Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

効く人 効かない人

2008-08-18 | 医療・病気・いのち
ほぼ同じ時期に
進行胃癌として紹介されてきたAさんとBさん
どちらもいきなり手術を行うことは難しいと判断
 (手術をしても取りきれない)

抗がん剤による治療を行い
よく効いて可能であれば手術を考える
という方針になった

TS1とシスプラチンによる治療を開始したところ
どちらの方も腫瘍マーカーが減り始め
症状も軽くなった

Aさんは3コースの治療後に下がりかけた腫瘍マーカーが
また一気に跳ね上がり
治療の変更が必要となった
CPT-11とシスプラチンによる治療を2コース行ったところ
なんと腫瘍マーカーが正常化し
CTで見られる腫れたリンパ節はやや小さくなり
癌のために厚くなった胃の壁が薄くなってきた

このタイミングを逃しては二度と手術の可能性はない
ということで胃全摘を施行し無事退院となった
術後もしばらく抗がん剤治療は継続するが
治癒に持ち込める可能性もある

一方のBさん
お腹に触れていた胃のしこりが一旦やわらかくなりかけたが
腫瘍マーカーの上昇とともにまた硬くなってきた
薬剤変更したところ副作用が強く出て 
マーカーも下がらずという状態だったので
現在3種類目の治療方法に変更している

この治療でも印象とすると著効を呈してはおらず
いずれ癌に対する治療は少なくなり
次第に緩和ケアの占める割合が増えてきそうである

同じような進行度の胃癌に対して
同じような治療を行ったからと言って
同じような治療効果が上がるわけではない

そこが難しいし
致し方ないところでもある