴 阿波の鳴門」トリは東家三楽師匠で「継母の誠」で終演

今回の定席口演は前半が浪曲界で若手の面々がテンポのよい話の筋立てで亭内をぐいぐいと引き込み、こちらも心地よさを体現しながら浪曲を堪能した回となりました。

浪曲というと“湿りがちなイメージ”がありますが、はる乃さんのように“歌劇”のような聴いていて楽しい演目もあり、まだまだ奥深さを実感することとなりました。

今年は日本浪曲協会80周年ということで、このあともいろいろと催しがおこなわれるようです。まだまだ注目の「浪曲」に目が離せません。


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