はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
パーキンソン病にはグルタチオン点滴を
癌には高濃度ビタミンC点滴も施行中です。

僕の死に方

2012年12月29日 | 読書


流通ジャーナリストを自称する金子哲雄氏が、”肺カルチノイド”の末期と宣告されてから、先日の10月に亡くなるまでの500日間を、
殆ど末期状態となった8月頃から回想して書き上げた本で、”エンディングダイアリー”というサブタイトルが付いています。
とにかく、最期の最期まで仕事に全力を注ぎます。仕事に全力を注いでいる時間だけが死を忘れることができるからです。
全力を尽くして死んでいくという密度の高い500日が綴られています。
冒頭の挨拶の部分と最後の終末期の様子とお礼の部分は筆者の奥さんが書かれています。
本人は評論家ですので、文章も抑制が効いてしっかりしているのですが、この奥さんの文章には筆者以上の文学性を感じます。
いったい何者なのでしょうか。
面倒くさいと思われる方は、最後の奥さんが記述された部分を読むだけでもOKかも知れません。


大荷物扱い

2012年12月29日 | 妹ネタ
一昨日に妹が来熊したので二晩続けて飲みに出ました。妹は外飲み7連チャンだそうです。
いくつかの昔話が話題に上ったのですが、その中からチョット面白そうな出来事をアップします。

私が20代半ばの頃ですが、台風の影響で列車が遅れ、博多駅で2時間ほど時間をつぶすことを余儀なくされました。
妹と二人連れです。とりあえずは地下の食堂街へ入りました。
高校生時代から私は、友達とジャンケンで負けた方が、ある恥ずかしい行動をとるというゲームを続けていました。
たとえば、田舎者のふりをして、デパートのエレベーターに乗り込む時に靴を脱ぐとか、あるいは降りる時にはエレベーターガールに10円払おうとするなど。
その日私は妹にある賭を提案しました。
私が食堂街の純喫茶に一人で入って、水を2杯持ってこさせ、結局は何も注文せずに店を出れたならば、1000円ゲットするという内容でした。
他人のふりをしてコーヒーを飲みながら待ち構えている妹のすぐそばのボックスに私は座りました。
水を持ってきたウェイトレスに私は、もう一杯の水を頼みました。
二人連れだろうと思ったウェイトレスはすぐに水を持ってきました。
二つのコップを右手と左手に持ち、交互に飲みながら私は注文しました。
”タヌキうどん一杯!”
ウェイトレスは当然、”ありません。”と答えます。
そこで私は、”なら、キツネでもいい!”とたたみかけます。
すると彼女は私にメニューを手渡しながら、”ここは喫茶店です。麺類はスパゲッティーしかありません。”と言います。
私が、”スパゲッティーは苦手なんだよなー”とつぶやくと、彼女は私を店外に誘導しました。
そして5軒ほど先に見えるうどん屋を指さして、”うどんなら、あの店に行って下さい。”と言いました。
私が丁寧にお礼を述べて、うどん屋方向に歩き始めたのは、言うまでもありません。

で、次は妹の番です。とりあえずは、天津甘栗屋でみかんを注文したならば、100円ということにしました。
妹は天津甘栗屋に行き、”みかんを下さい。”と言いましたが、店員は、”見たらわかるだろうが。みかんがあるはず無かろうもん。”と言い返してきて、
チョット険悪な雰囲気になりました。
そこで私はあわてて駆け寄り、笑いながら、”みかんが無ければバナナでもいいよ。”と言いました。
それでやっと、ジョークだと理解してもらえて一件落着しましたが、私の助けを借りたので100円はチャラだということになりました。

1000円を取り戻したいなら、あそこの手荷物預かり所に行って、”私を預かって下さい。”と言ってこいと、私は妹をけしかけました。
預かり所の前を何度も往復しながら、ためらっていた妹ですが、意を決して初老のスタッフの前に行き、キョウツケの姿勢で、
”私を預かってもらえませんか?”と言い放ったのです。
初老のスタッフはシャレのわかる人で、その応えは素敵でした。
”いいけど、大荷物扱いになりますよ。”