源平かづら
H社からS社に乗り換えた放射線機器事業は、大きな進展を見ないまま、突然破局を迎えた。
S社から特約店契約締結不可という最後通告があり、S社放射線機器の扱い店に値せずという烙印を突き付けられた。
その理由は知らされなかったが、今回それをうかがわせる 同人物の書簡が見つかった。
『聞くところによりますと、S社と絶交となったとのこと、驚きもし、又ガッカリも致しました。
貴社にS社が器械を売らせない理由は、私の、しでかした不祥事が主要因であるとのこと、私も非常に責任を感じ、出来る限りの手を尽くしましたが進展に至りませんでした。
もし貴社に覆水を盆に返すお気持ちがおありでしたら、H社との和解に力の限り働いて見ます。
○○日、是非お会いして御相談申し上げたく存じます、ご指示賜りたく幾重にもお願い申し上げます」
会社の上層がこの申し出に乗ったか、乗らなかったか分からない、様々な変転があったが、現在S製作所も、H製作所も日本を代表する医療機器メーカーである、幸い弊社は両社と友好的な取引を継続できている。