流通ジャーナリストを自称する金子哲雄氏が、”肺カルチノイド”の末期と宣告されてから、先日の10月に亡くなるまでの500日間を、
殆ど末期状態となった8月頃から回想して書き上げた本で、”エンディングダイアリー”というサブタイトルが付いています。
とにかく、最期の最期まで仕事に全力を注ぎます。仕事に全力を注いでいる時間だけが死を忘れることができるからです。
全力を尽くして死んでいくという密度の高い500日が綴られています。
冒頭の挨拶の部分と最後の終末期の様子とお礼の部分は筆者の奥さんが書かれています。
本人は評論家ですので、文章も抑制が効いてしっかりしているのですが、この奥さんの文章には筆者以上の文学性を感じます。
いったい何者なのでしょうか。
面倒くさいと思われる方は、最後の奥さんが記述された部分を読むだけでもOKかも知れません。