Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

たった一度きりの なみだ

2008-08-25 | 想い・雑感
腹膜に癌が広がり
それが直腸から肛門へ顔を出し
さらに膀胱へも食い込んでしまっていたKさん
飄々とした表情の裏で
苦痛と戦い
なかなか痛みなどを教えてくれなかったが
しつこく聞いては
鎮痛剤の量を加減していた

そんなKさんも徐々に体の衰えを感じたのであろうか
亡くなる2週間くらい前
家で奥様と二人になった夜中

「今夜だけ泣かしてくれ」
といってかなりの時間泣き続けたとのこと
あとにも先にも
奥様に涙を見せたのは
その一度きりらしい

奥様すら知らないときに
枕を濡らすことはきっとあったと思うのだが
家族への思いやりから
ぐっと堪えていたのだろう

はっきりとした予後の話などは本人にしなかったが
病状はなるべく正確にお伝えしていた
まだ大丈夫かな といいつつも
仕事その他の整理はきちっとした上での
旅立ちとなった