つれづれ写真ノート

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キヤノンEOS 6D特集

2012年11月21日 | カメラ

カメラ雑誌の12月号はいずれもキヤノンEOS 6Dを取り上げています。6Dの実機が出るのが遅くて、先月号に間に合わなかったのをカバーした感じです。

パラパラと立ち読みした中では、「デジタルカメラ」12月号(写真、フリー画像)が比較的詳しく特集しているように思ったので、買ってみましたが… (微妙な言い方ですみません)

デジタルカメラマガジン 2012年12月号

「絶対に失敗しない EOS 6D 完全読本。」と題して、写真家の萩原史郎、高橋ヒデキ、高橋良輔各氏の実写レポートと対談を載せています。

チェックされていたのは解像力、連写性能など計15項目。すでに知っていることも含まれているので、個人的に興味を持った項目だけ引用させてもらいます。

 

解像力

『EOS 5D MarkⅡ、EOS 5D MarkⅢとまったく同程度。解像力が欲しい写真ジャンルで十分に通用する画質(萩原史郎氏)』。

画質自体は良さそうですね。萩原史郎氏は『(5D MarkⅢとの)差はあっても微量で、それはA0というような大伸ばしで、ようやく見分けがつくレベル』と書いています。まあ、画素数にあんまり神経質にならなくてもいいのかもしれません。 

ピクチャースタイル

『(EOSデジタルの)従来どおりの色傾向。より鮮やかな絵作りのための設定を考えたり、シャドウの効いたモノクロをスタンバイさせておくなど、楽しみ方は多岐にわたる。(萩原史郎氏)』

別に新機能でもなんでもありませんが、「シャドウの効いたモノクロをスタンバイさせておく」なんて、面白いヒント。

オートライティングオプティマイザ

 『(適切に明るさや色を補正してくれる機能だが)風景撮影においてはやや物足りない。(萩原史郎氏)』

ボディサイズ

 『軽量コンパクトを突き詰めながらも、小指までしっかり指がかかり持ちやすい。(萩原史郎氏)』

連写性能

 もっとも気になった項目です。モデル撮影でのテスト。

『ふだんは仕事でEOS-1D Xを使っているため、約4.5コマ/秒の連写性能は正直物足りなく感じてしまう。(中略)しかし、表情を追っていくようなシチュエーションであれば、約4.5コマ/秒でも十分であると感じた。(高橋ヒデキ氏)』

『(それよりも)書き込みが速い最新のメディアに対応しているということだけで、カメラを買い替える理由になるとぼくは思っている。EOS 6DはRAW+JPEGの設定でもストレスのない撮影ができた。(高橋ヒデキ氏)』

6DのパンフレットではRAW連続撮影で約14枚が可能となっています。また、高速転送規格UHS-Ⅰに対応しているため、UHS-Ⅰカードでは約17枚連続撮影が可能。この点では5D MarkⅢ(UHS-Ⅰ非対応、RAW連続撮影約13枚)を上回っています。

UHS-Ⅰ対応カードの性能をフルに発揮出来たらうれしいですね。 

ボタンカスタマイズ

 相当複雑なカスタマイズも出来るようです。ただ、組み合わせが多すぎて、私の理解がまだ追いついていません。

面白かったのは『よい表情を撮りたかったので、なによりもシャッターを切るということを優先させたかった。背面のAF-ONボタンを使用して、あらかじめピントを合わせておき、シャッターボタン半押し状態で、その瞬間を待った。(高橋ヒデキ氏)』)という使い方。

そうか、そうすれば、俊敏に軽くシャッターを切れるんだ。と感心。

昔のフイルムカメラのシャッターを思い出しました。ピントはあらかじめ合わせておき、ギリギリの瞬間でシャッターを走らせる…

しかし今のデジタルカメラはシャッターを押す途中でAFのピント合わせが加わって「ピッ、カシャ」と2段階。かったるいです。これが往々にしてシャッターチャンスを逃す原因になっているので、高橋ヒデキ氏の使い方は面白いと思いました。

