グッドぐんま 2

ぐんま大好き! 群馬のちょっとイイものや身近な自然を再発見

生き物が増えてきた田んぼビオトープ

2010年09月07日 23時58分57秒 | 自然観察
7月に生き物調査をやった前橋市K町の池。

ここは休耕田を少し掘り下げて造成した池ですが、造成から約三か月経過し、水生植物がだいぶ増え、イイ感じの池になってきました。
今日、インターンシップで職場に来ていた大学生3人を連れて、この池で生き物調査の実習。

シオカラトンボ


ショウジョウトンボ


シオカラトンボのヤゴ


ギンヤンマのヤゴ


脱皮直後のギンヤンマのヤゴ


ミズカマキリ




マツモムシ

いつも腹部を上にして泳いでいるので、英名はBackswimmers
長いオールのような後脚が特徴的です。
素手で捕まえると刺されることがあるので注意です。

コガムシ(奥)とヒメガムシ(手前)


池の周りにはバッタもいっぱい
コバネイナゴ


トノサマバッタ


こちらは褐色型のトノサマバッタ


クサキリ




K町の池で見つけた生き物(2010.9.7)
アジアイトトンボ、ギンヤンマ成虫・幼虫、シオカラトンボ成虫・幼虫、ショウジョウトンボ、ミズカマキリ、マツモムシ、アメンボ、ハイイロゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、コガムシ、ヒメガムシ、ミズスマシ、ヒシバッタ、ショウリョウバッタ、オンブバッタ、トノサマバッタ、コバネイナゴ、クサキリ、ナガコガネグモ、ニホンアマガエル、ヒメタニシ、サカマキガイ


池の造成から約一か月後の7月に行った調査に比べると、確認された生き物の数が格段に増えていました。
今後がますます楽しみです。冬季も水が切れないように注意していけば、来年の春以降はさらに多くの生き物が見られるでしょう。
ただ、水系のネットワークが分断されているため、魚類の侵入は期待できないのが残念です。

ツキノワグマ クマと森の生物学

2010年09月06日 20時45分33秒 | 
ツキノワグマは日本の森に棲む最大級の野生動物。
日本の自然の豊かさを象徴する存在の一つだと思うのですが、九州の個体群は絶滅したとされ、中国・四国の個体群も絶滅の渦の中にあります。さらにその体格と力の強さ故、人との間に軋轢を生じることも少なくありません。
2006年に異常なほどの大量出没と人的被害、大量捕殺は記憶に新しいところです。
今年も群馬県内ですでに5件の人身事故が発生しており、県が注意を呼びかけています。

ツキノワグマの出没に注意してください 群馬県

先日、図書館で借りた本
ツキノワグマ クマと森の生物学  大井徹・著 東海大学出版会


「森林に生かされ、森林とともにあるツキノワグマ。それゆえに、本書では、森林との関係を縦糸にしてツキノワグマのタペストリを織りなしてみよう。横糸は、分布、形態、生理、行動、生態、社会、進化など。できるだけ多面的に、その生物学的な特徴を解説する。」
「そして、本書の終着点は、人間とツキノワグマの関係について。・・・・・
ツキノワグマと人間との共生ははたして可能だろうか。どんな森林作りをすればそれが可能になるのか。みなさんと一緒に考えてみたい。」
(「はじめに」より)


「はじめに」にあるように、ツキノワグマの生理、生態から進化、人との関わりまで幅広くわかりやすく解説された良書です。温帯の森林にうまく適応し、現代まで生き続けてきたツキノワグマの生きるための“知恵”は、すばらしいなぁと感じます。

科学論文同様に本文中のデータなどには、一連の番号が付けられ、巻末に引用文献が記載されています。索引もあるので、“ツキノワグマ ハンドブック”として使える一冊だと思います。
また、巻末付録の「クマとの危険な遭遇を避けるために」も必読。

ツキノワグマと言えば、今日、「九州最後のツキノワグマ」と言われていた個体について森林総合研究所東北支所が遺伝子解析を行った結果、実は本州産であったことが判明したという報道がありましたね。
本書でもこの「九州最後のツキノワグマ」については「死体の剖検により、捕獲前数年は野生状態で生活していたと推測されているが、出自については不明とされている。九州以外から持ち込まれたものである可能性もあるらしい」述べられています。
今回、やはりこの個体は九州のツキノワグマではなかったことが確かめられ、九州における最後の記録は1957年に子グマの死体が確認されたというものになりました。


