前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

シュルレアリスム展―パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による―

2011-03-26 22:52:28 | 美術関係
新国立美術館で『シュルレアリスム展』を観てきました。


若い頃はこういった作品が好きでした。
今でもマグリットは好きな画家ですし、ダリも好きです。

ですが改めてこのような形で観ると、若干違った感想が湧いてきます。


展示会場の冒頭、アンドレ・ブルトンの「シュルレアリスム宣言」で幕を開けます。
二十世紀最大の芸術運動・・・。
でもそれは、アール・デコやキュビズムといったものとはちょっと違うと思います。

新しい技法や様式ではなく、あくまでも「思想」という感じです。
様々な芸術家達がある「思想」のもとに集い、その"枠組み"の中で作品を作る、
という印象で、そのことに違和感を覚えます。


これは、先日書いた「ワタリウム美術館」と同じではないか・・・。
ある「観念共同体」に属する者同士がお互い認め合う場所(作品)なのではないか・・・。

それは果たして「芸術家」としてあるべき姿なのでしょうか。


もちろん、ダリもマグリットも、エルンストもデ・キリコもミロも、
二十世紀を代表する画家ですし、それぞれは素晴らしい作品です。
それぞれの画家単独の展覧会を観るのは好きです。

だから余計に、このような『シュルレアリスム展』という括りで作品を観てしまうと、
一つひとつの良さ、面白さが半減してしまいます。


『シュルレアリスム展―パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による―』
巨大な、そして世界的に有名な「観念共同体」と化していました。
コメント
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