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観・環・感

野鳥観察や旅行、映画などの趣味と日常生活や世の中の状況について、
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なぜ、今愛国心

2006年12月12日 | 日記
毎日新聞鳥取支局の松本杏氏が書いた今日の「記者の目」は、”なぜ今、愛国心”だ。
そもそも、「愛国心」は、60数年前に戦争遂行という国策に利用され、反対を唱えると「非国民」というレッテルが貼られた。非国民というレッテルだけでなく、徹底的な弾圧も加わり、反対するどころか、戦争を止めることすら進言する者もいなくなった。その結果は、罪もない人の多数の死と都市の壊滅的な破壊だった。
この教訓は、もう忘れ去られたのだろうか。
記事にも書かれているように、給食費すら払えない家庭が急増している。また、昔でいう「口入れ屋」だけが儲かり、正社員になれない若者は、いつまでたっても「ワーキングプア」のままだ。一方、正社員も派遣や請負という新しい雇用制度でが出来たため、給料が増えるどころか、労働条件が厳しくなるばかりで過重労働を強いられ疲弊している。
さらにホワイトカラーは、労基法上の時間規制適用除外とし、サービス残業を正当化しようとしている。ところが、勝ち組と呼ばれる一部の富者の国民所得に占める割合は、増える一方である。また、一般サラリーマンの収入は減少しているのに、企業は儲かっている。しかも、法人税の軽減と消費税の増税をしようとしている。
記者は、このように更に広がる格差を推し進める国が「愛国心」を持ち出すことで、国民をはぐらかそうとしているのでないかと指摘している。
愛国心が大切なことは、言うまでもない。しかし、それはことさら強調されたり、強制されるものでなく、自然と湧き上がってくるのが本来である。