新しいもの 古いもの
私は、中学・高校時代を英国を過ごした。
普段は全寮制の学校だったけれど
特に中学3年~高校時代には、休みはほとんど家に帰らず
英国人の家庭でホームステイをして過ごしていた。
数えてみると、30件以上のお家にお世話になった。
彼らから学んだことは、”物を大切にする”ということだ。
若くてきれいなお姉ちゃまもデートに持っていくときの
自慢のバッグは”おばあちゃまが使っていたとっておきのバッグ”。
家も古ければ古いほど、それが自慢だ。
200年以上たった家にお世話になったこともある。
休日にレンガを直したり、お庭を整えたり、
すこしづつ手入れをしてきれいに住まうことがステイタスだ。
(ガーデンで過ごすひと時を大切に)
昨日、仕事の関係でまた人生の先輩、
メンターとお話した。いずれも同じ業界の人。
50代後半。
なんかしっくりこなかった。
新しいもの、新しいものを取り入れて
それを追いかけてきた人だけあって、
古いものやそれを保ってきた人の想いを鑑みることなく
古い建物とか、古いスタイルのものに対して
”こんなのがまだあっていいの??”
という価値観だ。
私は、表参道ヒルズも六本木ヒルズも嫌いではない。
そういう空間では、
背筋をのばして
歩き方もきれいになる自分がいる。
今まで体験したことのない空気感も漂っている。
とても素敵な空間だ。
でも、やっぱり、たどり着くことで
変わらない場所。 ほっとする場所。
子供の頃や、家族と訪れたことを思い出させてくれる場所が
残っていてもいいと思う。
そういう場所がないと、東京はますます息苦しい場所になっていってしまう。
・・・・と感じはしませんか?
(修善寺虹の里で撮影)
私の好きな温泉旅館も”デザイナーズ旅館”が
大流行だ。 見事なライティングや空間づくりが
とても素敵に雑誌やテレビで紹介される。
そういうのもとてもいいと思う。
・・・だけど
ちょっとガタついたガラス窓から
入ってくるすきま風に冬の訪れを感じたり、
お部屋やお風呂に行く間の廊下が
ギシギシなる、あの音も好きだ。
ああ、ここであの有名な作家がこの景色を眺めながら
筆を運んだんだな、なんて想像するのも
古い宿ならではの、とっておきのひと時だ。
ベレー帽をかぶったお兄さんがお部屋まで
必要以上にニコニコして案内してくれるのもいいけれど、
やはり、
”足腰動く間は働かせてもらって、ありがたいです”
なんていいながら、
お茶を注いでくれる仲居さんのほうが、
好きだったり、心に残っていたりする。
新しいものを創造していくのはとても大切。
だけど、
古いものが何でも、"時代遅れ”という考え方は
私にはない。
日本も歴史のある古い国なのだから
私たちも
自信をもって
心をこめて
”古いもの”を大切していく・・・という気持ちも
持っていけたら、と思う。
私は、中学・高校時代を英国を過ごした。
普段は全寮制の学校だったけれど
特に中学3年~高校時代には、休みはほとんど家に帰らず
英国人の家庭でホームステイをして過ごしていた。
数えてみると、30件以上のお家にお世話になった。
彼らから学んだことは、”物を大切にする”ということだ。
若くてきれいなお姉ちゃまもデートに持っていくときの
自慢のバッグは”おばあちゃまが使っていたとっておきのバッグ”。
家も古ければ古いほど、それが自慢だ。
200年以上たった家にお世話になったこともある。
休日にレンガを直したり、お庭を整えたり、
すこしづつ手入れをしてきれいに住まうことがステイタスだ。
(ガーデンで過ごすひと時を大切に)
昨日、仕事の関係でまた人生の先輩、
メンターとお話した。いずれも同じ業界の人。
50代後半。
なんかしっくりこなかった。
新しいもの、新しいものを取り入れて
それを追いかけてきた人だけあって、
古いものやそれを保ってきた人の想いを鑑みることなく
古い建物とか、古いスタイルのものに対して
”こんなのがまだあっていいの??”
という価値観だ。
私は、表参道ヒルズも六本木ヒルズも嫌いではない。
そういう空間では、
背筋をのばして
歩き方もきれいになる自分がいる。
今まで体験したことのない空気感も漂っている。
とても素敵な空間だ。
でも、やっぱり、たどり着くことで
変わらない場所。 ほっとする場所。
子供の頃や、家族と訪れたことを思い出させてくれる場所が
残っていてもいいと思う。
そういう場所がないと、東京はますます息苦しい場所になっていってしまう。
・・・・と感じはしませんか?
(修善寺虹の里で撮影)
私の好きな温泉旅館も”デザイナーズ旅館”が
大流行だ。 見事なライティングや空間づくりが
とても素敵に雑誌やテレビで紹介される。
そういうのもとてもいいと思う。
・・・だけど
ちょっとガタついたガラス窓から
入ってくるすきま風に冬の訪れを感じたり、
お部屋やお風呂に行く間の廊下が
ギシギシなる、あの音も好きだ。
ああ、ここであの有名な作家がこの景色を眺めながら
筆を運んだんだな、なんて想像するのも
古い宿ならではの、とっておきのひと時だ。
ベレー帽をかぶったお兄さんがお部屋まで
必要以上にニコニコして案内してくれるのもいいけれど、
やはり、
”足腰動く間は働かせてもらって、ありがたいです”
なんていいながら、
お茶を注いでくれる仲居さんのほうが、
好きだったり、心に残っていたりする。
新しいものを創造していくのはとても大切。
だけど、
古いものが何でも、"時代遅れ”という考え方は
私にはない。
日本も歴史のある古い国なのだから
私たちも
自信をもって
心をこめて
”古いもの”を大切していく・・・という気持ちも
持っていけたら、と思う。