昨年の3月11日午後2時46分に、日本は宮城県沖を震源とするM9.0の地震に見舞われた。メディアの発達したこんにち、その実情は何の飾りもなく実にリアルに、被害を被った人にもまたそうでない人にも伝わって今に至っている。そして震源を源として本当に沢山の悲しい出来事が生じ、多くの人達が苦しみの試練に立たされ、今も多くの人達の痛みは消えないでいる。その一方で日本人の持つ称賛されるべき資質もまた知ることができた。日本は地震大国だ。恐るべきはこれが最後の出来事ではなく、近い将来他の地域でも起こりうることが学者によって指摘されていることだ。SF長編小説「日本沈没」の初版は1973年3月だ。あの頃から防災の意識が始まっていると思うけれど、あの本には原子力発電所毀損による被害についてははあまり触れていない。事実には何か必ず想定外の異常な事件が伴うのだろう。備えは結局のところ個人そして家族単位ということではないのだろうか。
新聞に記載された事実を留めておきたい。
・東日本大震災 ・平成23年3月11日午後2時46分 ・震源地:三陸沖 ・規模:マグニチュード9.0 ・最大震度:7 宮城県栗原市 稚内震度3 南九州震度1 ・津波:最大波高 約38メートル ・死者:1万5854人(宮城県は9512人) 行方不明者:3155人(宮城県は1688人) ・負傷者:2万6992人 ・最大避難者数:約47万人 ・全壊戸数:12万9107戸 ・半壊戸数:25万4139戸 ・一部損壊戸数:69万1728戸 ・避難生活者:こんにちでも34万人以上 ・震度4以上の地震発生件数(3月~2月の1年間)327回 震度1以上の有感地震は1万回以上 ・寄付を受けた外国政府:アフガニスタン等93ヵ国総額175億円以上 その他被災地支援活動や救援隊派遣
*平成天皇のお言葉
1年前のこんにち、思いも掛けない巨大地震と津波に襲われ、ほぼ2万に及ぶ死者、行方不明者が生じました。(国内関係各位への謝辞そして)世界各地の人々から大震災に当たって示された厚情に深く感謝しています。 被災地の今後の復興の道のりには多くの困難があることと予想されます。国民皆が被災者に心を寄せ、被災地の状況が改善されていくようたゆみなく努力を続けていくよう期待しています。そしてこの大震災の記憶を忘れることなく、子孫に伝え、防災に対する心掛けを育み、安全な国土を目指して進んでいくことが大切と思います。 今後、人々が安心して生活できる国土が築かれていくことを一同と共に願い、御霊(みたま)への追悼の言葉といたします。