柿すだれ
豊作と云える程に今年は柿がたわわに実った。
私が収穫し、カミサンがせっせと皮を剥き、糸に結んで干した。
干し場が満杯になって、残った柿は焼酎を吹いて密閉した、1週間後見事に渋が抜けていた。
柿は元気の塊だと子供のころから云い聞かされて育った。
それで朝と夜に1個づつ食べることにしている。
だから元気である。
行き付けの床屋さんが亡くなって10年は過ぎる、頭髪が著しく薄くなった事もあって髪形を気にする事もなくなった。
そんなことが重なってここ数年来、駅前の床屋さんに通っている。
駐車無料、所要時間10~15分 洗髪なしで 料金は2千円でお釣りが返って来る。
電機バリカンを器用に使いこなして、シャーッと小気味よく瞬く間に仕上げる。
まるでチェンソーを使う木彫家である。
ところが1年ほど前に、通りを挟んだ対面に同じつくりで200円安い店が開業した。
それとなく観察するとこの店の客足は減ったように思う、それは以前のようにソファーで待つことがなくなった事で客観的に判断できる。
それでも値下げをしない、その心意気に感じて、月にほぼ1度ドアを押している。