はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
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癌には高濃度ビタミンC点滴も施行中です。

林修・ダイエットの新説

2015年07月25日 | 糖質制限食
今週の2時間特番ですが、前半は池谷医院院長池谷敏郎先生の、" ダイエットの新説 " でした。
冒頭は、" つかみ " として内容の予告編のような映像が流されます。

その最後に、" 炭水化物ダイエットは正しいやりかただと非常に有効だが、間違っている人が多い。
炭水化物を控えた分、タンパク質と脂質の摂取を増やすべきだが、そうしない人が多い。 " と述べられました。
まっとうな意見ですよね。
ところが、ここで、サルコペニアという医学用語を持ち出します。
そして、正常な人の太腿のCT写真と、サルコペニアの太腿のCT写真を並べて示し、
安易な糖質制限はサルコペニアを招く可能性がありますと説明します。
しかし、この2枚のCT写真は全く別人のCT写真のようです。
常識的には、正常な太腿の持ち主が、ある程度の期間の間違った糖質制限によってサルコペニアになった症例写真を示すべきでしょう。
しかし、一般の視聴者は、あたかも糖質制限によってサルコペニアが発症したと勘違いするでしょう。

池谷先生は、糖質制限によってサルコペニアを発症した患者さんを一例でも担当したことがあるのでしょうか?
もし、あるとするならば、サルコペニアのCT写真には、当然その症例を使用するはずだと思うのですが.....どうでしょう?

この部分に限らず、池谷先生の最後の締めくくりの言葉は2通りしかありません。
一つは、.......の可能性があります。
他は、........と言われています。

結局、自分の思い込みと、伝聞のオンパレードなのです。

ただの一つの、症例も、研究結果も示されていません。
科学に興味がないのでしょうか?

さて、この先生の結論は、内臓脂肪を落とす方法として
1.朝はニンジンとリンゴとレモンのフルーツジュースに亜麻仁油を入れて飲む。
2.椅子に腰かけて、足を挙上し、足首の前屈背屈運動をする。
3.炭水化物は冷やして食べる。
4.風呂に入る前にコーヒーを飲み、湯船にはグレープフルーツの皮を入れる。

というものでした。
まあ、なんだか、総花的な結論ですが、3.を除けばことさら新しくも、珍しくもありませんよね。

3.ですが、池谷先生は、オニギリを冷蔵庫で冷やしてから食しておられます。
レジスタントスターチという英語を持ち出して、冷やしたでんぷんは、消化吸収が悪く、血糖値の上昇が阻害されると説明されました。
グーグルで検索してみると、確かに欧米では最近のトピックスになっているようです。
そしてこれに対しても、しめくくりは、........と言われています。なのです。
しかし、これって池谷先生が個人的に簡単に検証できる事柄ではないのでしょうか?
自分のデータ、つまり冷たいオニギリを食べての1時間後の血糖値と、同量のあったかご飯を食べての1時間後の血糖値を調べれば済む話ですから。
そのデータがあれば視聴者はもっと納得したかもしれませんよね。

もしも、驚くようなデータが出たならば、現在の糖質制限ブームがひっくり返るかもしれません。
がんばれ、池谷先生! てか。