2006年の異常出没以来、ツキノワグマに興味を持っていましたが、知れば知るほど魅力的な生き物です。私はまだ野生のツキノワグマを見たことはないので、是非会ってみたい動物です。森でばったり出会うのは絶対に避けたいですが・・・。

ツキノワグマ クマと森の生物学
目次
1章 ツキノワグマQ&A
2章 分布から探る森との関係
3章 クマ類としての特徴
4章 ツキノワグマの誕生
5章 大量出没と森の食糧事情
6章 冬眠の不思議
7章 繁殖の不思議
8章 森林生態系で生きる
9章 クマとの共存
付録 ツキノワグマの仲間たち
   クマとの危険な遭遇を避けるために
引用文献
索引


ツキノワグマに限らず、最近では野生鳥獣による農林漁業への被害が問題となっていますが、被害発生の根本的な原因究明とその改善をせずに、被害が発生するたびに、駆除を行うだけでは、加害獣が絶滅するまで問題は解決しません。
人的被害をなくし、農林業被害を減らし、人と動物が共生していくためには、まずは相手のことをよく知らなければならないと思います。

利根川 アユ豊漁! (前橋市)

2010年09月05日 20時05分13秒 | 釣り
本日、前橋市内の利根川で釣り具屋さんのサンビーム主催のアユ釣り大会が開催されました。
大会は利根川の市民ゴルフ場~大渡橋の間で8:30~13:30の5時間行われまたが、優勝者はなんと32尾!、2位は17尾と好釣果だったそうです。

釣れたアユも全体的に良型で、中には24㎝以上の大鮎も混じっていました。




近年、不漁続きと言われていた利根川本流も今年は久しぶりに豊漁です。
釣行してみてはいかが?

精悍な顔つきの利根川本流アユ



群馬県漁連


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アゲハ幼虫の臭角

2010年09月05日 18時35分53秒 | 自然観察
9月1日に紹介した我が家のキンカンにいるアゲハ(ナミアゲハ)の幼虫。
この暑さの中でも葉っぱをモリモリ食べ、順調に成育中です。




アゲハ類の幼虫は他の蝶には無い、ある特徴を持っています。
敵から攻撃を受けた際に飛び出す、臭い角です。「臭角」と呼ばれます。


臭角は、普段は頭部と胸部の間の背中側の皮膚の下に格納されているのですが、幼虫を触ったりすると、収納されていた臭角を反転させて突き出し、敵を威嚇します。臭角の表面は揮発性の分泌物で覆われていて、独特の匂いを発散させます。



昆虫写真家の海野和男氏は「小諸日記」の中で、「ぼくなどは子供の頃は、ミカンの葉のような香りに思えて、このにおいがとても好きだった。」と述べていますが、こういう人は少数派でしょう (^^;)
あの何とも言えない強烈な匂いの素は、主にテルペン系の炭化水素だそうです。(ただし、種によって主成分が異なる)
ところで、人にとって“悪臭”と感じられる匂いでも、他の生物にとっては魅力的に感じることもあります。実際に臭角には天敵を撃退する効果があるのでしょうか?
アゲハ幼虫の天敵の一つであるアリを使った実験では、臭角の匂いの成分にはアリに対して一定の忌避効果が認められたそうです。
テルペン類は動物忌避剤にも利用されていますし、目立つ臭角がピュッと飛び出すと鳥も驚くかも知れません。臭角はある程度、身を守る役に立っているんでしょうね。

早朝虫見散歩 嶺公園

2010年09月04日 19時57分39秒 | 自然観察
今日も相変わらず猛暑の前橋。最高気温は36.7℃でした。
昼間は外を歩く気にならないので、早朝の涼しいうちに嶺公園を虫を探しながら散策。


