富士フイルムとパナソニックが相次いでミラーレス一眼カメラの新製品を発表しました。(富士のニュースリリース)(デジカメinfo / dpreview )
パナソニックはいまのところ、海外での発表ですが、そのうち国内でも発表されるのでは。
いずれもフラッグシップモデルの「廉価版」という感じですが、スペックを見るとなかなかの最新機能が盛り込まれています。
「FUJIFILM X-T10」(富士のニュースリリース画像より)
「FUJIFILM X-T10」は、Xシリーズを代表する「FUJIFILM X-T1」を小型にしたモデル。6月25日発売。
「X-T10スペシャルサイト」が設けられており、5月27日から6月中旬にかけて、東京、大阪、名古屋、福岡、札幌で順次、先行体感イベントも開かれます。発売前の「X-T10」を実際に手にとって試せる特設 ブースを設置。
「X-T1 」が出た時のイベント(2014年2月11日記事参照)ほどではないにしても、富士フイルム、なかなか力が入っています。
ニュースリリースによると、『動いている被写体に強い「新AFシステム」と世界最短表示タイムラグの「リアルタイム・ビューファインダー」を搭載した、プレミアムミラーレスカメラ』という位置づけ。
1,630万画素のX-Trans CMOS IIセンサー(APS-Cサイズ)は同じなので、画質的には「X-T1」と変わらないと思われます。
特長のひとつ、新AFシステムは、
『49点のフォーカスエリアから任意に選択した1エリアでピントを合わせる、従来の「シングルポイント」モードに加え、77点のフォーカスエリアを用いて、「ゾーン」モード、「ワイド/トラッキング」モードを新たに搭載。動体撮影性能が大幅に進化。』(ニュースリリース)
とのこと。また、人物の瞳を自動で検出し、ピントを合わせる「瞳AF」機能もあります。
全体に、AFがかなり進化した印象です。
この新AFシステムは、現在の「X-T1」を上回っています。
しかし、廉価版がフラッグシップを上回る「下剋上」になるわけではなく、これらの機能は操作性の向上も含めて「X-T1」次期ファームウエア(Ver.4.00=6月下旬公開予定)で、「X-T1」にも搭載されます(デジカメWatch 参照)。
富士のページで仕様を比較してみたところでは、6月下旬のファームウエア公開時点で結果的に「X-T10」と「X-T1」は、大体同じスペックで並ぶことになりますね。
もちろん、違うところも。
「X-T10」は、「X-T1」のように防塵防滴、UHS-II 対応ではありませんし、電子ビューファインダーの大きさ、背面液晶の解像度も「X-T1」の方が上。
また、連写(同じ8.0コマ/秒)については、連続記録枚数(JPEG)が、「X-T1」の約47コマに対して、「X-T10」は約8コマと、スペックダウンした感じ。細かいことですが気になります。
一方、「X-T10」は、「X-T1」にないフラッシュを内蔵。軽量、コンパクトで、ボディーの操作面も改良(簡略化)。
総合的に見て、防塵防滴でなくてもいいという人なら、小さな「X-T10」を選ぶ選択肢もありそう。
先行体感イベント か、ショールームの先行展示で触ってこようと思っています。
◆パナソニック「LUMIX DMC-G7」
「LUMIX DMC-G7」(デジカメinfo より)
マイクロフォーサーズシステムなので、センサーサイズは「X-T10」より小さめ。しかし、ボディーはこの「G7 」の方が大きく重いです。
・富士フイルム「X-T10」 118.4×82.8×40.8mm 。重さ約381g(バッテリー含む)
・パナソニック「G 7 」 125×86×77mm。重さ410g(バッテリー含む)
不思議ですね。
「G7 」のボディーが大ぶりなのは多分、「4K 」の機能を盛り込んでいるからでしょう。
以下、「G7 」の4K 機能を デジカメinfo から引用させてもらうと、
『最新の4Kフォトモードでは、4Kバースト撮影、4Kバーストスタート/ストップ、そして4Kプリバーストの3つの新機能が搭載されている。4Kバーストモードではシャッターボタンを押している限り30fpsで撮影し、一方、4Kバーストスタート/ストップモードでは、シャッターボタンを押すことで30fpsの撮影を開始/停止する。4Kプリバーストは、シャッターリリースの直前または直後の60コマを自動的に記録する。』
とあります。
4K 動画の中から静止画を切り出すのが4K フォト。パナソニックは特にこれをアピールしています。
30fps の動画は1秒に30枚の静止画を撮っているのと同じなので、30コマ/秒の連写。キヤノンやニコンのハイエンド一眼レフもとうていかなわない連写能力ということになります。
もっとも画素数については、パナソニックの上位機「GH4 」で約800万画素止まり。
「G7 」の4K フォトもおそらく約800万画素でしょう。
フルサイズ一眼レフで2000万~3600万画素、さらに5000万画素に達しようとしている時代に、マイクロフォーサーズ800万画素ではいかにも貧弱な感じがしますが、画素数だけで画質をうんぬんできないのは、アップルの「iPhone 6 で撮影」キャンペーン(4月28日記事参照)でも分かる通り(「iPhone 6 」も800万画素)。
動画から、だれでも決定的瞬間を切り出せる、という4K フォトの可能性はこれからの技術革新しだいで、大きく広がっていくのでは…
「4K フォト」をアピールしているパナソニック(CP+ 2015 )。
「G7」のプロモーションムービーがありました(YouTube:PanasonicUK )。
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