尾 藤 三 柳
前句附けとは、「前句」に「附句」を継ぐという意味で、連歌や俳諧の一部、短句と長句のワンセットだけを取り出したからです。
すなわち、短歌の下の句に当たる77の短句(前句)を題として、上の句に当たる575の長句(附付)を案出、ウィットを競い合う文芸で、もともとは連歌の修練、俳諧の階梯としておこなわれていた形式が、独立したものです。たとえば、
『前句』 切りたくもあり 切りたくもなし
『附付』 盗人を捕らえてみれば我が子なり 「大筑波集」
などは、古くから人口に膾炙しています。
なお、冒頭に掲げた「日本橋」ももちろん前句附で、
『前句』 にぎやかなこと にぎやかなこと
『附付』 降る雪の白きを見せぬ日本橋
として成立した勝句です。
前句附けとは、「前句」に「附句」を継ぐという意味で、連歌や俳諧の一部、短句と長句のワンセットだけを取り出したからです。
すなわち、短歌の下の句に当たる77の短句(前句)を題として、上の句に当たる575の長句(附付)を案出、ウィットを競い合う文芸で、もともとは連歌の修練、俳諧の階梯としておこなわれていた形式が、独立したものです。たとえば、
『前句』 切りたくもあり 切りたくもなし
『附付』 盗人を捕らえてみれば我が子なり 「大筑波集」
などは、古くから人口に膾炙しています。
なお、冒頭に掲げた「日本橋」ももちろん前句附で、
『前句』 にぎやかなこと にぎやかなこと
『附付』 降る雪の白きを見せぬ日本橋
として成立した勝句です。