ナツアカネ




マユタテアカネ


ミヤマアカネ


ショウジョウトンボ


シオカラトンボ


クロヒカゲ

ヒカゲチョウによく似ていますが、翅の色と模様が微妙に異なります。

ちなみにヒカゲチョウはこちら↓ 違いを見つけてみてね


ツマグロヒョウモン

ツマグロヒョウモンは、毒を持つカバマダラという蝶に擬態していると言われています。しかし、擬態しているのはメスのみ。オスはカバマダラに似た模様ではありません。なぜ、メスだけがカバマダラに擬態しているのか?
毒を持つ生物には自分が有毒であることを捕食者にアピールするように目立つ色や模様(警告色)を持つものがいます。それら有毒の生き物の姿かたちを真似(擬態)することによって、捕食を免れようとする生物がおり、この擬態のことを「ベイツ型擬態」と呼び、擬態している生物を「ミミック」、真似される生物を「モデル」と言います。
ベイツ型擬態が効果を発揮するための重要な条件の一つに、ミミックとモデルの個体数の関係があります。ベイツ型擬態は捕食者の学習によって成り立つので、
ミミックの個体数<モデルの個体数  でなければ効果はありません。
ツマグロヒョウモンはベイツ型擬態の効果を維持するために、メスだけがカバマダラの真似をしているという訳です。
しかし、カバマダラの生息地は沖縄・奄美以南。(近畿や東海でも見られることがある)
カバマダラが生息していない地域では、ツマグロヒョウモンのメスの擬態は何の役にも立たないことになります。
 

わずかな樹液に群がるサトキマダラヒカゲ


ダイミョウセセリ


イチモンジセセリ


ヒナバッタ

土手や林縁などの日当たりの良い草地に普通にみられる小型のバッタ。

ヤマハギ


ツリガネニンジン


クズの花

猛烈な生長力をかわれて緑化植物してアメリカにも導入されましたが、今では厄介な雑草kudzuとして世界の侵略的外来種ワースト100に入っています。

シロオニタケ?

トゲトゲがカワイイ

アユの採卵

2010年09月03日 21時32分02秒 | 
記録的な猛暑となった今年の夏。9月に入っても真夏の暑さが続いています。
今日の前橋の最高気温は35.9℃。いったいいつまで続くのでしょうね、この暑さ。

気温はまだ真夏ですが、水産試験場ではアユの採卵が始まっています。

上がメスで下がオス

(上の写真のメスは卵を採った後ですので、お腹が膨らんでいませんが、採卵の前はもっと丸く見えます)

尻ビレの形がオスとメスで全く違います。ここがアユのオス・メスを見分けるポイントです。(この時期になると、ヒレの形を確認するまでもなく、全体の色や手触りですぐに分かりますけどね)


メスのお腹を圧迫すると卵がピューと勢いよく飛び出してきます。

1匹のアユからは3~5万粒の卵が採れます。

アユの卵

直径はわずか1ミリ足らず。約2週間後には小さな小さなアユの赤ちゃん(仔魚)が誕生します。



おまけ
ヤマトシジミ



ミヤマアカネ 逆立ちの次の手は・・・

2010年09月02日 21時04分16秒 | 自然観察
ミヤマアカネなどの赤とんぼの仲間は、暑い日によく逆立ちをしているのを目にします。
トンボの逆立ちは、太陽光線を受ける体の面積を最小にして、体温の過度の上昇を避けるためですが、逆立ちをしても暑さに耐えきれないときはどうするかといえば・・・

やはり日陰に入ります
と言っても、自分の体がかろうじて隠れるほどの細い枝や草の陰です


そうまでして日なたにいないで、木陰で涼んでいればイイのにねぇ (^^;)





カマキリの抜け殻

ケヤキの木の下に落ちていました。

白くて透明で、きれいです。


ハラビロカマキリかな?


アゲハの幼虫

2010年09月01日 20時43分42秒 | 自然観察
我が家のキンカンにいたアゲハの幼虫

5齢(終齢)幼虫

左右の目玉模様と、その間をつなぐ不思議な幾何学模様が美しいですね。

若齢幼虫(たぶん4齢)

終齢幼虫とは違って、白と黒の模様。鳥の糞に擬態しているのです。

同じような模様の昆虫が他にもいます。
クズの葉や茎でよく見かけるオジロアシナガゾウムシ

これも鳥の糞の擬態です。

さて、毎年のようにアゲハの幼虫が見られる我が家のキンカンですが、葉が食べられて丸坊主になることはありません。
卵や若齢幼虫は、結構な数が見つかるのですが、大きく育った終齢幼虫は、僅かしか見つかりません。ほとんどは鳥やアシナガバチに食われてしまうのでしょう。運よく蛹になれたとしても、寄生蜂にやられていることも多いようです。
自然界で生きていくのは大変だなぁと思うと同時に、様々な生き物がお互いに作用しあってバランスをとっている生態系の絶妙さに感心させられます。