秋明菊
金木犀の香りがするので風の方向を振り返ると、小粒の黄花が群がって咲いていた。
いつもの事だけれど秋の澄んだ匂いで開花を知らされる。
そうなると、集落の中を抜ける小道に沿った家々をたどりながら、香りの散策に出る。
鼻炎で一時臭覚が著しく減退し、香りのない世界に生きた事がある。
それは味気ない世界であった。
いつだったか金木犀の匂いが嫌いだという人に会った。
理由を聞くと、トイレの様な匂いだからと答えた。
何と罪深い芳香剤であることか。
秋明菊
金木犀の香りがするので風の方向を振り返ると、小粒の黄花が群がって咲いていた。
いつもの事だけれど秋の澄んだ匂いで開花を知らされる。
そうなると、集落の中を抜ける小道に沿った家々をたどりながら、香りの散策に出る。
鼻炎で一時臭覚が著しく減退し、香りのない世界に生きた事がある。
それは味気ない世界であった。
いつだったか金木犀の匂いが嫌いだという人に会った。
理由を聞くと、トイレの様な匂いだからと答えた。
何と罪深い芳香剤であることか。