観・環・感

野鳥観察や旅行、映画などの趣味と日常生活や世の中の状況について、
感じる事を書いています。

橋は大丈夫か

2008年06月10日 | 日記
昨夜「橋は大丈夫か~しのびよる劣化~」というNHKの番組を見た。きっかけは、勉強会仲間のメールリンクへの紹介記事を事前に読んでいたので。
番組の冒頭は、徳島県阿波市と香川県東かがわ市との県境に架かっていた小さな橋の落下事故だった。
徳島県が取り上げられているということで興味を持ったのだが、「車で渡っていたら橋が突然落ちる、去年アメリカで起きたような橋の崩落事故が日本でも起きる危険性が高まっている。」ということで、次から次へと全国各地の橋の劣化の深刻な状況が映しだされた。
道路の補修にかかる本年度の予算は、現状維持かダウンという県がほとんどである。しかし、戦後、今日に至るまで必要な道路以外にも随分多くの道路を造ってきている。
番組は、主に橋の鉄骨部分の劣化を取り上げていたが、一昔前に話題となった海砂利を使ったコンクリート橋のアルカリ骨材反応によるコンクリートの劣化の問題はその後解決されているのかも気になるところ。
橋は一瞬で落下するので、その時そこを渡るかどうか、運不運の問題だけで、私たちが、気をつけて運転していても避けることのできないことなのだ。
だから、橋の担当者の点検・調査は大切なのだ。そんな中で、山形県道路課の橋梁担当の一職員が新規道路の建設より今ある道路の安全が大切だと訴え続けていたのが救われた気分になった。
技術者であれば、誰もが新規道路の建設に目がいき、県会議員や地元の有力者にも受けがいい。そして、何より問題なのは、道路(橋も含む)の維持補修に国の補助金は出ないが、新規道路建設の場合だと5割が補助で、残りは起債でまかなうので自治体の借金となるが、そのうちの半分は国の交付金でまかなわれるという仕組みになってということ。
だから、東国原宮崎県知事をはじめ全国地方自治体の首長は、国土交通省のために道路特定財源維持のために頑張っているのだろう。
しかし、人口はどんなことがあっても今後数十年は絶対に増えることはない(通行車両の増による道路需要の増加はない)ことは、確実なのである。
地方自治体は、新規道路建設より、今ある道路を安全に通行出来るように、余裕があれば改良し、快適に通行できるようにしてもらいたい。そのためには、国は維持補修も半額補助の対象に(主要道路だけでもいい)また、改良工事の補助は手厚く補助してもらいたいものだ。
首都圏の橋梁の補修工事は、談合どころか橋梁メーカーは儲からないを通り越し、赤字になるので、入札辞退が続出しているらしい。
しかし問題点は、橋の劣化は決して最初から避けられない問題ではなく、発注側の技術的設計ミスや施工業者の手抜き工事を見過ごしていたためだいうことらしい。そのつけを払う形で住民の命が犠牲になるという事態は絶対に避けて欲しい。この番組を全国自治体の首長は見てくれたのだろうか。