名古屋の白ウサギ・1964年生

自称・宗教家・・宗教家とは職業ではなく「私の生き方」です。
職業・会社員、投資家  趣味・偽善事業

棚からボタモチ 

2013-04-13 | 出来事


私がサラリーマン時代のことですが

同じ会社にM君という同僚がいました

このM君、年は私と同じだが会社のなかでは私の後輩でした

彼は私の当時働いていた会社に中途採用で入ってきました

私は彼と同年という事もあって

右も左も分からない彼に対して

早く職場になじむ事が出来るよう色々気配りをして

出来る範囲内であるが面倒を見てあげていました

彼は気さくで愛嬌のある男でした

彼と出会って約4年後の事です

私は兄弟会社に出向となりました

私が出向した会社では 竹 様という実力者のおかげで、

治外法権 状態のなか 至れり尽くせり の待遇となりました


それから約6年の歳月が流れました


私は再び元の会社に戻ることになりました

元の会社の戻り、M君と再会


6年前、まだ平社員であったM君は

私と同格の職位に着いていました

彼もこの6年間、相当努力したのだろう・・・・

彼のスピード出世を嬉しく思いました

しかしながら・・・・

このとき会社の情勢は極めて不穏な状況でした

会社は長い不況のあおりで リストラ戦略 を開始していたのです

会社の立場もよく判ります

リーマンショック以降、今までの経営体制を維持することは

不可能です。


厳しい自由競争のなか会社か生き延びてゆく為には

綺麗ごとだけでは済まされない

残念ながらこれが社会の実態です


会社はとにかく人件費を削減したい  人員を減らしたい

企業は数字で動いている。

会社の方針として人件費を30%減らせと言う事になれば

法律に触れない限りどんな事をしてもそれを達成しなければなない。

そこに 人情 だとか 昔の恩 過去の実績 などという甘い理屈は通用しない。

あるのは 数値目標のみ

そういった厳しさのなかで経済は動いていると思う。

会社は

給料の高い役職者に対して 揚げ足を取り  を始めました

何か理由を見つけて降格させようと

目を光らせていました


私が会社に戻ったときには既に3人の役職者が槍玉に上げられ

降格されていました

私が元の会社に復帰したことは

結果として、職場の生態系 を乱す事になってしまいました

私が復帰した事により
会社はあと1人生贄(生贄)を見つけなければならない

役職をもつ人間のあいだには
不穏な雰囲気が常に漂っていました

役職でない社員のなかには
劣悪な待遇に耐え切れず
最終的に 自主退職 に追い込まれた
人間も多くいました

誰しも生活がかかっている
降格の犠牲者になりたくない
仕事を失いたくない

でも、誰かあと最低1人は降格の犠牲者となる

私も、M君もその例外ではありません

そんな状況下で

M君は信じられない態度に出ました

M君、私の足を引っ張るような行為を始めたのです

初めは、些細な嫌がらせでしたが、
それはだんだんエスカレートして行きました
いつしか彼は
露骨に大人気ない嫌がらせをするようになっていました

昔の恩を忘れて、今になって手のひらを返したように
私に牙を向けてくる

彼は私の評価が落ちるような状況を
意図的に作り出し、私を追い込んできました

何とも哀しい現実でした

とにかく生き残ろうとする意欲はある意味立派にも思える。

同じ同僚のなかには追い詰められて 遂に最後は人間として

 ‘ 最悪の選択 ‘をした人間もいる。

最悪の選択をする者より、M君のほうがまだマシなような気がする。

彼の気持ちもよくわかる

彼の行為を軽蔑する気持ちもない

そういう人間になってしまった彼自身も犠牲者のひとりであると感じた


M君は6年間必死になって働き 今の立場を勝ち取った

私はその間、他の会社で涼しい顔をしていた

そんな私に自分の立場を脅かされたくないのだろう・・・

彼の執拗な攻撃に対して哀しい思いが込みあげてきました


彼に対して「 やられたら反撃する 」 などという気が起きてこない

彼にも家庭がある。

降格させれたら困るだろう・・・・

でも、そんな事を思っていたら、自分はドンドン追い込まれるだろう・・・・


サラリーマンとして生き残るには反撃する闘志が必要

でも、そんな土俵で戦いたくはない

勝ったとしても

虚しいだけだ

約1年間、彼の攻撃に対して ひたすら無抵抗を貫いた

これはある意味私の弱さだったのかも知れない、

「 武士の礼 」 を持って相手に一撃を加える

これが最も適切な方法だったかも知れない


もっとも、すべての人がM君のような状態に変貌したわけではない

なかには あくまで紳士的に公正な態度を貫いたひとも多くいる


誰しも生き延びなければならない

こういう状態では未来の事など考えておられない。

一日を後切る事だけで精一杯、

毎日仕事が終わると、 「 今日も何とか乗り切った・・・・ 」

と思うだけ。

それ以上のことを考え出したら気が狂ってしまう。

まさに戦国時代です

あれこれ思い悩む日々が続きました


そんな時、ある日、突然

棚からボタモチ が落ちてきました

ある事業をする為の利権が舞い込んできたのです。

それは想いも寄らないところからでした。

私はやはり強運の持ち主なかも知れません

もうサラリーマンは御免だ!!

何の未練もなく、あっさり会社をやめました。

いまは 個人事業主 として有意義な毎日を送っています。



コメント
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