当たり前のことだけれど、登山道は山腹にジグザグ模様を描くように作られている。
歩く距離は長くなるけれど、その分傾斜が緩やかになって歩きやすい。
鉄道が標高を稼ぐためジグザグに折り返しながら走行することを、スイッチバックという。
松本から長野に通ずる篠ノ井線姨捨駅は、その特異な駅名と共にスイッチバック駅としても知られている。
善光寺平から2.5%の急勾配を一気に駆け上がった標高551メートルからの眺望は素晴らしい。
この駅から九ヶ所の旧国鉄駅が見えるといわれたが、現在は新駅も増え、更に多くの駅舎が望めるはずである。
姨捨とは70歳を越えた棄老伝説によるといわれ、それは現代にも通じて物悲しい。
急斜面に作られた棚田は月の名所として古代より名高い。
水が張られた千枚の棚田の1枚々に月が映る、しかし一人が見ることのできる月は、一ヶ所の一つだけである。
9月19日(日曜日)徒歩で善光寺を目指すグループが姨捨駅に集う。