(ただ相手が動く場合はどうなのかな…)

静音撮影モード

 『EOS 6Dの機能のなかでも、ぼくがもっとも気に入っているうちのひとつ。(高橋ヒデキ氏)』

確かにやさしい音です。これは間違いなし。

再生機能

 『ほぼワンアクションでピントをチェックできて、しかも倍率などのカスタマイズも可能。ユーザーのことをよく考えたすばらしい機能。 (中略) 設定が複数あるなかでも僕のオススメは、任意選択合焦点から等倍に拡大する設定。 (中略) モデルの目にAFでピントを合わせると、拡大ボタンを一度押すだけで、ピントを合わせた箇所(すなわち目の部分)を拡大して表示してくれるのだ。この状態でのコマ送りも可能。(高橋ヒデキ氏)』

高橋ヒデキ氏はよほど気に入ったらしく『この機能だけでもEOS 6Dは“買い”だと思う。』と言っています。

私もショ-ルームで触ったとき、便利だと思いましたね。シャッターを押した後、再生ボタンを押す必要がないんですから。いきなり拡大ボタンでポンと拡大、ピント確認ができる。シャッターボタンを半押しすれば、またすぐ撮影に戻れます。私のようにトロい人間でも、今までの何倍か撮影が速くなるのでは。

スペックには表われない細かな部分で、ユーザーインターフェースが進化。こういうところはさすがにキヤノンの品質の良さを感じます。

高ISO感度

 『「高感度撮影時のノイズ低減」機能が「標準」の状態においては、ISO 12800までなら無条件で使える。明部が支配的な被写体ならば、ISO 25600も十分常用域だ。(高橋良輔氏)』

ISO 25600での夜景が掲載されています。植物など細かい部分ではディテールがつぶれているところもありますが、カラーバランスは良く、見た感じではきれいなものです。

デジタルカメラもISO 25600での良し悪しが問題になるような時代になったのですね。

多重露出

 5D MarkⅢより機能は限定、「加算」と「加算平均」モードだけ。『表現力の高さにおいては上位機との差はなく、ねらいどおりの仕上がりが得られた。(高橋良輔氏)』

低輝度測距限界

-3EVというEOSシリーズでトップの低輝度測距限界 。

『-3EVと聞いてもピンとこないだろうが、市街地では夜間でもこの暗さになることはまずない。強いて述べるならば、薄暗い街灯に照らされた郊外の景色を想像してもらうといい。 (中略) テストしてみると、夜空を背景にしたハイライトのない被写体でもピントを検出。ややゆったりとした挙動ながら、正しい位置に合焦した。(高橋良輔氏)』

テストではライブビュー画面は真っ暗な状況だったそうで、高橋良輔氏は『EOS 6Dの低輝度測距限界はすでに「人間の目」を越えているといえるだろう。』とコメント。

ユーレイにもピントが合いそう…!?(冗談)

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というわけで、全体的に高評価でした。これなら買ってもいいなァという気になります。

ところが残念なのは、キヤノンEOSシリーズ以外の機種との比較がないこと。

たとえば対抗機種のニコンD600は、解像力に直結する画素数をはじめ、連写速度、フォーカスポイント数、ファインダー視野率、シャッター耐久性など多くの点でEOS 6Dを上回っています。

その辺はどうなのか… 

他社のカメラは気にしない! というなら、EOS 6Dは良いカメラで、楽しく使えるでしょうが、そうでない場合はちょっと複雑な思いがあります。

 

 それと、私の場合、被写体は「花」「風景」「イベント」あたりが中心なので、買うとすればマクロも使える EF 24-70mm F4L IS USMレンズキット あたりかなと思いますが、これが高すぎます。

直販価格は328,000円。価格.comの最安でも 294,812円。

5D Mark IIIの EF24-105L IS U レンズキットが、価格.comの最安で317,999円(11/22時点)になっている事を考えると、「それなら5D Mark IIIを買った方がいいじゃん!」ということになります。

EOS 6Dのレンズキットはもうすこしリーズナブルな価格になってほしいですね。