観・環・感

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感じる事を書いています。

暑い夏に思う。

2015年08月04日 | 日記
猛暑が続いている。汗かきの私はバードウォッチングの頻度が極端に下がった。
7月31日、 内部告発サイト『WikiLeaks』は、アメリカの「NSA」が、日本政府や三菱商事などの大手企業に対し盗聴を
行っていたと公表。得られた情報はUKUSA協定を結んだ5カ国で共有されているらしい。UKUSA協定は、加盟各国の諜報機関が
傍受した盗聴内容や盗聴設備などを共有・相互利用するための協定である。ちなみに、「UKUSA」は「United Kingdom -
United States of America」の頭文字。ということは、アメリカ以外の4国は、イギリス、カナダ、オーストラリア、
ニュージーランド。
日本が仮想敵国としている北朝鮮や中国が日本をスパイしている行為は許せないが、敵国としては当たり前となる。しかし、
同盟国であるアメリカがそこまでするの。
そんなアメリカにさらにTPPという軍門に降る必要あるの。
衣食住という言葉があるが、一番大事なものは食である。今、地球温暖化の影響で世界中で水不足が続いている。また、アメリカ、
中国、インドの3国で世界の穀物の半分を生産しているが、これらの国は、いずれも地下水の大量汲み上げにより大干ばつに
陥っている。
これらの国の農産物の価格も上昇しており、さらに輸出に回せる数量が限られてきた場合はどうするのか。
政府、与党、経済界のミスリードで日本の農業を壊滅させてしまうと、もう一度耕作を再開させることは物理的にもなかなか
厳しい。日本の軍事上の安全保障は、悪い方向に向け、性急に全力を注いでいるが、最優先されるべき食の安全保障はどうなるのか。
世界の農業の実情を精査せず、「食料は、何時でも、必要な分を、しかも安く、輸入する事ができる。」とか「日本の農業は、
補助金で成り立っている。」という誤った認識を国民に浸透させている与党、政府、経済界は卑怯である。さらに世界の農業の実態
と今後の展望を見極めず、政府の発言の後押しをしているメディアも問題だ。
さらに、農林水産省が発表している日本の食糧自給率の数値も問題である。例えば、神戸牛とか飛騨牛は国内産牛肉として販売され
ているが、農水省は「アメリカ産牛肉」として自給率を0%にしている。理由は、牛が食べている餌がアメリカ産だからアメリカ産
牛肉だそうだ。この理由に
よって国産の牛、豚、ニワトリなど日本生まれの外国産が大量生産されている。(この餌もアメリカ農家の地下水の過剰汲み上げの
せいで干ばつに
なり、穀物の収穫量が減っている。古来、文明の発達した地域が荒廃、砂漠化したのは過剰な森林伐採と過剰な灌漑が原因だといわれている。)
そもそも、大量生産できる工業製品と比べると、単純に言うと太陽と土と水で成り立っている植物である農産品の生産性が低いのは
当たり前である。
ところで、「アメリカの農業予算は、年間10兆円以上に対、し農業生産額は17兆円。一方、日本の農業予算は、3兆円、農業生産額
は7兆円。アメリカの人口は日本約3倍弱なので、1人当たりの農業生産額はあまり変わらないことになる。」という資料を読んだ。
日本が農業のお手本としてるEUでも工業製品で儲けた金を農業に対する莫大補助金に回しているのである。
鈴木宣弘東大教授は、「実は、日本に開放を求めている諸外国のほうが、農家への保障は手厚い。例えばアメリカやカナダ、EU諸国
などでは、農産物や乳製品の価格が下落すると、政府がそれを買い上げて価格を維持する制度があります。日本にはこうした制度は
ありません。加えて、これらの国々が力を入れているのが補助金を使った農家への所得補償です。ヨーロッパでは農業所得全体の
95%が補助金で支えられており、アメリカはコメ、トウモロコシ、小麦の農家だけで多い年は約1兆円も補償しています。これに
対して日本の補償は農業所得の2割を切る程度です」と言っている。
政府によって作られた食糧自給率の低さや日本の農業は補助金で成り立っているという嘘を鵜呑みにしてTPPで農家が駄目になり、食料
までアメリカのさじ加減次第という状況は避けたい。
日本の農業の重要性や水田の存在意義もよく分かる。また、工業化されていると言えば体は良いが、異常な量の地下水を汲み上げ、
広大な農地一面にスプリンクラーで水をまき散らすという、持続可能という事を全く無視した農業より日本のやり方がずっとましな事も
よく分かる。
しかし、TPPの次に問題なのは後継者の問題だ。若い人が農業に積極的に携わることができる(同一時間働くと同じく同一時間勤務の
サラリーマンと同等かそれ以上の収入が得られる)仕組みはできないものだろうか。今の一般農家の収入が少ない上に長時間労働では
農業をやりたがらないのも無理はない。今が暑いだけに特にそう思う。
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