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日本軍兵士 ーアジア・太平洋戦争の現実 吉田裕

2020年08月15日 | 
 戦争のことは別に「季節もの」ではない。もちろんそうなのだが、夏になるとせめて戦争のことを考えるべきだ、と思う。この本は新聞で鴻上尚史が推薦していて、さっそく読んでみた。
 いつも、旧日本軍のことを読むとそのバカさ加減にあきれかえる。さらには今に至るまでそのキチンとした記録を残そうとしない政府の姿勢にもあきれかえる。ちゃんと記録を残さないから、研究者が苦労して掘り起こしているのだが、ともかく、
 戦没者の9割以上が1944年以降
 戦没者の6割以上が戦闘による死者でなく、病没and/or餓死
 など、あらためて驚く。これだけでなく、どれも、読めば、そうだったろうなあと思うのだが、「処置」という傷病者の殺人。虫歯や水虫のこと、マラリア、覚醒剤。覚醒剤は兵士に使っていて、戦後そのあまり(?)が市中ヒロポンとして出回ったのだろうという。今のことを考えるとそれも「オトモダチ」に横流し、ボロ儲け、だったのだろうなあと思う。
 ともかくやるせない気分になる。そしていまの政治のあまりにひどいことにも。