遠藤六郎一周忌追悼公演 平成27年5月24日 矢来能楽堂
- 番組 -
● 舞台挨拶 遠藤喜久
●仕舞 ・清経 永島忠侈
・藤戸 観世喜正
・卒塔婆小町 観世喜之
●舞囃子
・江口 遠藤和久
大鼓:柿原崇志 小鼓:幸清次郎 笛:一噌庸二
地謡:長山耕三 桑田貴志 中森貫太 五木田三郎 小島英明
●狂言
・宗論 シテ:野村万作 アド:石田幸雄 小アド:中村修一
後見:内藤連
●能
『 砧 』 シテ:遠藤 喜久 ツレ:佐久間二郎 ワキ:森常好 ワキツレ:森常太郎
間:野村萬斎 後見:観世喜之 遠藤和久 永島忠侈
大鼓:柿原崇志 小鼓:幸清次郎 笛:一噌庸二 太鼓:三島元太郎
地謡:観世喜正 奥川恒治 鈴木啓吾 永島充 坂真太郎 中森貫太 駒瀬直也 中所宜夫
追悼公演ということで演目は仏さまにつながりのある曲目にしたとのこと。
「砧」。訴訟の解決を求めて、夫は都へ旅立ち早3年。一日千秋の想いで夫の帰りを待ちわびる女。そこへ侍女として連れていった女が帰ってきて’今年の暮れには帰ることができそうだ’と告げられる。ホッとする女。侍女と砧を打ち、安らぎつつも待ちわびる女。ところが暮になり、夫からはまたも’今年は帰れそうにない’と便りがあった。悲嘆した女はついに気を病んで亡くなってしまう。時過ぎやっと帰国した夫が見た物は、打つ人とてない捨て置かれた砧。夫はそれを前にし弔っていると、成仏できないでいた女が亡霊となって現れ、待つことの哀しさ・辛さを綿々と訴える。しかし夫の祈りの功徳により成仏でき、姿を消すのだった。
面を付けているのは、シテとツレだけだったけれど、ずっとこの面を見ていたように思う。この面に役者の身丈があっていて、まるで生きているようなそんな感じだった。どこがということを記すほど覚えていないけど、曲を通しその節目節目でのシテとツレの面が微妙に変化してるようで、たんなる錯覚なのかもしれないが、細やかな喜怒哀楽のような面影が面白かったように思う。