Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

高齢者の肺炎

2006-11-04 | 医療・病気・いのち
 細菌性の肺炎というのは、肺に細菌が感染増殖し炎症を起こすものである。細菌が侵入しても、体の抵抗力が菌の力を凌駕すれば肺炎にはならない。

 抗生物質が医療に使用されるようになって、肺炎というのはあまりたいしたものではないという認識をしている人が多いと思われるが、なかなかどうして馬鹿にできない。特に高齢者は重症化しやすいので注意が必要だ。

 高齢者は
 体の抵抗力が落ちている。
 筋力が落ち、呼吸筋も弱っているので深呼吸する力や痰を出す力が弱い。
 気道や肺胞自体が傷害されている。
 症状を訴えるのが遅くなる。

 などなどの理由が考えられる。癌で体力が落ちたり、脳梗塞の後遺症で寝たきりになっている人が、肺炎で命を落とすことは少なくない。

 お年寄りや、基礎疾患のある方が肺炎になれば、きちっと治療を受ける必要がある。

時とともにある

2006-11-04 | 医療・病気・いのち
 なかなかあわただしい時代でして、社会の規定した時間軸を押し付けられ、細切れの時を日々過ごしている感じがする。人の存在と時とはもともと別物ではなく、時とともに、時があるから人も存在しているはず。時は個々の人とともにある。

 癌に対する積極的治療が難しくなり、症状緩和が主体となってくると、皮肉なことにその本人は社会的時間からの制約から解放されやすくなる。時間を自分の手に取り戻すことができるのだ。

 せっかく取り戻せた時間を、苦痛と戦うことに費やすのではなく、より豊かな流れとなるようにお手伝いするというのが緩和ケアの一面かもしれない。近づく死の影に怯えるよりも、今生きていいることを喜び、楽しみながらすごす時間を患者の手に。