心臓血管外科ウィンターセミナー学術集会の発表の中で、筑波記念病院からは睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)に関する発表が2演題ありました。心臓血管外科入院の患者さん全てにSASの試験を実施しているそうです。SASの程度を数値化して評価が可能です。近年はこのSASが心臓血管疾患の発症に関係してる可能性があると言われていますが、実際に入院患者さんに検査すると多くの患者さんが異常と判定されるそうです。突出するリュックサックを背負いながら就眠すると、仰臥位にならずに睡眠時無呼吸の頻度が減少するそうですが、筑波記念では自主開発した特殊なリュックサック型の水筒を使用しています。側臥位で就眠することで、睡眠中の気道閉塞が起きにくくなるという機序で無呼吸を予防します。重症の患者さんにはCPAPなどの機械的気道補助が必要ですが軽症から中等症には有効な方法のようです。意外とSASに認定される患者さんのBMIは25~30の軽度から中等度肥満の患者さんが多い印象で、BMI30以上の高度肥満の人が多いわけではないとのことでした。
一般の人との発症頻度の差はまだわからないようですが、今後こうした循環器疾患との関係がより明確になれば対応も決まってくると思います。
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