横須賀うわまち病院心臓血管外科

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心室中隔穿孔のアプローチ

2022-03-21 16:18:36 | 心臓病の治療
最近の学会発表を見ると心室中隔穿孔=VSPに対する手術アプローチについては右室アプローチが一般的になりつつあるのでしょうか?基本的には梗塞心筋を切っても左室機能には悪影響を及ぼさないことから左室アプローチは利にかなっています。左室切開線の縫合部からの出血を恐れるあまり、最近は右室アプローチがメリットあるって話なのでしょうけど、梗塞を起こしていない右室を切開していいのか、また右室から距離がある左室の梗塞部位に針糸をかけて大丈夫なのか、という難点もあります。筆者の経験では左室アプローチでは出血に困ったことはなく、逆に右室アプローチで左室側からの止血に難渋した経験があります。結果がよければなんでもよいと思いますが、国内の中隔穿孔の手術成績は不良で手術死亡率50%から改善が診られていないのが現状です。筆者の個人の手術成績は死亡率10%程ですが、右室からのアプローチをする症例はかなり限られると思っています。
高位に穿孔部位がある場合は右房からのアプローチも一案です。右房からであれば心機能や出血の不安無く手術出来るので良好な成績が期待できます。しかし右房アプローチ可能なら症例は症例の1割以下しかないので、常にその目で患者さんを診て右房アプローチ可能な症例を見逃さないことが大切です。今回の胸部外科学会の地方会でもVSPの症例報告で画像からは右房アプローチ可能と思われる症例があり、もったいないっ!!って思ってしまいました。チャンスはそうそう回ってこないので、そうした少ないチャンスを逃さないことって外科医にとっては重要なことです。

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タルフェット

2022-03-21 16:05:15 | 心臓病の治療
オープンステントを挿入して弓部大動脈置換をその中枢側を行う術式が、一般的に行われるようになってきましたが、海外ではオープンステントというよりも、フローズンエレファントトランク=Frozen Elephant Trunkと言われているため、弓部置換のTotal Arch Replacement=TARと組み合わせてTAR FETと記載し、タルフェットって呼ばせようと言う動きがあるようです。ちょっと違和感がありますが、TAR+OSと今まで記載してきましたが、先日の心臓血管外科学会ではOSGと記載して苦言を呈されている人もいましたので、名称の記載や発言には注意が必要です。
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