Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

前を向き 今を生きる

2006-11-28 | 医療・病気・いのち
 胃癌が再発した方に、抗癌剤を使用することが多い。私が医師になった頃は、胃癌に対して抗癌剤が効く等と言うことはあまり考えられなかった。時に再発巣が小さくなっても、その後以前にも増してあっという間に大きくなり、結局予後は変わらないと言うことがほとんどであった。
 
 しかし、最近では、効けば実際に予後が改善してくるようになってきた。以前なら3ヶ月から半年で亡くなられていたであろう進行度の方が、1年、時には2年と生きられるようになってきたのである。それも体調をそれほど犠牲にすることなくである。

 3種類の癌化学療法を行って効果がなかった方が、4種類目の治療方法でぐっと効果が出てきた。いつも穏やかな笑みを浮かべている方だが、実際に腫瘍マーカーが下がってきていると喜ばれているようだ。

 しょうがない。
 生きたい。
 無理かな。
 大丈夫かもしれない。

 心の持ち用は一瞬一瞬変わっていく。その一瞬を強く意識されているのだろうか、その方と奥さんとから絵はがきをいただいた。明るい色遣いの絵の横に、「今を大切に生きています。」との添え書きがあった。

朝焼け

2006-11-28 | 想い・雑感
紅緋色の空に
町並みのシルエットが浮かび上がる
きれいな 朝焼け

やがて始まる一日の序章

日の出に 
誕生や再生を重ねて見るこころがわかる

あと何回 
日の出を見ることができるのであろうか

こんな一日を繰り返し
時が
人生が
過ぎていく

老病同居

2006-11-28 | 医療・病気・いのち
病と老
なんとなく別に考えるが
その境界は 不鮮明である

齢を重ねれば
気がつかなくとも 体にガタが来る
そこが見つかり病名がつけば 病となる
年齢が高くなるにつれ 老も病も同居しているのである

どんなに元気に見える方でも
必ずどこか傷んでいる

80歳くらいになって癌が見つかった場合
手術が可能なら手術を受けるか
そのような体への負担が多い治療は受けないか
選択はなかなか難しい

80歳くらいになると
元気に見えても
ある日突然 脳卒中や心筋梗塞で亡くなることが珍しくない
だから
手術直後に脳出血で死亡する可能性もあるし
手術したところでわずかな寿命という可能性もある

そのへんのところをよくよく考えて
決断する必要がある

ただ いくら考えても 
自分がいつ死ぬかはわからない
100歳までも生きるかもしれない
誰にもわからないから
自分で決断するしかない